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今回紹介いたしますのはこちら。

「六道の悪女たち」第12巻 中村勇志先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、課長一家を巻き込んだ大騒動となってしまった闇金事件を、みんなの力で乗り切ることができた六道たち。
再び一同に平穏が訪れ、今までのような楽しい日常が返ってきました。
折しも時はクリスマス直前。
なんと六道は、乱菜からクリスマスにお誘いを受け……!?



クリスマス当日。
六道は大佐や課長から、乱奈は乙姫からアドバイスを受け、いつもとは違った装いでデートに挑む二人。色々な事態を予想して、プランなんかも立ててきた六道ですが……いつもならば六道にすべてをゆだねてしまう乱奈から、ついてきてほしい所がある、と言い出しました。
乱奈が行きたいところってどこなんだ、と身構える六道でしたが……思い切って聞いてみたところ、予想とは違う意味で覚悟が必要な場所に向かっていることがわかりました。
それは……乱奈の自宅!!
クリスマスに、女性の家でデート……!!
さすがの六道もいろいろ想像してしまうところですが、それと同時に私生活が全く想像できない乱奈にちゃんと帰る家がある、という当たり前の事実になぜだがほっとしてしまいます。
勝手な想像では、サバンナとかジャングルとか、そういったところでワイルドライフを送っていそうだ、などと考えていた六道。
じゃあ彼女のおうちとはどんなものなのか、と考えながら彼女についていきますと、たどり着いたのは
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町の中心から少し離れた郊外にあるお寺でした。
……乱奈はこの日回寺成るお寺に住んでいるとの事。
そういわれてみれば乱奈、六道に対してだけは、誰よりも礼儀正しい態度を見せていました。
お寺の娘さんとなればちょっと納得だ、と六道はうなずくのですが……
どうしたことでしょう。
お寺に入ると、乱奈の両親と思しき住職とその奥さんが、身構えて乱奈をお出迎えするではありませんか!!
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誰だその子は、どこから連れてきた!
また寺に迷惑をかける気だな、出ていけ!!
声を荒げてそう叫ぶ住職……!!
お母さんらしき女性は、実の娘にそこまで言わなくても、と諫めようとするものの、やはりどこか及び腰に見えます。
乱奈はぎろりと父をにらんで黙らせますと、六道にむかって一緒にご飯を食べよう、と一転笑いかけてきました。
その乱奈の顔をみるや、両親はすぐさま六道を抱き寄せて乱奈から引き離し、こんなことを言い出すのです!
まずい、乱奈が笑った!
ダメよ、クラスメイトでしょ!!
……そう言えば六道と出会う前の乱奈が笑顔になるのは、暴力を振るっている時だけだったという話。
乱奈の事を良く知っている両親ならば、その笑顔の持つ恐ろしさを良く知っていると言うわけです。
が、今の乱奈の浮かべている笑顔の意味は全く違います。
六道くんを放せ。
そう言って、鬼のような形相で凄む乱奈……!!
乱奈の両親はびっくり仰天。
それは乱奈の鬼の形相にではなく、他人を「六道くん」と君付けで呼んだことに対して、です。
両親が驚いている間に、乱奈は六道を取り返し、その手を取ってすたすたと中に入っていってしまいました。
その道中で六道は気が付くのです。
陥没した地面、折れた庭の木、破壊された灯篭。
おそらく乱奈のものであろう、暴力の爪痕に……!!

乱奈と二人、和室で向かい合ってご飯を食べる六道。
ですがその様子を隣の部屋から両親が固唾をのんで見つめているのですから、料理の味なんてわかるはずがありません。
両親も、あの笑顔の時は暴力を振るうときだから、と監視の目を緩めずにいたのですが……そんな両親の気持ちなど露知らず、乱奈はおもむろに外に出て行きました。
彼女が何をしようと外に出て行ったのかはわかりませんが、両親は今がチャンスだと考えたのでしょう。
すかさず部屋の中に入り、六道の無事を確認します。
六道によれば乱奈は着替えてくると言って部屋を出たらしいのですが……
せっかくですから、六道は常々疑問に思っていたあのことを質問してみることにしました。
乱奈はいったいいつから、あんな暴力以外のことに関して全く興味を示さないような悪女になり果ててしまったのか?
住職は……重い口を開いて、衝撃の事実を明かしてくれる……のですが。
その直後、そんな衝撃が吹っ飛んでしまうような、さらなる衝撃の出来事が起こってしまったのです!!
着替え終わって姿を現した乱奈。
その姿は……白無垢!?
そして彼女は三つ指をついて、こう言ったではありませんか!!
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六道くん、どうか私、向日葵乱奈を、お嫁にもらってください……と!!!



というわけで、まさかすぎる急な告白といいますか、そこを飛び越えて求婚が飛び出した今巻。
今まで六道への行為を隠すことはなかった乱奈ですが、ここまで積極的にアプローチをかけてくることはありませんでした。
ですが今までにないくらい積極的すぎるこのアプローチの意味することは何なのでしょう。
乱奈の中に何らかの変化があったことには間違いなさそうですが……?
ギャグエピソードかと思われた乱奈とのクリスマスデート。
ところがふたを開けてみれば乱奈の求婚と言うとんでもないことが巻き起こり、そのうえ衝撃の過去が明かされ、六道も自分がしなければならないことを見直すきっかけにもなるという重要極まりないエピソードとなりました!!
この事件が、この後の物語に与える影響が気になるところです!!

そしてこの後物語は新シリーズへ!
今まで言い出すことの出来なかったことを、ある人物に打ち明ける決心をするのですが……
そこから物語はまた思いがけな展開に!?
まだまだ見逃せないお話が続いていきそうです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!