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今回紹介いたしますのはこちら。

「過去のあなたを誘拐しました」第1巻 原作・粟国翼先生 漫画・猫井ヤスユキ先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


粟国先生は17年にジャンプ+の漫画原作を募集するエヴリスタ小説賞で大賞を受賞した漫画原作者さんです。
その後本作は18年にジャンプ+で連載開始、めでたく初単行本刊行となりました。

猫井先生は98年に別名義で、成年向け漫画でデビューしたベテランの漫画家さんです。
こちらの名義では全年齢向け作品を多く手掛けておられまして、北斗の拳の外伝、アニメ脚本家として有名な今川泰宏先生原作の漫画、「ダンゲロス」シリーズの一つなどなど、様々な舞台で精力的に活動されています。

そんなお二人がタッグを組んだ本作、SF要素を含んだサスペンスとなっています。
ショッキングなシーンも多分に含まれている本作、気になるその内容はと言いますと……?



テレビに向かって、ガッツポーズをしている男がいます。
どうやら競馬で万馬券を当てた様子。
運が向いてきたぜとほくそ笑む男でしたが……彼に向いていた運と言うのは、幸運ではありませんでした。
その時彼に届いた一通のメール。
そこには、こう記されていました。
「過去のあなたを誘拐しました」
迷惑メールか何かだろう、と男は考えました。
すぐにメールを削除して、万馬券を当てた、そして「例の件」が片付いた祝杯をあげようとするのです。
が、そこにすぐまた次のメールが届いたようです。
無視を決め込もうとする男なのですが、メールは何通もしつこく届いてきていまして。
やむなくそのメールを確認しようと形態に手を伸ばすのですが……その時、男は自分の身に起きている異変に気が付くのです。
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右手の親指が、無くなっている……?
まるでずっと昔に切断していたかのように、古傷のような状態になって根元から無くなっている親指!
目の前の異様な出来事に戦慄する男でしたが、その恐怖はまだ続きます。
今まさに、自分が見ている目の前で……
右腕の内側に同じく昔からあった傷の様なもので、「メールを見ろ」と記されたのです!!
流石の男もこの状態では素直にメールを見ざるを得ません。
届いていたメールには、こう書いてありました。
あなたの罪を懺悔してください。
五分以内に返信してください。
そうこうしている間にも、男の体の異変は加速していきます。
気付けば右手の指は、薬指と小指しか残っていません。
五分以内に返信しなければペナルティが課される。
そんな意味がわからない恐怖にさらされた男、とにかくその場から逃げ出そうとするのですが……
最初のメールから5分が経過し、そのペナルティが与えられてしまうのです。
今度男から失われたのは……左足!!
あなたの罪を懺悔して下さい、既読スルー及び入力ミスにはペナルティが与えられます。
気が付けば男にはもう、舌、そして左腕までなくなってしまっています。
懺悔って何なんだ。
まさか、あのことなのか……!?
男には思い当たることがあるようです。
あれだ、あのことしかない!!
男は……子供のころ、自分より小さい女の子を、殺していたのです!!
ちいちゃい女の子三人殺した、警察につかまった、こどもだからマンガゲーム、親のせいにして出てきた。
そう変身するものの……その瞬間、今度は男からは長くなってしまうではありませんか!!
再び届いたメールにはこう記してあります。
仁ううが正しくありません。ペナルティを遂行します。
男に最後に与えられたペナルティは、首が180度回転すると言う、もはや生きてなおいられるはずもない罰。
薄れゆく意識の中で、男はつぶやくのです。
4人だっけ?と。


月島友孝は、とある理由でここ8年間、親元を離れてある女性と二人で暮らしています。
その女性の名は石川ミカ。
ミカは会社で働く社会人ですが……友孝のことをゆっぽんと呼んだり、朝もまともに起きれなかったり……どこか幼くて危なっかしいところがありまして。
14歳の月島が世話を焼いてあげるくらいの彼女ですが……ともかく、二人は仲良くやっています。
その日もミカは会社へ、月島は学校へと、いつも通りの日常を過ごすのでした。

日もくれるころ、二人は駅で待ち合わせて一緒に家まで帰ることにします。
その道中、公園を見かけたミカは、ちょっとだけ寄ろうよと月島をなかば強引に連れ込むのです。
二人はブランコに腰かけるのですが……いつもならもっとはしゃぐミカ、なぜか真剣な顔のまま何もしゃべりません。
そして立ち上がって月島の前に立ったかと思うと、こんなことを言い出すのです。
私頑張るから、おうちに戻って上げなよ。
私、ゆっぽんに守ってもらってばかり。
強くなりたいの、ミカがもっと強ければ、ミカはあの時……!
そう真剣に語りかけるミカに、月島は言うのです。
「僕はもう痛くない」し、「僕はもうどこにも行かない」し、「僕はもうミカを独りにはしない」。
僕は僕の意思でここにいる、だから「ゆっぽん」じゃなくて僕をみ……
そこまで言ったところで、異変が起きました。
突然
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「何か」が月島のうなじを直撃したのです!!
そしてそのまま月島は意識を失ってしまい……!!

目が覚めると目の前に広がっていたのは、ミカの大きな胸……はともかくとしまして、見たことのない、まるで裁判所のような場所でした。
ミカもどこかわからないというこの場所で、一番目についたのは……目の前に広がっていたスクリーンに表示されていた文章です。
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ここは犯罪者を裁く場所。
そしてあなたは裁かれるべき犯罪者の過去。
我ら被害者は決して犯罪者を許さない。
だから
過去のあなたを誘拐しました。




と言うわけ、あまりにも恐ろしい裁きの始まる本作。
冒頭のパートでは、悪人が報いを受ける断罪を描いた、様に見えました。
確かにそれ亜間違いではないのかもしれません。
ですが、この後明かされるさらわれた「過去の自分」に与えられる恐ろしいものを見れば、とてもそうとは思えなくなるでしょう!!
「過去の自分をさらう」と言う事、そして懺悔しなかったときに与えられるペナルティ。
あまりにも恐ろしい「断罪」が、無慈悲に繰り広げられるのです!!

この後物語は本格始動。
新たなキャラクターも登場し、あまりにも得体のしれないこの状況が、どれだけ恐ろしいか、なぜ行われたのか、どうやって行われたのかが少しずつ語られていくのです。
そんな恐ろしい断罪も勿論なのですが、本作でこの断罪と並べられるほどの大きな柱になるのが月島とミカの物語。
一体ふたりは何故こうして一緒に暮らしているのか?
ミカは何故月島をゆっぽんと呼ぶのか?
巻末の描き下ろし特別編も含めてだんだんと明かされていく様子の、そちらの要素からも目が離せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!