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今回紹介いたしますのはこちら。

「宇宙人プルカ」第2巻 関崎俊三先生 

集英社さんの集英社ホームコミックスより刊行です。


さて、対人恐怖症の少女、風香の頭の中に住み着いてしまった宇宙人のプルカ。
彼の目的は、風香に自分たちの子孫を作ってもらう事!
そのことを内緒にしつつ、風香の対人恐怖症を治すためにと嘯いてあれこれ妙な道具を出してくるのです!



以前ぶっちぎりの対人恐怖症を誇っている(?)風香。
とはいえまだまともに挨拶することすらできない状態ながら、前上という男友達も作る事ができました。
これは風香にとって大きな一歩となるでしょう。
それはプルカにとっても大きな一歩です。
そもそもプルカがこの星にやってきたのは、子孫を繁栄させるため。
ですが異性どころか人間とまともに接することのできない風香では、子孫を作るなんてとてもとても……
と思われていたわけですが、僅かながらでも改善の兆しが見えたわけです。
風香も対人恐怖症を治したいと思っているわけですし、いわゆるWIN-WINの関係……と言いたいところですが……やはり、プルカの本当の目的が、風香に子孫を生んでもらうため、ということを明かしていないのは最大のネックとなるでしょう。
明かすタイミングを考えないと、せっかく許してくれつつある心の距離が、果てしなく遠ざかってしまう事でしょう!
慎重に物事を進めようと構えていたプルカですが……
その時、何者かの殺気を感じました!
周りを見回してもそのさっきの主は分かりませんでしたが……
二人をじっと見つめる怪しい影は、確かに存在していて……!!

学校に行きますと……何やら様子が変です。
プルカの地獄耳で聞き耳を立ててみますと……なぜか学校中に、風香がビッチである、という根も葉もなさすぎるうわさが広まっているようで。
好奇の目にさらされてしまう風香は今まで以上に居心地の悪さを感じてしまうわけですが、プルカからすればさらに死活問題!
授業は置いておいて、プルカは風香と共にトイレに駆け込み、現状の説明をすることにしました。
風香がビッチであるといううわさが広まっている。
そこまでして風香の立場を悪くしたい学生がいるとは思えないが……
オスがメスに近づくのは本能的には自分だけの子孫を残すためだ。
だが、ビッチに集まるのは肉体目当ての子孫を大切にしないオスばかり。
そんな噂を立てられたら、ロクなオス寄ってこなくなっちゃうよ……
確かにそれは困りますが、プルカのその言い回しに風香はピンと来るものを感じていました。
プルカってさ、「子孫」ってよく言うよね。
何か隠してるでしょ。
……どう考えても今はカミングアウトするタイミングではありません。
ちょっと追いつめられたせいか、先程感じた妙なさっきのことを思い出しました。
早速情報を集めてみますと、レイトと言うプルカとは別の星の寄生型宇宙人が最近この地域にやってきて、ルールやテリトリー無視の大暴れをしているらしいということがわかりました。
寄生型宇宙人の間では、宿主を巡ってのテリトリー争いが後を絶たないそうで、その常套手段の一つが今回のような悪評の流布なのだとか。
しかもレイトは、かなりがっついて子孫を残そうとしている厄介者だ、との事で……!
ここでも出てきた「子孫」というワード。
風香の不信は止まりませんが、個々はとりあえずごまかしの一手しかないでしょう!
とにかくレイトには気をつけよう、と話をまとめようとするのですが……
なんか、そこにいきなり狙撃をしてくる輩が現れたではありませんか!!
気を付けようもクソもない、噂のレイトが
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早くも実力行使に出てきたのでした!!

カタナシ星人のレイトと、その宿主である朱美。
貴様がレイトだな、風香の噂もおまえが!?
プルカがそう尋ねますと……宿主である朱美の方が、なぜかキレて巨乳だからって調子乗ってんじゃないわよこのビッチが!!と叫んできました。
……朱美の胸は、見事なほどにたいら。
なんとなく、だれが主導で風香の悪評をばらまいたのかがわかった気がします。
とはいえレイトの方も、目的の為なら何でもアリ、プルカも巨乳の宿主も邪魔でしかない、だから消えてもらう、と手段は問わない人物の様で。
そして俺は、この町で子孫を山ほど作るのだ!!
レイトはそう力強く語るのでした!!
「子孫」のワードについては後で説明するからとなんとか風香を抑えるのですが、戦況の方は絶望的です。
相手は強力な公光線銃をすでに構えています。
ですがプルカの光線銃は風香の中にしまった状態。
悠長に取り出している時間はありません。
そしてレイトも容赦する人物ではなく……風香に照準を合わせ、その引き金を引こうとするのです!!
そこでプルカは、最後の手段を使うことにしました。
風香に、この後自分の意外な姿を見ることになるが、嫌わないでくれるか?と妙な前置きをして。
……今まで散々プルカの腹黒なところを見てきていますし、多少変な姿を見たところで好感度は変わらないでしょう。
風香のそんな言葉を聞くと、プルカは意を決し……!!
直後、放たれたレイトの光線銃!!
ところがその光線銃は、何かによってはじかれるのです!
はじいたのは
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髪の毛が逆立ち、マッチョに変身したプルカ本人!?
これがプルカのとっておき、戦闘モードです。
命の危険がせまったときのみ、3分間限定でパワーアップするこのモード、その戦闘力は爆発的!!
レイトの光線銃を全て弾き返しつつ、一気に距離を縮め、パンチ一発でノックアウト!!
更に壁際に追い詰め、これ以上何かしたらその首をシャーペンの芯みたいにポキリと言ってやるからな、と脅迫し……完全なる勝利を収めたのでした!!
……レイトたちが逃げ去った後、プルカはしなしなの干物のように干からびてしまうのですが……!

その後、レイトはプルカの舎弟のようになりました。
朱美の方の巨乳への恨みは完全に消えてはいないようでしたが、まぁもう実害はなさそうです。
これで一安心、と言いたいところですが……レイトがちょっとした挨拶をして立ち去る時に、
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プルカさんに風香さん、子孫づくり頑張ってくださいね!と言い残していったからさあ大変。
完全にオーバーフローした「子孫」というワード、もう説明せずにはいられなくなってしまったのでした!!

結果、
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二人の距離はプルカの想像していた以上にはるか遠くに離れてしまいました。
自分のことを心配して言い出せなかったのは分かるものの、そんな大事なことを伏せていた、と言うことが信頼関係に関わる、今まで話すタイミングだってたくさんあったはずだ。
そう語る風香の目は完全に冷え切っていて……!!
絶望的に離れてしまった二人の距離、修復なんてできるのでしょうか!?
プルカの明日はどっちだ!!




というわけで、なんだかんだと信頼し合う中になりつつあった二人に、マリアナ海溝よりも深い溝ができてしまうエピソードを収録した今巻。
信頼関係が失われてしまったとはいえ、二人は今離れ離れに離れない状態。
すぐにお別れとならないのはプルカにとって不幸中の幸いと言えますが……取り付く島もないと言う言葉がふさわしい状態の風香に、どうやって関係修復を望めばいいと言うのでしょうか!?
そこで基本的にはクズであるプルカが取り出すのは……いつもの怪しげなアイテムで……!!
これから後の展開も見逃せません!!!

そして今巻の後半ではまた意外な展開が待っております。
プルカと風香どころか、地球に危機が迫るまさかの展開に……!?
第1巻の時は1巻で完結してもいいような展開になっておりましたが、今巻は連載中から次シリーズの連載が決まっていた様子で、この後も続いていく壮大な(?)ストーリーが繰り広げられていきます!!
風香は、プルカは地球の平和を守れるのか……!!
そんな何やら重大なストーリーはさておき、風香やプルカはいつも通り、対人恐怖症と戦う日々を送っていくのです。
……まぁ、そんな対人恐怖症のはずの風香の人間関係にも、思いもよらない出来事が巻き起こっちゃうわけですが……
それも含めて、皆様の目でご確認くださいませ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!