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今回紹介いたしますのはこちら。

「惰性67パーセント」第5巻 紙魚丸先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックス・ウルトラより刊行です。 


さて、吉澤達4人プラス後輩の上沼を加えた5人の美大生の何事もない、ちょっぴりお下品な日常を描いていく本作。
着々と大学生活の残り時間も少なくなっていく今巻でも、やっぱり相変わらずどうしようもない日常が繰り広げられていくようですが……?



知人の漫画家のアシスタントのバイトをしに来ている吉澤、と西田。
そんな吉澤に、漫画家の先生はこんなことを持ちかけてきました。
同人イベントで、コスプレ売り子をしないか、と。
流石の吉澤でも、いきなりコスプレは恥ずかしい様子。
いやでしょ、大体そんなの自分でやればいいじゃないですか、と断るものの、先生はきっぱり言いました。
私だとスリムすぎてキャラのイメージに合わないから、と……!!

そもそもその先生、同人イベントではきっちり結果を出す実力派。
コスプレなんて必要ないのではないか、と吉澤は異論を唱えるのですが、先生によればその考えはサッカリンのように甘い、とのことで。
コスプレ売り子がいると、売り上げが増える、そんな気がする!と、なぜか自信満々にふわっとした理由を発表するのでした!
しかもそのコスプレするキャラは今回の同人のヒロインなのだとか。
そういうタイムリーなネタもやってみたいとの事で、先生はやる気満々です。
そのやる気たるや、西田がイベントは近いんだから今から衣裳作っても間に合わないんじゃ、と冷静なツッコミをした直後に
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さっと完成品を取り出すほどの満々ぶり!!
なんでもうあるんですか!?と仰天する吉澤に、先生は「ね?」と答えになっていない答えを返すのです。
ちなみにこの衣裳、一か月前に業者に発注して作ってもらったという本気のブツ。
自分で作りも着もしないのにみなぎる先生のやる気は謎ではありますが、その本気のブツをいざ目の前で見てみますと……なんだか吉澤も、ちょっと着てみたい気がしてきます。
ですがそこは吉澤、最後の踏ん切りをつけるためにもこう先生に尋ねるのです。
日当って出ます?と。
先生はちょっと考えまして……日当2万円に交通費食事代も出そう!!と声高に宣言!!
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その破格の報酬を聞いた瞬間、吉澤もじゃぁやります!!と即答するのでした!!

そこまではまだよかったのですが、先生は今衣裳を着てみろ、と言い出しまして。
それは……と尻込みする吉澤なのですが、イベント当日に来てみてサイズが合わない、となってしまったらシャレになりません。
しぶしぶ着替えてみますと……どうしたことでしょう、サイズはぴったり!!
胸なんかは自分の下着よりもしっくりくるくらいなのです。
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先生は自慢げにこういいました。
ピッタリでしょ、君が寝てる間に念入りに採寸したからね。
……犯罪なのでは……?
西田がちらりと……いや、こっそりとじっくり吉澤を見つめながらそんなことを考えておりますと、吉澤はその視線に気が付き、衣裳を脱ごうとするのですが、先生は不満そう。
いいじゃんもう少しそのままでいようよ、今回の同人のヒロインのコスだから、参考資料的な意味もあるっていうかさ、頼むよ。
そう頼まれてしまっては、吉澤も無碍にすることはできず……
そのままの格好でアシスタント作業を続けることにするのでした!!

ですがいくらなんでも落ち着きません。
露出度が高い割に、露出過多を防ぐための肌色タイツのせいもあって通気性は悪く、さらに座ってみると色々な場所が締め付けられて結構に悪い気もしてきまして。
改めて脱いでもいいかと先生に尋ねようとする吉澤なのですが、そこで今度は先生、ポーズをとってと注文を付けて来るのです!!
参考資料にするといっているわけですから、まあそれも仕方のないこと、でしょうか。
セナかが一番描きづらいんだ、と先生、ポーズをとった吉澤を激写しまくり。
だんだん調子に乗ってきた吉澤を、すげーいいよ、ちょーかわいい、と誉めそやしてさらに調子に乗せていきます。
特にそのどうなっちゃってんのって感じの脇腹の肉とかな、という本心は隠したまま……!
そんなことも知らずに完全に調子に乗りきった吉澤、案外楽しいかもしれない、とノリノリに。
先生はそこで、今度はそんきょのようにしゃがんで、片手を床について、ガーゴイルみたいな、猫背な感じのポーズをとってくれ、と要求。
完全にノリノリな吉澤は、ちょっとしょうがないですね、セクシーすぎませんか?などと言いながらも笑顔でそのポーズを……取ろうとしましたが、中腰になったあたりで怪しくなってきました。
何かに感づいたような吉澤、なんかちょっとこのポーズは、どーしてもやんないとだめですか?と聞いてきまして、その中腰のまま動きを止めてしまいます。
先生は、いいじゃん恥ずかしがるなよ、とグイッと両肩をつかんで吉澤の腰を落とそうとするのですが……その直後のことでした。
バリバリと音を立て、
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背中からコスプレ衣裳が裂けてしまったのは……!!

先生もあまりの出来事に、そうはならんだろ、世紀末覇者か?と突っ込むことしかできません。
西田は……思いっきり声を殺して笑っております。
ちゃんとサイズ計ったのにな、と首をかしげる先生なのですが、その点に関しては吉澤に心当たりがございます。
サイズを計ったのは2か月ほど前のはず。
その間に、ちょっとばかり太っ……バルクアップしていたりしまして……
そうなりますと、縫ったりして補修しても解決にはなりません。
つまり衣裳は完全にパーというわけです。
恐る恐る吉澤が衣裳の値段を聞いてみますと、返ってきたのは……
7諭吉、と言うにわかには信じがたい値段だったのでした……!

イベント当日。
結局吉澤は、普段着で売り子の手伝いをしていました。
ちなみに本の方は完売。
……結局コスプレ売り子がいようがいまいが、完売するんだから売り上げは同じこと。
吉澤が衣裳を破ってダメにしたという結果だけが残ったのでしたとさ……



というわけで、吉澤まさかのコスプレデビュー失敗のエピソードを収録した今巻。
よく言えばグラマラスなボディをしている吉澤でございますが、やはりボリュームアップが過ぎたようで。
これはこれで……という方も(おそらく西田を含めて)少なくはないのでしょうが、やはり彼女は彼女なりに気にはしているようでして、今巻の間にもいくつか痩せるの痩せないのといった話が登場してまいります!!
吉澤のワガママボディはどこまでワガママ道を突き進むのか……
そんな楽しみ方もあったりなかったりするかもしれません!!

そんな吉澤メインのお話の他に、今巻では主に伊東と上沼あたりを中心にして人間関係が変わり始めるお話も収録!!
伊東に一体何が起こったのか!
上沼に現れた人間関係の変化とは!?
西田が発狂寸前になるその衝撃イベントも必見です!!
更に西田が合コンに行くために予行演習をしてみたり、VRを買ってみたりと西田も大活躍。
とりわけ驚きなのが、西田と北原がまさかのホテルへ……!
5人の関係がこのままなんだかんだ続くのか、大きく変わってしまうのか!?
いつも通りのだらだら日常はそのままに、そんな興味の湧く一冊となっております!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!