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今回紹介いたしますのはこちら。

「ゴールデンゴールド」第5巻 堀尾省太先生 

講談社さんのモーニングKCより刊行です。


さて、フクノカミの暗躍によって急速に変わっていく寧島とばーちゃん。
琉花と黒蓮はこの異常事態をどうにかするため、フクノカミの力の有効範囲を調べたり、その力の外にいる母親の力を借りようとしたりと、様々な手を尽くすのですが……



フクノカミの力が及ばない「神社」に出入りをする時、どうなっているのか?
そんな検証を行うため、黒蓮は琉花と電話で打ち合わせをしたうえで神社の中に入ることにしました。
琉花が一番気になるのはやはりばーちゃんの様子。
ばーちゃんが今何をしているかと言いますと……部屋に閉じこもったまま、PCとにらめっこしています。
どうやら株価の動向を見極めようとしているようです。
フクノカミがついている以上、そこで彼女が失敗するとは考えづらいところ。
こうして金儲けに明け暮れるばーちゃん、今となっておなじみになってしまっていますが……やはりばーちゃんが今までの姿に戻ってくれると言うのが琉花の望むところなわけで。
神社にはいることでばーちゃんに変化が起こるなら、自分はここに住む、と琉花は冗談半分、本気半分の言葉を返して電話を切るのでした。

黒蓮が空メールを送ったら鳥居をくぐる。
そう決めた後、黒蓮はさっそくばーちゃんとの接触を図ります。
ドアをノックして、扉を開けると……どうしたことでしょう。
心なしか
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ばーちゃんの顔が若返っているような……?
すぐにその顔は元通りに見え、これが気のせいなのか、フクノカミの力の一端なのか、それはまだわかりませんでした。
とりあえず気を取り直し、黒蓮はばーちゃんに企業秘密でなければ料理を、先日食べた焼うどんの作り方を教えてほしい、と話を持ち掛けたのです。
ばーちゃんは快くそのお願いを聞いてくれ、お昼がまだなら早速作ってみましょうか、と言う事になったのですが……

料理しながら、だと琉花が神社に入ったことでもし何か変化あったとしてもわかりづらいかもしれない。
黒蓮はそんな可能性を考えて内心マズったかなと悔いるのですが、もうこうなってはどうしようもありません。
ばーちゃんはそんな黒蓮の考えなど知るはずもなく、手早く焼きうどんの作り方を教えてくれる……はずだったのですが、何やら様子が変です。
何やら途中で手を止め、手順を間違えたか?と自問し始めたのです。
さらに、うどんを忘れていた、うどんを二玉……と言ったところでどうしていたかわからなくなってしまったようで。
黒蓮の、前にいただいた時は軽く蒸してあったように感じましたけど、と言う言葉でようやく手順を思い出し、どっちが教わっているんだかわからない、と苦笑するのでした。

そんなことがあって、ようやく出来上がった焼きうどん。
食べてみると……どうしたことでしょう。
依然食べた時に比べると、ごく普通……あまりおいしくないうどんになっていたのです。
黒蓮はおいしいと怪しまれないようにふるまおうとしたのですが、この味の悪さはばーちゃんもわかったようで。
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調味料を何か一つ忘れたか、手順も何か違ったか……?
と、自分自身に尋ねるようにつぶやくのでした。

丁度その頃、神社に立ち入った琉花。
そこで琉花は……神社に入ったと言うのに、フクノカミのことを全く忘れていないことに気が付きます。
自宅に帰った後そのことを報告すると、黒蓮はフクノカミまでの距離が近いため、神社の力よりフクノカミの力が勝っているのかもしれないと予測。
となると……フクノカミの力が増大していけば、この日本中がフクノカミの力の支配下になってしまう、と言う可能性も持ち上がって来てしまいます。
戦慄せざるを得ないその力。
早いところ何か手を打たなければならなそうですが……

そしてばーちゃんもまた、自分の違和感に気付き始めていました。
焼きうどんを前に作ったのは先月の事。
だと言うのになぜ思い出せないのか?
調味料を全部机の上に並べて……そして、冷蔵庫の中を見て、ようやく何が足りなかったのか思い出すばーちゃん。
見れば思い出す。
それなら全部見ればいい、むきになることはない、明日起きたときとかにハッと思いだすだろう。
そう思いなおすばーちゃんなのですが、そこで蘇ったのは……幼かった琉花にこの焼きうどんをたべさせた思い出でした。
両親の家ではろくにご飯を食べないと言う琉花なのですが、ばーちゃんの焼きうどんはぺろりと平らげた。
その時に琉花のにこやかな顔を思い出すと……
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ばーちゃんの目には涙が浮かび、忘れかけていた何かを思い出しそうになるのですが……
その時、ちょうど商売相手の一人から、商売がらみの電話がかかってくると、その顔は今まで通り野承認の顔へと戻ってしまうのです!!
時を同じくして、島に電波を届けているアンテナから飛び降り、どこかへ歩いていくフクノカミ。
……この変化も、フクノカミの仕業なのでしょう。
ばーちゃんは、フクノカミの齎す変化にこのまま翻弄され続けるのでしょうか……



と言うわけで、フクノカミの力が増大していく本作。
ですが、このばーちゃんの変化のおかげで、やはり神社がフクノカミをどうにかするための力を持っていると言う事も確実になったと言ってよさそうです。
そしてばーちゃんに以前の自分を思い出してもらうことも不可能ではなさそうだと言う事も。
フクノカミの力の増大と、その力を削ぐものの存在。
プラスとマイナス、両方の要素が垣間見られ……この後の展開にどう影響するのか、楽しみになってくるところです!!

さらにこの後、ばーちゃんの過去が語られ、そもそも「もともとのばーちゃん」とはどんな人物なのか、と言うそもそもを部分から話が変わってくることに。
そしてすっかり趣味趣向が変わってしまった及川などの存在もあり、琉花自身も変わっていくこととなります。
混迷してく本作、このほかにもさらに意味深な要素が明かされていきまして……
ますます目が離せなくなる一方に!!
次巻以降の物語も気になって仕方がありませんね!!





今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!