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今回紹介いたしますのはこちら。

「早乙女姉妹は漫画のためなら!?」第1巻 山本亮平先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


山本先生は13年にジャンプの新人賞を受賞してデビューした漫画家さんです。
その後14年に「E-Robot」、16年に「ラブラッシュ!」と連載しましたが、残念ながら両者とも単騎で打ち切りとなってしまいました。
そんな山本先生が週刊少年ジャンプと言う軛から解き放たれ、ジャンプ+で連載を開始したのが本作。
本作は今までよりもエロス要素に重きを置いた作品となっているようで……?



都内某所に住む16歳の少年、早乙女モブユキ。
彼はこの若い身空ですでに連載を抱えている新人漫画家でして、この日も原稿に追われていました。
とはいっても今日は、既に完成したはずの原稿の修正を突然要求されたのが原因でして。
締め切りギリギリだったはずの原稿だと言うのに、修正をくらうとは夢見も思わなかったモブユキは大慌て。
実は締め切りは嘘で実際は少しだけ余裕があるとのこと。
ですがその事実よりも、その後担当の編集者さんが言った言葉のほうが、モブユキのハートを鋭くえぐったのです。
今の作画じゃ新連載補正切れ後即巻末行き、10週ももたないだろう。
ジャンプの名物と言えば努力・友情・勝利の三本柱……と、10週突き抜け、無慈悲な打ち切りレース!
その地獄の一里塚が、もうすぐ目の前まで迫っている!!
悶絶するモブユキ……
そんな時、一人の女性がそっと彼に寄り添います。
モッ君、そんなに慌てないで。
焦ってもいいものはできないよ?
モッ君なら大丈夫だからリラックスリラックス。
そう優しく囁いたのは、モブユキの姉である18歳の女子高生兼、モブユキのアシスタントである早乙女ノアンでした。
優しい言葉をかけてくれるのはありがたいところですが、だからと言って打ち切りが目の前に迫っていることは変わりません。
ノアンはそんなモブユキに、そんなに不安ならいつでもお姉ちゃんの胸で心を落ち着けていいのよ、と言って、ガバッとその胸に抱き寄せるのです!!
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顔を真っ赤にしながらも、放せと抵抗を試みるモブユキ……
そんなモブユキに、ノアンはさらに止めを刺すような言葉を重ねます。
ちなみにお姉ちゃんね、今ノーブラなの。
その言葉が発されたその瞬間!!
その部屋の中へ、新たに少女が乱入してまいりました!!!
お姉ちゃんいい加減にしてよ!!
そうやっておにいちゃんの邪魔ばっかして、だから毎回締め切りギリギリになってんだよ!?
褐色の肌もまぶしい14歳、中学生兼アシスタント、早乙女カノン。
彼女はモブユキの妹であります。
そう妹に注意されても、ちょっかいをかけるのをやめる気のないノアンですが、モブユキはあくまで原因は自分のネームと作画が遅いせいだ、と自戒するばかり。
自分の胸の中からモブユキが離れてしまったノアンは、そのきっかけを与えたカノンに八つ当たり。
カノンは真面目だなあ、あんまりストレス溜めるとお姉ちゃんみたいに成長できないよ?
そう言って自らの豊かなお胸をつんと指さし、今度はカノンの控えめな胸をからかうのです。
余計なお世話だし、アタシは別にお姉ちゃんみたいなだらしない体に何てなりたくないんで!と強がるカノンですが、その心は穏やかではございません!!
ふんとそっぽを向いてしまうカノンですが、そこでノアンはなんとスカート捲りと言う強がり用のない方法で攻撃!!
流石のカノンも血相を変えて、ノアンの胸蔵をつかんで怒るのでした!

小さなころから漫画家を志していたモブユキ。
奇跡的に週刊連載をつかむことができたのですが……人手がないからと姉妹に手伝ってもらうことにしたのはいろいろ問題だったかもしれません。
こうしてあれこれトラブルが起きてしまうのですから……
ともかく今は仕事をするしかありません。
モブユキの連載作品「ラブロボ」は、未来からやって来たロボットの女の子とのラブコメ。
修正する原稿の内容はといいますと、クライマックスでヒロインが思わず主人公にキスを迫る際の、キス顔のアップのクオリティ上昇です。
確かにその顔、あまり魅力的とは言えないような。
ノアンはそこで、モブユキにこうアドバイス。
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もっとこう、なんていうか、思わず吸い付いて下まで入れたくなっちゃうような、そう言う唇がいいなぁ。
そんなことを言われては、自然に視線はノアンの唇へ吸い寄せられてしまうと言うもの。
思わず生唾を飲み込んでしまうモブユキ……とカノン。
俺の漫画はそんなエロい感じじゃないんだよ、とかろうじて反論するモブユキですが、そこでカノンはこんな疑問を投げかけるのです。
そもそもおにいちゃんってさ、女の子とキスしたことあるの?
……帰ってきた答えはこうでした。
漫画家の最大の武器は何だと思う?想像力だよ。
「じゃあ、一回してみたら?何かつかめるかもよ?」「お兄ちゃんさえ良ければアタシが……」
と言う言葉は、流石に思っても口には出せないカノン。
そんなかのんの気持ちを知ってか知らずか、ノアンがじゃあお姉ちゃんとキスしてみる?と迫りだすではありませんか!!
半ば強引にしようとしてくるノアン、思わず立ち上がってしまうカノン!
そしてモブユキは、グイッとノアンの顔を押してその誘惑から逃れようとするのですが……
その際、ノアンの口の中に手が突っ込まれてしまうのです!!
いくらなんでもやり過ぎだ……と言いたいところだったのですが、そこでなんとノアン、
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その手の指をなめ始めて……!!
突然の行動に驚くモブユキですが、そこで対抗意識を燃やしたカノンが逆の手を加えてもがもがやり始め、事態は一層混沌としてしまいます!
意味がわからないままこんな風になってしまいましたが……
確かに唇は想像以上に柔らかく、すごく暖かくて、ずっと触れていたくなるような……!?
これなら最高のキス顔が書ける、気がする!!
……と、ここで終わっていい感じのキス顔が書けてハッピーエンド、となれば一件落着でした。
ですがノアンとカノンのコンビがここで止まるはずもなく、さらに暴走をしてしまって!?



と言うわけで、早乙女姉妹とモブユキが漫画製作の最中に様々なトラブルに見舞われる本作。
基本的な展開としましては、モブユキが好きすぎるノアンとカノンが漫画製作の手伝いと称してあんなことやこんなことをしてくれてしまうと言う感じになっております!!
メインは積極的なノアンの行動にやきもきして自分も対抗してしまうカノン、と言う姉妹の行動となっているのですが、もちろん登場するキャラクターはそれだけではございません。
新しい担当編集者さんや、意外すぎるお隣さんなどが姿を現し、何かとエロスなトラブルを巻き起こしまくり!!
その度にモブユキはもう振り回され放題振り回され、嬉しいような困ったような思いをすることとなるのですが……その度に想像力だけで補っていたものが培われていき、漫画家としてレベルアップしていくようで……!?
決して漫画家漫画ではございませんが、成長していくモブユキの姿を早乙女姉妹とともに見守っていくのもまた一興。
モブユキの立場からも、姉妹の立場からも、勿論単純にエロス目当てでも楽しめる、そんな作品となっているわけです!!

ちなみに週刊の枷を外されただけあり、「券」もたっぷり発行されておりますのでご安心くださいませ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!