mc0
今回紹介いたしますのはこちら。

「冥婚の契」第1巻 詩原ヒロ先生 

マッグガーデンさんのマッグガーデンコミックスBeat'sシリーズより刊行です。


詩原先生は13年に講談社さんの漫画賞を受賞し、同年にデビューした漫画家さんです。
その後13年に新潮社さんのウェブコミックでちょっと(?)変わったヒロインとのラブコメ「ナイショの戸黒さん」で連載デビュー、14年にモーニング・ツーで「おねいも」を連載開始、二誌同時連載をするなど、精力的に活動されています。
ちなみに現在も本作と同時にウェブコミックのジヘンにて「オンラインの羊たち」を連載中です!

そんな詩原先生の最新作となる本作は、なんと先生初挑戦となるホラー!!
今までラブコメや日常モノを描いてきた詩原先生が挑むホラー漫画、果たしてその内容は……!?



霧の立ち込める薄暗い竹藪。
そのあちこちに、結婚の様子を描いた絵のようなものが打ち捨てられています。
あてどもなくその中をさまよっていますと……鈴の音とともに、それは現れたのです。
mc1
汚れきった白無垢を纏った……腐りかけの花嫁が!!

そこで小沼は目を覚ましました。
今、小沼は東京から新幹線や在来線を乗り継いで3時間かけ、新しい勤務地に向かっていました。
新生活に対する漠然とした不安があの悪夢を呼んだのでしょうか?
気分を変えるためにも、電車の車窓に流れるのどかな田園風景を眺めることにした小沼。
すると……田んぼが並んでいる中に一角だけあった、曼珠沙華の咲誇る花畑の中に、一人の髪の長い女性が立ち尽くしているのが見えるのです。
最初は案山子かと思うほど動かなかったその女性……小沼は何か引っかかりを感じるのでした。

この田舎町で教師をすることになった小沼は、自他ともに認める女運のない人物です。
付き合って一か月もったことはなく、合コンや風俗ですらうまくいった試しがないのだとか。
今回ここで務めることになったのも、そもそも女性がらみの問題が起きて転勤を余儀なくされたのです。
そんなことが原因……なのではないのでしょうが、この新しい土地でも今一つ馴染み切れない小沼。
早速この辺りで有名な不良である岩渕と言う生徒にぶつかってしまったり、そいつと会ったらすぐ報告しろ、と生活指導の教師ににらまれたりと、いきなりうまくいかないのです。
そんな中わずかながら救いになったのは、最上と言う女性教師。
彼女は何かと小沼を気にかけてくれ、にこやかにこれからもよろしくと笑いかけてくれたのでした。

ともかくなれないながら教師の仕事をするしかない小沼、放課後には生徒たちにこの街の観光スポットを案内してもらいました。
それは何だか雰囲気満点の寺社。
お寺か、とつぶやきながらぼーっと眺めておりますと、そこにあの時電車から見えた黒髪の女性を見かけるのです。
ずっと小沼を見つめながら何かをつぶやいている様子の彼女。
小沼はとりあえずこんにちは、と一応の挨拶をして、生徒たちの後を追うようにお寺の中に入っていくのです。
そこにあったのは、紋付き袴の男性と白無垢の女性をセットで描いた絵。
それも、天井や壁を覆い隠さんばかりの量があるではありませんか!
何でこんなものを、と疑問に思う小沼に、ちょうどそこにやってきた住職が教えてくれます。
「冥婚絵馬」。
そう呼ばれるその絵は、独り身で亡くなったものに架空の伴侶を与えて死後の幸せを祈る、死後結婚と言う儀式なのだそうで。
ただ、実際に生きている人間を描くと、「連れていかれる」と言う禁忌もありまして……不気味さも感じずにはいられません。
とはいえこう言った風習はやはり興味深いもの。
小沼はある程度満足して帰路に就くのですが……その際、免許証の入ったパスケースを落としてしまったことに気が付きませんでした。
そしてその免許証を、あの女が発見したことにも!

深夜。
眠りについた小沼は飛び起きることになります。
真と静まり返った部屋に響く微かな鈴の音。
そして……自分のすぐそばを歩く、白無垢の女の気配……!!
あの悪夢の続きなのでしょうか!?
起きた時には何の姿もなく、小沼は奇妙な違和感だけを残すことになるのです。

その後も気になる出来事は続きます。
開いてもらった歓迎会で、小沼はあの冥婚の事を切り出すと……変な文化だろう、と大方の人物が笑い飛ばすのですが、一部のお年寄りは何やら深刻な顔で合掌し、何かを祈っているようなそぶりを見せ……
また、最上以外には若い女性教師は存在しないと言うあの学校の中で、例のあの女を見かけたと言う事もありました。
一体彼女は何者なのか?
歓迎会の後、小沼は一人自宅でそんなことを考え……ることはなく、なかなかの美人さんで時折可愛らしい言動も見せる最上の事を考えていました。
すると突然チャイムの音が。
もしかして最上が訪ねてきてくれたのか、と玄関を開けると、そこには誰の姿もなく。
悪戯か、と周りをきょろきょろと見回す小沼なのですが……またも彼は気が付きませんでした。
その背後……自分の部屋の中に
mc2
あの女がいるのを……!!
そしてその頃、あの寺にも異変が起こっていました。
あの絵馬が奉納されている社の鍵が壊されているのを発見した住職、すぐさま中を確認。
幸い中に保管してあった絵馬はみな無事だったのですが……その中に、とんでもないものを見つけていたのです。
mc3
小沼の姿と名前がしっかりと刻まれた、冥婚の絵馬を!!!



と言うわけで、死後婚と言う実際に存在する風習を元にしたホラー漫画となる本作。
ホラーの王道と言えば、非業の死を遂げたものの復讐か、得体のしれない怪異に襲われる伝承系、感染などによるゾンビ系、とそんな感じに分類されるかと思われます。
本作はそんな伝承系に当たるわけですが、実在する、それもホラーの題材にしやすい風習だけに、その設定だけでも不気味さは保証された様なもの!
ですがそこに村人たちが抱えているらしい秘密や、最初から姿を現す謎の白無垢の女と黒髪の女と言う不可解な要素、小沼本人の背景、誰が小沼の絵馬を奉納したのかと言う謎……と言った様々な要素を絡ませ、ただのホラーではない作品となっているのです!

不気味極まりないホラーパートは言うまでもなく、様々なサスペンス的な要素もふんだんに盛り込まれているのも本作の特徴と言えましょう。
ホラーでありサスペンスでもある本作、小沼を蝕む心霊的な恐怖に加え、村人たちの奇怪な行動、そして……小沼自身に降りかかるとんでもない、驚愕の出来事が待っております!!
あまりにも不運極まりない小沼はこの後、どうなってしまうのか。
この不可解な事態はどう収束するのか、それとも……?
今後の展開が気になるところですね!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!