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今回紹介いたしますのはこちら。

「GIGANT(ギガント)」第3巻 奥浩哉先生 

小学館さんのビッグコミックススペシャルより刊行です。


さて、投票結果に応じてどんな非現実的な要望でも適えてしまうウェブサイト、ETE。
その投票によって、「東京の人口を100万人にする」と言う要望がかなえられ、ETEにアップされたイラスト通りの巨大な怪物が現れてしまいます。
破壊の限りを尽くす怪物の毒牙に横山田もかけられてしまいそうになったその時、不思議なアイテムによって巨大化したパピコが駆けつけたのです!!



火球を放つなどの特殊な力を持つ巨大怪物に対し、パピコは巨大化できるとはいえただの人間。
相当な苦戦を強いられることにはなりましたが……機転を利かせ、何とか怪物を撃退することに成功しました。
勝利を収めたパピコがまずしたのは、横山田の安否を確認することでした。
零君、怪我してない!?
自分の命も顧みず、真っ先に駆け付けて助けてくれたばかりか、自分も無傷ではないのに自分を心配してくれる。
横山田は号泣しながら無事ですと答えるのです。
パピコは元の大きさに戻ると、そのまま横山田へと走りだしました。
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二人はがっしりと抱き合い、お互いの無事を喜び合うのです。

とりあえずパピコに自分の上着を羽織らせ、帰途へ着く二人。
手をつなぎ、お互いの胸の内を明かしながら歩きます。
するとそこに、横山田の両親が駆けつけました。
横山田の無事を喜ぶのはもちろんなのですが……やはり気になるのは隣にいるパピコです。
その姿は、どう見ても先ほどまで戦っていた裸の女巨人。
なに、どうなってんの?と、あまり自体が呑み込めていない横山田の両親ですが……
意を決して、ありのままパピコの事を紹介するのです。
この人が付き合ってる人。
僕を助けるために、ここまで来てくれたんだ。
……もちろんそれだけではまだ全てを理解することなどできるはずもなく。
パピコが実際に巨大化して見せ、ようやく彼女が本当に巨大化して戦っていたことを理解するのですが……

その後、タクシーで自宅まで帰ることになった一同。
パピコは一人で帰る、と言うのですが、横山田は大丈夫だから、と説き伏せて一緒にタクシーに乗せるのです。
……タクシーの中は重苦しい空気に包まれています。
その時アメリカでも、先ほどまでの日本と同じように
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巨大な怪物と巨大な人間が戦っていることも知らず。
横山田の母親は、パピコにいくつかの質問を投げかけました。
名前は、年齢は?と。
ちほ・ヨハンソンと言う本名はいいのですが、問題は年齢です。
油汗を浮かべながら、24、です、と絞り出すパピコ。
……成人が、未成年の高校生に手を出すのは、合意の上でも犯罪。
わかってるんでしょうね、と冷たい言葉を投げかける横山田の母親ですが……パピコの態度から、二人が関係していることを察すると、流石にその顔色は青くなります。
まさか、ウソ!?あなた!まさか!!
大事な息子を、それもまだ人生経験の薄い子供を大の大人が。
母親からすればそんな気持ちだったのでしょう。
その事を言われてしまえば、パピコもやはり引け目を感じずにはいられません。
ですがそこで、横山田が口を出しました。
助けに来れる?
母さんたち、僕が今日みたいに死にそうになってるとき。
ちほさんが僕のために命懸けで助けに来てくれたんだよ。
ちほさんみたいなひと、いないよ。
僕の事、本当に思うなら!
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こんな立派な人と息子が付き合ってるだけで!!
祝福してくれるべきじゃない!?
親だったら!!
そんな横山田の主張が、本当に正しいのかはわかりません。
わかりませんが、実の息子が初めてここまで強く自分たちに真っ向から意見すると言う体験に、両親は何も言えなくなってしまうのです。
そして……その横山田の声を聞いたパピコは、声をあげて泣いてしまい……

そのまま、パピコは家に送り届けられました。
とりあえず二人の問題は先送りにされたようです。
ひとしきり泣いたおかげでしょうか、パピコもだいぶ落ち着いた様子。
愛犬のもちを抱き上げ、テレビをつけると……やはり先ほどの戦いの様子がニュースで流れています。
ですがそれは、怪物から人々を救ったヒロイン、と言うような報道ではありませんでした。
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町の被害は甚大で、死傷者は900人を超えた。
警察によると女性型巨人について、テロの疑いも考慮しつつ捜索を行う……
パピコもまた、あの怪物と同じ町を破壊し、人々を殺した存在として扱われている。
一度は収まりかけたパピコの中の不安は、再び大きく大きく肥大化し……彼女を押し潰しそうになるのです……!!




と言うわけで、物語が本格的に動き出す今巻。
第1巻がプロローグ、第2巻が物語の始まりとすると、今巻は起承転結の承に当たるお話となっています。
パピコが巨大化して、ウルトラマンのように世界の平和を守る……と言うお話になっていくことはおそらく間違いないのですが、素直に物語が進めないのが奥先生が奥先生たるゆえんの一つ。
現代社会に生身のウルトラマンが現れたらどうなるのか?
当然警察が動き、その人物の功罪も考えず警察の尺度に当てはめた行動をとってしまう、と言う漫画らしからぬリアルが感じられる展開が待っているわけです!
そして日本で暮らす普通の人、であるはずのパピコとしても、法律を縦に迫られれば素直に従うほかなく……?

そんな中で、さらに加速していくETEの投票。
一度決定してしまった大惨事を招く投票結果、それはその後タガを外したかのように同じような投票を通すことになってしまいかねません。
この後ETEはどんな恐ろしい投票を行うのか?
パピコはその脅威から人々を守ることができるのか……?
アメリカでも発生しているらしい同じような事件も、世界中でETEのようなサイトがあると言う事を示唆していると思われます。
日本どころではない、地球の危機となっていきそうな本作……
今後の展開からも目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!