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今回紹介いたしますのはこちら。

「そしてボクは外道マンになる」第4巻 平松伸二先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスGJより刊行です。


さて、「リッキー台風」が鳴かず飛ばずで終わってしまった平松青年ですが、その連載終了後に妻となった美奈子とともにハワイへ新婚旅行へ向かいます。
そこでも新作に向けてのネーム作業に追われていた平松青年、徐々にその影響が出始めているようで……!?



平松青年が構想する次なる作品は、現代版必殺仕置人。
先日発表した読み切り、「ニートに翔んで」を発展させた作品で、すでにタイトルも決まっていました。
その名も「ブラック・エンジェルズ」!
第1話のネーム作業も進んではいたものの、平松青年はその第1話の敵役となる悪徳刑事、蛭川のことばかりを考えていまして……
蛭川の外道な振る舞いの事ばかりに頭を支配されていた平松青年は、すっかりその影響を受けてしまっていました。

同じマンションの別の階に、自宅とは別に借りていた仕事場から帰ってきたその時の事。
玄関先に今一つ信頼しきれない担当編集、真髄の靴を発見したところから、平松青年は既に苛立ちを感じ始めていまして。
いざ部屋に入ってみると、真髄が食卓に座り込み、美奈子がふるまっていたカレーに舌鼓を打っているところでした。
その様子を見るなり、平松青年は真髄に因縁をつけるのです!
何勝手に人んちで飯喰ってんだよオメエ!!
流石の真髄も少し図々しかったと思ったのか、ここは謝るばかり。
ですが平松青年の中にくすぶり始めていた外道の種は、そのまま美奈子にも振るわれるのです。
美奈子、なんだってこんな奴勝手に家に上げてんだよ!
いきなり呼び捨てにしだしたあげく、担当編集と言う親しくすることに何の問題もないであろう人物へのおもてなしまで否定された美奈子は流石に驚くのですが、平松青年は全く動じません。
俺はまだこいつが新連載の担当だと認めてねえ、ネームだってまだ見せるような段階じゃない。
とにかく今日はもう帰れ!
そう言い放ち、全く取り付く島を与えないのです。
やむなくすごすごと帰っていく真髄……と思いきや、くるりと振り返ってすごんできます。
いつまでダダこねてるんスか?
ジャンプと専属契約を結んでる限り、ジャンプで描くしかないんスよ?
それに、仁死村編集長は絶対に担当を変えない、と言ってます。
俺達は憎しみ合ってでも面白い漫画を描くしかないんスよ!!
動かしようのない真実。
それを突き付けられた平松青年は……うるせぇ!とカレーの皿を掴み取り、思い切り投げつけたのです!!
皿は壁にぶつかり、真髄には当たりませんでした。
ですが割れた時の破片が飛び、真髄の頬をかすめたのです!
たらりと一滴、血の雫を垂らす真髄。
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真髄はにやりと笑い、これで急所攻撃の貸し借りはなしっスよ!と言い残し、今度こそ立ち去っていくのでした。

真髄が立ち去った後も、平松青年の怒りは収まりません。
なんであんなことを言ったのか、担当編集者と言うのは味方なんだろう、と言う美奈子の質問も、またとんでもない言葉で返すのです。
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俺は今まで、権藤にしろ魔死利戸にしろ、味方だと思ったことは一度もねえ!!
あいつら年上だからって上から目線で俺を見下し、指図ばかりしやがってよぉ!!
そして今度は同い年の真髄に急所攻撃まで喰らって、舐められてたまるかよ!!
荒れ狂う平松青年を見て、美奈子は戸惑いを隠せません。
平松くん、ホントに平松くんなの?
自分の前では穏やかな好青年であった平松青年、現在の姿はその印象とはかけ離れてしまっています。
ですがそんな怯えすら感じ始めている美奈子に対し、平松青年の返した言葉は紺のものだったのです。
くん?
くんじゃねえだろが、俺はこれからお前を食わせて行くんだぞ、その亭主に向かって、くんはねえだろがアアアー!!
あまりの非情な言葉に、とうとう涙を流してその場から逃げ出そうとする美奈子。
そこでようやく、平松青年は自分を取り戻すのです!
ハッとして彼女の手を取り、必死の説明を始める平松青年。
今の俺、変なんだ、普通じゃないんだ。
新作に出てくる外道に頭がなってて、それであんなひどいことを行ってしまって……ほんとにごめん!
しかし美奈子にとってその説明は、さらなる不安を助長するものにすぎませんでした。
二つの顔を見せる平松青年。
そのどちらが本当の平松青年なのか!?
美奈子にはそれがわからなくなってしまったのです。
平松青年はたまりかねて、ガシッと美奈子を抱き寄せます。
そして……自分には美奈子しか味方がいない、周りはみんな敵だらけだ、ボクはを一人ぼっちにしないでくれ、そう懇願するのでした……

自分の中に何人の自分がいるのか。
もはやそれは平松青年自身すらもわかりません。
ですがこのトラブルがあったおかげなのか、蛭川の外道ぶりの描写は壮絶なものになっていました。
さらに主人公となる人物が使う武器も、他に類を見ないものが思いつき、苦しい中にも平松青年は新作の光明を見出すのです。
……時を同じくして、美奈子がこんなことを考えていたことも知らずに。
私、大変な人と結婚しちゃったかも。
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でもそれは、お互いさまかな……!?



と言うわけで、徐々に平松青年が外道マンへと変貌していく様子が描かれる今巻。
この後とうとう平松青年の元に外道マンがその姿を現します!!
「ブラック・エンジェルズ」と言う平松先生最大のヒット作と言っていい作品も生まれ、連載が始まると言う順調と言っていいはずの状況にもかかわらず現れてしまう外道マン。
その裏には、美奈子の隠しているある事、平松の中にたまり給ったうっぷん、権藤や真髄と言った編集者との確執と、様々なものが渦巻いていて……
それだけのことがあれば、外道マンが現れてしまうのも仕方ないのかもしれません!!

と、そんな感じで盛り上がって来たところで、本作はまさかの打ち切りとなってしまいます。
平松先生をして、今までの中で一番悔しいと言う今回の打ち切り……
読者としても残念でならない所ですが、そこは平松先生、残りの連載回数を告げられたところでとんでもない展開で終わらせることを決意されたのです!!
その衝撃過ぎるラスト、ぜひとも皆様の目でご確認ください!!
そうすれば最終コマに記されたコメントに一縷の望みをかけてしまうことでしょう……!!
とにかく、いろいろな意味で必見の一冊になっているのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!