gi0
今回紹介いたしますのはこちら。

「GIGANT(ギガント)」第2巻 奥浩哉先生 

小学館さんのビッグコミックススペシャルより刊行です。


さて、憧れのセクシー女優であるパピコと出会った横山田。
様々なトラブルに見舞われながら、仲を深めていく二人なのですが、そんな中でとんでもないトラブルに出くわしてしまいます。
パピコの右手首に埋め込まれるようについてしまった、謎の装置。
その装置でパピコはなんと、自分の体を巨大化できるようになってしまって……!?



横山田の猛アプローチが実を結び、付き合うことになった二人。
横山田はまだ学生ですし、親の目もありますから、デートができるのは土日くらい。
ですがそれでも二人はどんどんと親密度を増していきまして、幾度も幾度も体を重ね合わせるだけでなく、その心も確実に重ねていくのでした。
そんなある夜、ふと気になったのか、横山田はパピコにずっと髪形はショートカットだったのか、と尋ねます。
すると彼女は、うんと肯定するだけでなく、その時から今に至るまでの事も教えてくれたのです。
5歳のころ、広末涼子に憧れてお母さんに切ってもらった、だけどおかっぱのちびまるこちゃんみたくなって、広末と程遠かったけどね。
思いだした、零くんは小6の時好きだった、垣野内君って子に似てるんだ……
私より背が小さくて、でも足が超速いの、絵もすごく上手かったよ。
でもその頃、今より豆腐メンタルだったから、その子に爆乳外人って言われただけでみんなの前で号泣しちゃって……なんかあんまりいい思い出じゃないや。
そんなパピコの話を聞いているうちに、自然と横山田の中に沸き上がってきた疑問。
彼はそれを素直に口に出してみることにしました。
ちほさんってどんな子供だったんですか、と。
その質問に、パピコは開口一番こう答えます。
gi1
ウルトラマンになりたかった、と。
女の子向けのヒロインの類ではなく、ウルトラマンになりたかったと言う彼女。
なんでも彼女には三人の兄がいて、彼らに混じってウルトラマンごっこばかりしていたから、そのころはそんな夢を抱いていたのだとか。
なんだかパピコらしいと言う横山田に対して、パピコは零くんはずっと前から夢は映画監督なの、と同じような質問。
その質問に……横山田は思いもよらない答えを返してパピコを驚かせるのです!
20代で、スピルバーグが「激突」を撮った歳より若くデビューして……
そしたら、ちほさん、主演やってくれませんか?
で、そしたら……結婚してください。
……つきあっている相手に、真摯な態度で結婚を申し込まれたら嬉しくないはずがありません。
ですが横山田はまだ高校生。
時間がたつにつれ、今抱いている気持ちが代わっていってしまうことも十二分にあり得るもの。
横山田は、パピコの胸に抱かれながら、変わらないよとつぶやき……
君がそう思えるうちは一緒にいるよ。
パピコは横山田にそう語りかけるのでした。

その後も二人は何度となく逢瀬を繰り返します。
横山田は両親につきあっている女性がいると言う事がばれてしまいますが、お母さんはいい顔をしないものの、お父さんのほうは高校生なんだからいいじゃないかと言うスタンス。
そんなこともあってすぐに引き離されたりするようなこともなく、二人は順調に進んでいくのです。
……が、世界のほうはそうさせてはくれませんでした。
その日はいつもならばデートの予定の日でしたが、横山田は六本木に家族で映画を見に行くことになってしまいます。
その道すがら、お母さんはしつこく彼女がどんな人か聞いてきまして、お父さんはまだ微妙な時期なんだろ、ほっといてやれ、過保護なんだよ、とあくまでそっとしておくスタンス。
そんな両親の会話を聞き流しながら、横山田は今話題のサイト、「ETE」を見ていました。
このETE、サイト上に「みんなのお願いベスト5」なるものが表示されまして、閲覧者による投票でその中から1位を可決する、と言うサイト。
そして1位になったお願いは「実現しますか?」と言う決戦投票のようなものに移り、実現させたいと願ってボタンをクリックするものが規定数以上になると、本当にその出来事が実現してしまう、と言う摩訶不思議なサイトなのです。
先日も、よくない噂があると言うだけの芸能人が死ぬ、というお願いが実現したばかり。
横山田はこのサイトに恐ろしいものを感じ、その動向をうかがうためにちょくちょく覗いていたのですが……
今回の決選投票に上げられたお願いが、とんでもないものだったのです!!
gi2
「破壊神が東京に降臨 人口が100万人になる」。
破壊神のデザイン付きで提示されたそれ、にわかには信じられないお願いですが、閲覧者たちのほとんどがもうその感覚を麻痺させてしまっていたのでしょう。
瞬く間に10万クリックが達成され、そして……
しばらくの沈黙ののち、空に暗雲が立ち込め、稲光が閃いたのです!!
そして、いったん雷は止まり、静かになったかと思ったその時。
……暗雲を隙間から、ゆっくりと……
gi3
天を衝く大きさの、破壊神が現れたのです!!
ETEの前例に照らせば、この破壊神は、東京の人口が100万人になるまで、人の命を奪い続けるはず。
目の前に現れた圧倒的な絶望を見て……横山田にできるのは、恐怖に震えることだけだったのです……!!



と言うわけで、まさかの展開を迎える本作。
ゆったりとしたペースで進んでいく本作ですが、今巻の中盤から一気に物語が進んでいくことになります。
のぞみを叶える謎のサイト、ETE。
集団心理のようなものなのか、ETEの狙いなのか、はたまた人間の持つ本来の業なのか……選ばれるお願いはネガティブなものばかり。
そしてそれはエスカレートにエスカレートを重ね、ついには東京に住む人間を100万人にまで減らすと言うとんでもないものが実現してしまうのです。
その数実に1200万人以上!!
このままでは膨大な人数があの破壊神に殺されてしまうことでしょう。
そしてその中には、おそらく横山田も含まれている……!!
幸か不幸かパピコは遠く離れた場所にいて、破壊神の脅威にはさらされていません、
ですがだからこそ、ニュースや横山田からの電話で聞かされる絶望的な知らせに身を焼かれるような苦しみを感じなければならないわけで……
そこでパピコの胸にその想いがよみがえったのかmそうでないのかはわかりません。
パピコが昔なりたかったもの。
それは……!!

いよいよ今までとはがらりと変わった、緊迫感溢れる展開となってしまった本作。
パピコと横山田の関係に焦点が絞られていた今までから、いよいよETEの謎、パピコの体に埋め込まれたあのアイテムの謎などに迫っていく展開になっていきそうです。
流石は奥先生としか言いようのない、予測不可能な展開がこれからも楽しめそうですよ!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!