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今回紹介いたしますのはこちら。

「目玉焼きの黄身いつつぶす?」第11巻 おおひなたごう先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


さて、いよいよみふゆと結婚する決意を固めた二郎。
ですが今まで食に関しての問題で衝突し続けた二人が、このまますんなり結婚することなどできるのでしょうか?
実際、「口内調味」と言う正解がないともいえる問題で二人はさっそくぶつかってしまうのでしたが……



口内調味問題を経て、二人の関係はぐっと縮まりました。
二人の結婚はもはや秒読み段階と言ったところですが……
そうなればやはり、お義父さんとなる人にあいさつに行かなければならないでしょう!
しかもみふゆは幼いころご両親が離婚しておりまして、お父さん一人に育てられてきたと言う生い立ち。
一層お義父さんへの挨拶が重要と言えるのですが……二郎はものすごく緊張しております。
それもそのはず、子供のころからみふゆに口内調味ははしたないと注意するくらい礼儀作法に厳しい人。
熱くなりやすい、とりわけ食事のことになると何も見えなくなる節のある二郎にとっては、かなり気を使わざるを得ない存在と言うわけです!

ちなみにみふゆの田舎は青森。
二郎は秋田出身ですから、それほど実家同士は遠くはありません。
それだけにみふゆが、実家の弘前に向かう移動手段に新幹線を選んでいるのが少し疑問に感じてしまうのです。
勿論飛行機のほうが早く着くのは言うまでもないのですが、なんでもみふゆはその前に盛岡によって「はらこ飯」が食べたいのだとのこと。
二郎は促されるままみふゆについていくのです。

はらこ飯。
いざ目の前にしてみますと、サケの切り身といくらが混然かつ荘厳に盛り付けられたそのどんぶり料理のビジュアルに圧倒されるばかり。
そしてその味もまた圧巻。
たんなる鮭といくらの親子丼とは違いまして、はらこ飯ではご飯を炊く際の水も鮭を煮た煮汁を使っているのです。
上に乗った具材ばかりか、ご飯に至るまで鮭尽くし!!
二郎も手放しで大喜び、舌鼓を打つのでした。

そしてその時がやって来ました。
みふゆのお父さん、冬ノ介は見るからに真面目で礼儀に厳しそうな男性でしたが、挨拶をする二郎をにこやかに迎え入れてくれました。
簡単な世間話に花を咲かせ、そしてドキドキの夕食タイム。
そこで二郎はビールの注ぎ方や箸の持ち方、刺身の食べ方に至るまで、学んできたマナーをいかんなく披露!!
冬ノ介の機嫌を損なうことなく、和やかに事は進んでいくのでした。
ですが本番はこれから!
そう、結婚のことをきちんと切り出さないわけにはいかないでしょう!
みふゆに酔っぱらってしまわないうちにと切り出されたこともあり、二郎は意を決して頭を下げるのです!
みふゆさんのお父さん、みふゆさんと結婚させてください!
幸せにします!!
……冬ノ介はこう答えました。
二郎君と言ったっけね。
食べ方を見ればその人がわかる。
みふゆには父一人子一人でずっと寂しい思いをさせてきた。
どうかにぎやかな家庭を作ってやってください。
ふつつかな娘だけど、こちらこそどうぞよろしくお願いします。
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パッと明るい表情になる二郎とみふゆ。
深く頭を下げなおして感謝の言葉を告げ、みふゆもうっすらと涙を流して喜びました。
冬ノ介もこう言うときのためのとっておきの純米吟醸を開封し、今夜はとことん飲もう、と酒を進めてくるのでした。

翌朝。
すっかり飲み過ぎてしまった二郎、みふゆや冬ノ介よりも少し遅く起きだします。
そして三人で朝食の机を囲もうとしたところ、冬ノ介はみふゆにあるものを差し出してきました。
それは……すじこです。
みふゆは本来いくらは好きではあるもののそこまで大好物と言うわけではなく、鮭と合体した時だけ好んで食べるとのこと。
ですがすじこに関しては全く別の話で、青森に来たなら必ず食べる、と言うほど大好きだと言うのです。
二郎も秋田出身ですからすじこはよく食卓に並んだのですが、塩辛いし生臭さはあるしであまり好きではありませんでした。
しかしこのすじこ……見るからに二郎の知っているすじことは違うのです!
二郎のしるすじこよりも小粒で立っていて、鮮やかな朱色。
勧められるままごはんにのせて食べてみると、
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今まで体験したことのない旨さに二郎は打ち震えます!!
なんでもこのすじこ、冬ノ介がすじこ好きなみふゆのために市場で味見して選んだものとのことで……なるほど極上の一品!
しょっぱいだけのすじことは違い、しょっぱ過ぎず甘すぎない塩加減、全くない生臭さ、いくらに負けないプチプチ感……もはやいくら以上と言わざるを得ないでしょう!!
どんどんどんどんと箸が進んでしまい……気が付くと、すじこの入っていたタッパーは空になってしまっていました。
……久しぶりに返ってくる娘に食べさせようと、冬ノ介が吟味してきたすじこを、一人で食べつくした二郎。
ようやく正気に戻った二郎が顔を上げると、そこには
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今まで見せたことのない、物凄いプレッシャーを感じさせる表情で仁王立ちする、冬ノ介がいたのです……


と言うわけで、またやらかしてしまう二郎。
せっかくみふゆとの問題を乗り越えることができたと言うのに今度はそのお父さんと……
一体この二人の間にはどれだけの苦難が降りかかればいいと言うのでしょうか!?(ほとんど原因は二郎本人ですが!)
そして今度の苦難を突破することはできるのでしょうか!?
結婚前の最後……になって欲しいこの試練、その結末やいかに!!

こんなすじこ問題の他、今巻の前半では前巻より続いていた口内調味問題の決着編、そしてまさかの近藤さんの過去が明かされてしまう「月見そばの生卵いつつぶす?」、さらにまぜラー大貫の区政から思わぬ事態に発展する「一口ちょうだい、アリ?ナシ?」を収録!!
それぞれのお話で、みんなが一度は経験があるであろう食に関する問題の一つの答えが提案されるのです!!
勿論そこかしこでおおひなた先生らしい脱力ギャグも挿入されておりますので、安心してお楽しみください!!

そして次巻第12巻はクライマックスとのこと!
みふゆと二郎の将来を左右するであろう、今後の展開が気になってしま田ありませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!