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今回紹介いたしますのはこちら。

「ストーカー浄化団」第1巻 原作・オオガヒロミチ先生 漫画・オオイシヒロト先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。


オオガ先生は放送作家や脚本家として活動しながら、本作で漫画原作者としても本格的に活動され始めたマルチな作家さんです。

そんなオオガ先生が、現在も「ナリカワリ」連載中のオオイシ先生とタッグを組んで描く本作。
そのタイトル通り、ストーカーと戦うチームを描くわけですが、単なる勧善懲悪ものではないようで……?



デリヘルで働く女性、彩美。
彼女は、変わった客に悩まされていました。
週三回以上、長時間指名してくれる太いお客さんではあるものの、彩美のことを大好きなアニメキャラである「MASAMI」と呼び、時間だからと帰ろうとする彩美を抱きしめて帰るな、帰らないでくれ、と無理を言ってきたりするのです。
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とはいえ、それまではまだ面倒なところがあるだけで、厄介と言うほどではありません。
彩美はいやいやながらもその客の相手をしていたわけですが……

彩美は自宅で、友人と電話で長話していました。
私生活はだらしない彩美、半ばゴミ屋敷と化した自室で、Tシャツ一枚でカップ麺をたべ、煙草をふかしながら会話中。
彼女の趣味はとあるバンドの追っかけで、特にその中のギター担当、タクミの大ファンのようです。
悠仁と今度のツアーは全部行こう、SNSの写真がかっこよすぎてたまらない……などと、とりとめもないお話をしていたのですが、そんな時にメッセージの着信があることに気が付きました。
電話を一時中断しまして、メッセージを確認しますと……あの面倒な客、リョウからのモノでした。
一応目を通すと……
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「突然ですがクイズ!MASAMIの大好物は何でしょう?」
「正解は練乳イチゴでした、イチゴは潰す派だったりします」
「今度は新シリーズのDVDイッキ見しようね!」
「AYAMIがMASAMIになる日も近し(笑)それに今日は僕らが出会って一か月、記念日に決定!」
「もう寝ちゃってるのかな?」
「僕もそろそろ睡眠魔法使います」
「起きたら返事ください」
「もう起きたかな、そう言えば僕たちが初めて出会った時のこと夢で見るんだ」
……と、一方的な会話を延々と、絶え間なく送って来ていて……!
あげくの果てにしびれを切らせたのか、電話をかけてき始めました!!
もうダメ、マジもう無理!!
そう叫んで、彩美はとうとう着信拒否してしまうのでした。

お店に出勤した彩美は、事務所に掛け合ってリョウを出入り禁止にしてもらうよう掛け合います。
お店側としては、頻繁に指名してくれる上客を放すなんてもったいない、と言うスタンスなわけですが、彩美の嫌悪感はもう限界をとっくに超えてしまっているようです。
ちょっと手に負えないほど、キモいんで!
言葉にオブラートをかけることなくきっぱりそう言い切る彩美。
そう言うお客さんをうまく扱うのがプロじゃん、みんな客取るのに必死なんだよ、今日は急病ってことにしといたけどさ……と、店長もまた不満な表情を隠さず……
それでも彩美は、出禁にしてください、それじゃ失礼します、と重ねて言い切り、その日は店を後にするのでした。

それがきっかけでした。
今まで面倒な、気持ちの悪すぎる客、と言う相手だったリョウが決定的に変わってしまったのは。
その後、普通に出勤を始めた彩美。
ですがある日の帰り道に突然、SNSに彼女の悪い噂を流すメッセージがあふれ出したのです!!
あなたから病気がうつった。
また1万で本番よろしく。
口くさい、接客最悪、下手くそで返金してもらいたい。
高飛車で性格悪い、肌がボロボロ。
猛烈な勢いでそんな悪口が流れていて……
さらにそんなメッセージの中に、こんなものもありました。
うそつきはきらいだよ、あやなさん。
佐藤彩菜。
それは、彩美の本名なのですが……なぜ表立って明らかにしていない本名がSNS出張れているのでしょうか!?
焦りを感じずにはいられない彩美。
その時突然背後から何かをたたきつけるような音が聞こえ、彩美の恐怖をさらにあおります。
更なる恐怖にかられた彩美は、駆けだして自宅に帰るのですが……

郵便受けを開けると、通販サイトからの宅配物の不在伝票が入っています。
何か頼んでいたっけ、と宅配ボックスを開ける彩美。
するとそこには……
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練乳イチゴと、MASAMIのイラスト入りのメッセージカードが入っていたのです。
大好物の練乳イチゴ作ってきました。
これ食べて元気出して!

警察に駆け込んでも、警察官は彼女の仕事を聞いて……その仕事上自分で問題を起こしたのだろうとでも思ったのでしょうか、やる気を見せてくれません。
嫌悪感のあまり、練乳イチゴなどを捨ててしまったのも良くなかったのでしょう。
店長に改めて掛け合っても、出禁になんてしたからだ、と自業自得扱い……
孤立してしまった彩美を、リョウは更なる奇行で追い詰めていき……!!
自宅もばれていて、店でも針の筵、警察も頼れない。
途方に暮れた彩美は、やすらぎを求めて以前アルバイトをしていたバーに久しぶりに顔を出すことに。
バーのママは優しい笑顔で迎えてくれたのですが……
彩美が入店した直後に、一人の男が入ってきたのです!!
リョウ……ではありません。
サングラスと革ジャンが特徴的な、オールバックの男。
彼は入るなりお酒を注文すると、迷わず彩美の隣に腰かけてきました。
そして彼は、彩美にこう話しかけてきたのです。
君、ストーカーに付きまとわれてるでしょ。
ビクリ、と体を震わせる彩美。
男はこう続けました。
後ろのテーブル席見てみな、
……そこには……深々とフードをかぶった、リョウが座っていて……!!
ここすらも安全な場所ではないのか。
絶望に暮れる彩美ですが、オールバックの男はさらにこう続けたのです。
大丈夫。
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俺が守ってやるから。



と言うわけで、ストーカーに悩む被害者を救うチームの物語を描く本作。
この彩美に声をかけた男は、仲間二人とともにストーカーに悩む人物を無料で助けている、と自称します。
警察も、勤め先すらも頼りにできないこの状況でそう囁いてくるこの男。
あまりにも怪しい存在ではありますが、彩美としてももう他に頼る当てもなく……

この後、オールバックの男こと岡島は、仲間の虎徹と仁村とともに反撃を開始します。
その行動は手慣れているとしか言いようのないもので、瞬く間に彩美の悩みを解決……はしないのです!!
そもそもこうして、警察に駆け込めないような人物に密かに近寄って事件を解決してやると囁くような存在が、正義のヒーローなはずがなく。
彼らは、彩美から料金と言う形で利益をもらうことなく、きちんと取るべきところから利益を吸い上げるための準備をを進めていて……!!

決してヒーローではない岡島達。
彼らがこの後見せて行く、様々な手練手管は必見!
それらの手段を駆使して、堂々と金を奪い取り、感謝されながらお金をちょろまかし……
そんなダーティーなヒーローストーリーが楽しめるのです!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!