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今回紹介いたしますのはこちら。

「鉄牌のジャン!VR」第2巻 西条真二先生 

竹書房さんの近代麻雀コミックスより刊行です。


さて、祖父の仇を討つはずが逆に嵌められ、殺人犯の濡れ衣を着せられてしまったジャン。
ですがジャンもただでは起きません。
王やスグルたちと協力し、大規模麻雀大会を開催することで仇をおびき寄せつつ、文字通り鍵となるアイテム「13個の牌鍵」を集めようとするのでした!!



まるでファンタジーRPGの様な世界観で行われる麻雀大会。
独特のルールに苦しむもの、適応するもので白黒がわかれる中、やはり適応している組の中に目を引くものが多いようです。
チームを組んでいる伊織と無道もそんな中の一人でした。
快調に雑魚モンスターたちを掃除していき、レベルアップを果たしていく二人。
ですが彼女達の目的は、そこではありません。
庵の、そして、無道の目的は「13個の牌鍵」。
伊織はチームを組んでいる関係もありますから、無道がどの程度まで牌鍵について知っているのかを確認することにしました。
無道は「集めれば大金が手に入る」程度の認識しかないとのこと。
そんな無道に、庵はこの廃鍵の真実を教えてあげることにするのでした。

今をさかのぼること50年前。
降りしきる雨の仲、府中の街道を一台の車が走っていました。
そんな車の前に、突然一台のバイクが割り込んできて停車。
やむなくその車も停車しなければならなくなってしまいました。
そのバイクは、いわゆる白バイ。
違反はしていないでしょう、と窓を上げて声を上げる車の運転手たち。
ですがその白バイに乗っていた男は、その車に爆発物が仕掛けられているという情報が入ったから、急いでおりろと言い出すではありませんか!
半信半疑の運転手たち。
ところが車の後部からもうもうと黒煙が上がり始めるのを見ては、信じざるを得ないではありませんか!
慌てて逃げ出す男たち。
白バイの男はすぐさまかわって車に乗り込み、このままこの車はできるだけ被害の出ない場所まで移動させる、と車を走らせていくのです。
車の運転手たちは、大丈夫かな、と立ち去っていく車を見守るのですが……
そこには、黒煙を噴き出している発炎筒が残されていて……!!
そう、全ては狂言。
4億円と言う大金を積んだその現金輸送車ごと強奪に成功したニセ白バイの男は、高笑いするのでした!

かの有名な4億円事件。
何故犯人は逮捕されなかったのか?
その理由は、犯人が複数いたからだ、といいます。
犯人たちは事件の後それぞれが別個に動き、あえて多くの物証を残すことで真実にたどり着けないようにした……
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その犯人の数は13人。
鍵は全部で13個。
そこから先は、もう言わなくてもわかるでしょう。
察しの悪い方ではない無道もばっちりその先を理解して、牌鍵を集めた先の報酬に真実味を感じ始めたのですが……それにしても何故伊織がそんなことを知っているのでしょうか。
実は……伊織の祖母が、その13人のうちの一人だったのです!
この大会が催される少し前、庵は祖母から牌鍵を預けられていました。
13人は、50年後に再び一堂に集い、麻雀で雌雄を決する、と言う約束を結んでいたのだとか。
ですがその13人のうちの三人が、何者かによって殺されてしまっていました。
誰かが裏切り、一人で金を独占しようと考えたのでしょう。
勿論警察に相談するわけにもいきません。
伊織の祖母は、庵にこう言い残して去って行きました。
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少し出てくる、私に何かあった時は、お前が牌を集めよ!
いまさら金になど興味はないが、裏切者が金を手にするのは許しておけんのでな!

伊織の目的は、母の敵討ちと言うところのようです。
つまり……ジャンや王たちと同じ目的、と言う事なのでしょうか。
牌鍵と大金を餌にしている以上、犯人がここに来ていることは間違いありません。
伊織もですが、ジャン達もその人物を見つけ出し、復讐を果たすのが最大の目的なわけです。
そこで運営側である王も動き、犯人を捜していたのですが……その最中で、驚くべきものを発見してしまうのです。
なんと、ゲーム内の演出ではなく、実際に頭から血を流して倒れている参加者たちを!!
しっかりしろ、誰にやられたんだ、と彼らを起こそうとする王。
ですがその時……背後から
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何者かが王の頭部を一撃!!
王もまた、おそらく犯人である謎の人物に襲われてしまうのでした……!!



と言うわけで、物語の全貌が見えてきた今巻。
3億円ならぬ4億円事件が絡んできまして、ますます物語はきな臭くなってまいりました!!
その裏切者が第1巻冒頭の殺人を働き、ジャンに罪を擦り付けた人物であるとみて間違いはないはず。
さらにこの王を殴打したものもその人物でしょう。
一体だれがその裏切者なのか?
何故突然裏切りを働くのか?
王を痛めつけるなどの強硬手段をも辞さないのは何故なのか!?
様々な謎をはらみながら、物語は着々と進んでいくのです!!

そして今巻には、前シリーズで登場したキャラクターが再登場し、物語に意外な絡み方をしてくる一幕も。
さらに怪しい人物も姿を現しだし、戦いも次なるステージへ進行。
徐々に絞られていく容疑者たちがぶつかり合う、RPG麻雀による勝負も必見です!!
そして今巻でもアクセント程度ながらジャンの料理はしっかり披露。
正統派の美味しい料理と、ジャンらしい罠の仕掛けられた料理両方が楽しめますよ!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!