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今回紹介いたしますのはこちら。

「呪術廻戦 東京都立呪術高等専門学校」第0巻 芥見下々先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、自ら体に呪いを取り込み、呪霊と戦う運命に立ち向かう悠仁。
本作はそんな悠仁の戦いが始まる1年ほど前、「呪術廻戦」の前日譚となっています。
描かれるのは、「呪術廻戦」本編でも登場している呪術高専の2年生たちを中心に起きた事件。
果たしてその事件とは……?


乙骨憂太。
彼が椅子に座っている部屋は、見渡す限りの壁中にお札がびっしりと貼られています。
そんな彼の前で、両目を包帯で覆った男……五条が、ぐにゃぐにゃに折れ曲がった物体を見せつけながら、これは何かなと尋ねてきます。
ナイフだったものです。
死のうとしました。
うつむきながらそう答える乙骨ですが……続けて、こう言うのです。
でも、里香ちゃんに邪魔されました。
もうだれも傷つけたくありません、だからもう外には出ません。
そんな乙骨を、「新しい学校」に活かせようとしている五条は、こう言って彼を説得するのです。
君にかかった呪いは、使い方次第で人を助けることもできる、力の使い方を学びなさい。
全てを投げ出すのは、それからでも遅くはないだろう。

そうして乙骨がやって来たのは、奇妙な三人が在籍している奇妙なクラスでした。
横柄な態度の眼鏡の女子、禪院真希。
口元までネックウォーマーで隠した、おにぎりの具でしか会話をしない狗巻棘。
そして……パンダ。
どう考えても普通ではない三人ですが、乙骨が教室に入ってきたときにはさすがにものすごいリアクションを取らざるを得ませんでした。
それは、乙骨の背後にいる、あまりにも禍々しい呪い……「里香」の姿が見えたから!!
まともに自己紹介をする間もなく、刃物を突き付けられる乙骨!
そんな彼に、真希は言うのです。
お前呪われてるぞ。
ここは呪いを学ぶ場だ、呪われてるやつが来るところじゃねーよ。
ここが呪術を学ぶ学校であると言うことすらしらなかった乙骨は、ただただあっけにとられるばかり。
そこでいち早く動いたのは……里香でした。
憂太を、いじめるな。
そう言いながら、巨大な手を伸ばす里香……!!
憂太につく「呪い」、里香。
彼女は何者で、いつからこうして彼についているのでしょうか。
事の発端は、6年前にまでさかのぼるのです。

誕生日おめでとう。
そう言って、里香は憂太に指輪をプレゼントしました。
まだ幼い憂太にはピンと来ないそのプレゼントですが、里香はなちょっと大人びた表情でこう言いました。
婚約指輪。
約束だよ。里香と憂太は、大人になったら結婚するの。
そんな子供同士の他愛もない、でも、大事な思い出になる約束を交わした直後の事でした。
地下が車に轢かれ、即死してしまったのは。
頭を潰され、誰がどう見ても命がない痛ましい事故に巻き込まれた里香。
目の前でその有様を見た憂太は、呆然としながら彼女の名を呼ぶのです。
すると彼女は……死んだはずの彼女は、憂太、お店になったら、結婚する、約束だよ。
そう言いながら……
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その身を呪いに変え、乙骨の足にしがみついたのでした。
まったく今の状態が呑み込めないまま、乙骨はクラスメイトになった真希とともに、とある小学校に連れられました。
その真希にはお前いじめられてただろ、ずっと受け身で生きてきただろ、何の目的もなくやっていけるほどここは甘くないぞ、と厳しい言葉を投げかけられ……乙骨の気持ちは一層沈んでいくのです。
辿り着いたその小学校は、ただの、校内で児童が二人失踪した小学校、だそうです。
すると五条は校内に二人を残し、「帳」と言う呪いをあぶり出し、中の様子を外から窺いづらくする結界を張って、去って行ってしまいます。
去り際に「死なないように」ととんでもない台詞を残していって。
ほどなく、小学校に巣食う低級な呪いが続々と姿を現し始めます。
見るもおぞましいそれに驚愕する乙骨ですが、真希はこともなげにそれを処理していきます。
そしてずんずんと先に進み、校内の呪いを片付けようとするのですが……どうしたことか、呪いが成りを潜め、襲い掛かってきません。
……乙骨を警戒している、ように見えます。
真希は、乙骨がどれだけの力を持っているのか興味を持ったようで。
呪術高専で学ぶものをはじめとした呪詛師には、四から一の階級があるのですが、そのどの階級にいるのかと尋ねてみました。
当然そんなことは知らない乙骨ですが、入学時に渡された学生証を見てみると、「特級」と書いてあるではありませんか。
特級は、一級のさらに上。
冗談でしか聞かないレベルの特級が、まさかこの乙骨だと言うのでしょうか……?
そんなことに気を取られている真希は、背後から忍び寄っている巨大な呪いに気が付くことができませんでした。
あっという間に二人はその呪いに呑まれてしまい……!!

呪いの中に取り込まれた二人は、中で同じように飲まれた子供二人を発見します。
不幸中の幸いかもしれませんが、子供の一人はぐったりしていますし、もう一人は呪いに蝕まれているのが見て取れます。
早くなんとかしなければなりませんが、真希の頼みの武器は外にあります。
もはや手詰まり、帳が解けて外から誰かが助けてくれるのを待つしかなさそうです。
……が、子供たちに余裕はなさそうですし、真希もその右足に呪いを受けてしまい、苦しそうにしています。
どうすればいいのか全く分からない乙骨はただ戸惑うばかりなのですが……真希に、お前何しに来たんだ、何がしたい、何が欲しい、何を叶えたい?と尋ねられ……ようやく本音を漏らすのです。
本当は誰かと関わりたい、誰かに必要とされて、生きてていいって自身が欲しいんだ、と。
その為にここでできることは……「祓う」こと!
呪いを祓い続けて行けば、自身も他人も付いて来る。
呪術高専はそう言う場所だ!!
真希にそう劇を入れられ……とうとう乙骨はうごくのです。
ネックレスのように首に下げていたあの指輪を手に取り、左の薬指にはめ……
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里香ちゃん、力を貸して。
そうお願いすると……
あの禍々しい呪い、里香が姿を現し、あっと言う間に呪いを蹴散らしてしまったのでした!!

乙骨は、あの指輪をもらったあとのことを思い出していました。
大人になったら里香と憂太は結婚するの。
そう告げる里香に、乙骨はこう言ったのです。
いいよ、じゃあぼくらはずーっとずーっといっしょだね。
……今考えれば、その言葉こそ、自分が彼女にかけた呪いだったのかもしれない。
そううつむく乙骨ですが……だからこそ、しなければならないことがあるのです。
指輪をはめた左拳を握り、乙骨ははっきりと宣言しました。
僕は呪術高専で、
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里香ちゃんの呪いを解きます。




と言うわけで、「呪術廻戦」本編の前日譚が描かれる今巻。
本作は「呪術廻戦」が始まる前にジャンプの増刊で連載された作品なだけに、本編とは完全に独立した作品として楽しめる内容となっています。
乙骨の成長とともに、真希や棘、パンダのキャラクターを掘り下げつつ、とんでもない事件を巻き起こす敵役が登場し、その適役とのバトルが描かれていくのです。
本作はそのバトルと、里香を巡るドラマに比重を置いた作品となっているのですが、やはりそのキャラクターの個性も見逃せないところ。
本編で今絶賛活躍中の2年生たちの過去の姿や活躍が拝めるとともに、現在暗躍中のあの男の背景も描かれます!!
さらに本編で過去あったこととして語られた事件の様子と顛末が描かれまして、「呪術廻戦」と併せて読めば一層楽しめる内容になっているのです!!
勿論本作だけで最大のメインストーリーである里香の物語はきっちりと完結しておりますので…・…あまりいないかもしれませんが、本編未読の方でも楽しめますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!