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今回紹介いたしますのはこちら。

「とけだせ!みぞれちゃん」第1巻 足袋はなお先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


足袋先生は確認できる限り、17年にジャンプ+で「佐本家のニケ」を掲載してデビューした漫画家さんです。
その後18年に本作のプロトタイプとなる同名作品を三日連続三話掲載の読み切りとして発表……するはずだったのですが、人気を博しまさかのそのまま正式連載化!
めでたくそのまま単行本化を果たしたのです!

そんな足袋先生の初単行本化作品となる本作、雪女を主人公とした日常コメディです。
雪女と言えば皆様それぞれのイメージがあるであろうメジャーな妖怪ですが、本作の主人公である彼女はちょっぴり普通の雪女と違う野望を持っているようで……?



ぽかぽかと暖かな日差しが降り注ぐ春先のこと。
辛うじて残っていた解けかけの雪だるまは、その態様を忌々しげに見つめていました。
今年の雪も私で最後、ここまでか……
無念の思いとともに溶け行こうとする雪だるま。
ですがそこに一人の女の子がやって来まして、雪だるまを回収。
そして、おうちの冷凍庫に詰め込みます。
これでよし、ここにいればもうとけることはないからね。
ゆきだるまさん!
女の子、ひまりは雪だるまにそう語りかけるのでした。

さかんにセミが鳴く夏真っ盛り。
こはるは仕事を終えて一息ついておりました。
荷物を届けたお店から飛び出してくる子供たち。
今日から夏休みですから、子供たちはもう大はしゃぎです。
そしてこはるの家にも、今日からそんな元気な子供がやってくることになっているのです!
可愛い可愛い、姪のひまりが!!

今パパと向かってるところ、あと10分くらいで着くよ、と電話をかけてきたひまり。
こはるはうんうんと頷き、私もちょうど今帰って来たところだから、部屋をキンキンに冷やして待ってるからね、とにこにこしながらエアコンのスイッチを入れました。
こはるの家に遊びに行くこと自体も楽しみなのですが、ひまりにはもう一つ大きな大きなお楽しみが用意されています。
それは……春に冷凍庫に詰め込んだ、雪だるま!
雪だるまさんは元気?と尋ねるひまりに、こはるは安心して、冷凍庫にそのまんまだよと答えます。
電話を通してなのでその顔が見えるはずはないのですが、ほんとう!?と笑顔になるひまりの顔は、こはるにも容易に想像できたことでしょう。
じゃああとでね、と電話を切った後、こはるはお勝手へと歩いていきます。
雪だるまか、冷凍庫に外から持ってきた雪だるまが入ってた時はびっくりしたけど、雪だるま相手に必死になるひまりがかわいくてつい許しちゃったんだよね。
甘いなー私もー。
そう言いながら、件の冷凍庫を久しぶりに開けてみますと……
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そこには、みっちりとなんか人がつまってました。
思わずいったん冷凍庫を締め、一呼吸深呼吸をしてからもう一度扉を開けるこはる。
ですがそこにはやっぱりまだなんかつまっておりまして、おまけにそれとばっちり目があってしまうのです!
こはるが大声で絶叫してしまったのは、無理もないことでしょう。
殺人事件、死体遺棄損壊容疑、逮捕……
様々な恐ろしい文面が脳内を踊るこはる!
理解不能な恐怖体験に固まっておりますと、その謎の死体、かと思われていたものが動き、冷凍庫の中から立ち上がりました。
そしてそれは、こはるに問いかけてきます。
おい、そこのお前、今何月何日だ。
得体のしれない圧に気圧されるこはる、辛うじて7月25日だけど、と答えると……
そいつは大笑いし、ついにやった、体を有したまま夏を迎えることができた、
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雪女の私が!!と、大見得を切るのでした!!

うそかまことか、彼女はあの雪だるまだったのだとこと。
溶けかけて行き倒れているところを助けられたおかげで、悲願を果たすことができると興奮しているようです。
ちなみにその悲願と言うのは、にっくき真夏の太陽を倒し、この国を極寒の常冬に変える、と言うなんだか壮大な物。
とてもこんな冷凍庫に収まるような女子一人にできることには思えないのですが……そんな彼女のテンションについていけないこはるは、満足にツッコミもできないのでした。
と、その時、元気のいいおじゃましますの声とともにチャイムが鳴らされました。
そう、ひまりがやって来てしまったのです!!
雪だるまを楽しみにしているひまりに、雪だるまが変な女性に化けたとは言いだしづらいところ。
何とかごまかそうとするこはるなのですが、まったく空気を読まない雪女、おもいっきり、私が雪だるまだ!と名乗り出てしまったではありませんか!!
とはいえ彼女なりに、自分を助けてくれたひまりへの恩義を感じているようで、さっとひまりの手を取り、お前が拾ってくれたから私は今ここにいられる、ありがとう、と心を込めたお礼の言葉を並べる増して……
するとまだ小2のひまりは、彼女の言葉をあっさり信じちゃいました。
お姉ちゃんが雪だるまさん、ホントに?凄い!夏なのに雪だるまさんと一緒にいられるの!?と無邪気に笑うのです!
ひまりはさっそく、一緒にお外に遊びに行こうと雪女を誘いました。
雪女は快諾し、ついでに太陽もサクッと倒しちゃうか!などと嘯きます。
雪女は「みぞれ」と名乗り、どんどんとテンションを上げていきながら、ひまりとともに外へ駆けだしまして……
真夏の暑さなど存外大したことないではないか!
七か月以上も冷凍庫の中でカチンコチンになっていた今の私ならイケる!
真夏の太陽おそるるに足らず!!
さっさと倒して、ひまりと二人で常冬の青春を謳歌しよう!!
元気いっぱい外に飛び出したみぞれ!!
ところが文字通り飛び出した足が地面に当たると
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そこから見る見るうちに溶けてしまい、再びとろけて動けない状態になってしまい……
みぞれは冷凍庫に入った状態で泣きむせいでいました。
予定と違うとひまりに抱き着いてさめざめと泣いちゃいまして……
ひまりは、そんなみぞれを抱きながらこはるに尋ねるのです。
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ここの冷凍庫で飼っちゃダメ?と……!!!


と言うわけで、雪女のみぞれとの夏休みが幕を開ける本作。
従来のおしとやかだったりクールだったりする雪女像とは違った、自信家でアクティブなポンコツと言うみぞれ。
そんなみぞれがこの後あれこれと試しながら、少しでも日中活動できるようにあれこれを模索しながら日々を過ごしていくことになります。
とにかく夏のみぞれは体がぜい弱でして、何かと言えばすぐとろけ、何かがぶつかればその部分は砕け……
毎回のようにバラバラになったり、首がもげて落ちたり、溶けてしまって身体がちっちゃくなってしまったりと、みぞれの戦いは苦戦せずには終われません!
それでも「夏」の先輩であるひまりとはどんどん仲良くなって絆を深め、なんだかんだ優しいこはるにも助けられ、楽しく新鮮な毎日を過ごしていきます。
その様子はコミカルそのものなのですが、妖怪ならではの体がバカスカこわれたりと言う様子は事情を知らない人にはホラーまがいのショッキングさに映る、身体破壊芸(?)は読者にとって新鮮映るところ!
この後さらに新キャラクターも複数登場していきまして、さらに要所要所でほっこりするいい話要素も混ぜこんでバランスもいい感じ!
みぞれの初めての夏は鮮やかに広がっていくのです!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!