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今回紹介いたしますのはこちら。

「聖骸の魔女」第7巻 田中ほさな先生 

少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。


さて、崩壊したサンタンジェロで魔女の遺骸を探すことになった二コラたち。
ですがそこには思いがけない困難な試練と出会いが待っていました。
全く見つかる気配のない遺骸、謎の多すぎる人物との出会い、そして迫り来るアダンテの影。
そんな中で二コラたちは……!?



サンタンジェロでの激戦を終え、何とか生き延びることのできた二コラたちは、とある場所へと向かっていました。
決戦の地、ネミ。
ここで、アダンテとの戦いに完全なる決着をつけるために。
一足先にネミへと向かったアゼルバルド達を追う形でネミに来た二コラ……温泉に入っていました。
辿り着いた時、温泉で休め、と言うことなのかと尋ねた二コラでしたが、ここまで連れてきてくれたバルテルミによればこれから行われるのは休息ではなく、魔女たちの儀式、禊だと言います。
行われるのは「聖婚の儀」。
アダンテの力はあまりにも強大で、今のままのエゼルバルドでは勝つことができません。
そこで、二コラの犠牲が必要なのだ、と言うのです。
一番大切にして、15年間守り続けていたもの。
それを、魔女たちに捧げられるか?

今まで様々なもの(主に体液)を魔女たちに与えてきた二コラ、これ以上何を捧げればいいのかと考えながらも、なんだって捧げてやる、と覚悟を決めなおして温泉に浸かっていたのですが……
そこに、ウプスラが恥ずかしそうにやって来ました。
……全裸で!
恥しいのは二コラも同じ、慌てて逃げ出そうとするものの、ウプスラはまーまーと肩をつかんで二コラを逃がしません!
二人で真っ赤になりながらも横に並んで温泉に浸かることになるのですが、ウプスラは何だかそこで変なことを言い始めました。
ウチってわりと気が付くし家事全般万能だし、いい感じで尽くせる嫁になるんじゃね?
そこまで言っておいて。もじもじしだすウプスラ。
そんなウプスラに、二コラもまた真っ赤になって、ウプスラは一番優しいし、ずっと感謝してる、と答えまして……
じゃあ、ウチに責任取らせてくんない?
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ウチ、ニコラの事、一生一生大切にするんで!!
じゃ、待ってる!
そう言い残して、ウプスラは逃げ去って行ってしまうのです。

今のは一体何なんだ?
二コラはそうつぶやきながら走り去るウプスラの背中を見送るのですが、そんな二コラの背後から今度はミュリッタの声がします。
振り向かないでください、と言いながら、二コラと自分の背中をくっつけてるミュリッタも、何やら言い始めました。
私わかってます、美人じゃないし、選んでもらえないってこと。
でもだからこそ、覚悟はあります!
旦那様がお望みならば、どんな要求でもお答えします!
性格までは変えられません、暗いままだと思いますけど、頑張りますから、ぜったいぜったい楽しくしますから……
そう震えるミュリッタに、こう声をかける二コラ。
今のままがいいよ、ミュリッタと一緒でずっと楽しかったから。
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その一言は、ミュリッタの胸を一層高鳴らせる一言で。
そうですか、よかったです。
後で、待ってますから。
辛うじてそうとだけ言って、ミュリッタはフラフラとその場を立ち去るのでした。

そして最後にやって来たのは、エゼルバルドです。
照れたり隠したり、二人ともおかしいなと言いながら、遠慮なく二コラのすぐ近くに寄って来るエゼルバルド。
とはいえ彼女なりに恥ずかしくはあるようで、その頬を赤らんでいるのですが……紡がれる言葉は全く違います。
自分が選ばれるのは自明、といつも以上に自信満々に言うのです。
ですが、もし自分が選ばれたら、今までしていた我慢なんてしない、とか。
聖約をかわして以来今まで、二コラの心にはいつも自分以外の誰かがいた。
でも、聖婚が終わればそれもすべて終わる。
背に甘える、背にかわいがってもらう、自分だけを見つめてほしい。
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我を背のものにして欲しい!!
では、待っておるぞ。
エゼルバルドは自分の言いたいことだけを言って、去って行きました。

まるで恋愛ゲームの告白シーンのような光景が続いたこの「禊」。
流石にここまで来れば、二コラも自分が魔女に捧げなければいけないものが何か、と言う事はわかったようです。
それは、幼少の頃より守り続けていた神への貞節。
……そう、貞操です!!
これから二コラは誰かを選び、文字通り契りを交わさなければなりません。
ですが二コラはいまだ迷っています。
三人に対しての愛は等価、誰かを選ぶことなどできません!!
その心を象徴して、聖婚の儀が行われる場所まで続く森……歩くものの心を映す鏡だと言う「迷いの森」で堂々巡りをしてしまう二コラ……
誰かを選ぶことなんてできない。
でも選ばなければ、アダンテに勝つことはできない。
とんでもない選択を強いられてしまった二コラはどんな決意をするのでしょうか……!?



と言うわけで、いよいよクライマックスを迎える本作。
今巻の前半では、気になるあの人物と、浄皇猊下に関しての決着がつくサンタンジェロ編の結末が描かれまして、後半でこの聖婚の儀とラストバトルが描かれることとなりました。
強大な力を持つアダンテとの戦いはどんな激戦になるのか?
エゼルバルド達の誰かが聖婚を経て力を手に入れたとして、勝つことができるのか?
……と言うところも気になるでしょうが、やはりこの二コラが誰を選ぶか、と言うところも気になるところでしょう!!
勿論そのあたりはぼかされることはなく、ちゃんと二コラがどんな選択をしたかが描かれての完結となっていますのでご安心を!!
二コラが誰を選んだのか、そして神と浄皇猊下に全てを捧げていたはずの彼がその後どうするのか、と言うところまで、きっちりと描かれております!!
ここに至るまでなんだかんだありましたが、ご安心ください。
二コラの選択を含めて本作らしいラストシーンを迎えてくれますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!