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今回紹介いたしますのはこちら。

「天国大魔境」第2巻 石黒正数先生 

講談社さんのアフタヌーンKCより刊行です。


さて、「天国」を探すマルとキルコの物語と、閉鎖された学園で「外の外」に関する秘密を探ろうとするトキオの物語が描かれていく本作。
あまりにも謎の多い本作、判明していく謎と、より一層増していく謎でさらに混迷していき……?



きょろきょろと辺りを見回しながら歩くトキオ。
彼が人目を忍んで向かっていたのは、友人のククのところでした。
誰にも見つからないようにこれたか、と尋ねてくるククにトキオがうなずくと、ククは早速行こうと歩き出します。
顔のない赤ちゃん、を見に。

ククはおもむろに靴を脱ぎ、茂みに隠しました。
靴を脱いでどうするつもりなのか全くピンとこないトキオですが、ククは裸足になると
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カエルか何かのように壁を伝って上へと登り、通風孔のふたを開いて中に入ろうというではありませんか!!
……とりあえず真似をしてみるトキオですが、もちろん壁に貼り付けるわけもなく……
できるかそんなこと!とつっこむしかないのでした!!

とはいえここであきらめる和歌にもいきません。
トキオは壁や柱なんかに張り付いて掃除してくれるマシンを一台持ってきまして、壁に張り付かせます。
そしてその上に乗り、マシンに上に上がってもらい……リフトのように使って通風孔にたどり着くことに成功しました。
友人のタカが考えたアイデアを活用し、無事第一関門を潜り抜けたトキオ。
ですが実はその場所も、学園中にセットされた監視カメラの監視範囲内だったのです。
監視カメラは、トキオとククが通風孔から信友↓その場所も映し出しています。
ですが……なぜなのでしょうか、
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その監視カメラの映像は、トキオもククもいない、何もないその場所を映し出していて……?

通風孔らしき狭い通路を、ククの導きで歩いていくトキオ。
もしかしたら自分は今、「外の外」に来ているのではないだろうか?
そんなことを考えながら、辺りの様子を見回しつつ進みます。
途中にある格子戸に気が付き、こっちにはいけないのかと尋ねますと、彼なりにこの道を何度か探検していたのでしょう、ククはそっちは開かないと返答。
真っ暗になった通路をしばらく進んでいくと……目的の部屋の通風孔にたどり着きました。
注意深く中を伺うクク。
どうやら今は誰もいない様子。
チャンスとばかりに二人はそっと中に入っていきます。
園長先生や、知らない大人がいることもあるというこの部屋……
トキオたちが入ることが許されてはいない、先生たち専用のドアの向こう側、と言う事なんでしょうか。
ここは学校の外なのか、中なのか……?
トキオが室内の様子を伺っていると、ククはその部屋の中で大きな存在感をはなっているケースをさし、言いました。
ほら、本物の赤ちゃん。
ケースの中にいたのは……
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とても人間の赤ちゃんとは言えない、得体のしれない生き物が何体か寝かされていたのです!!
頭は鳥脅しか何かのような、二重の円のような模様がある球形。
体はクラゲかクリオネのような奇妙な物で、そこから人間の腕のようなものが二本生えています。
これが、赤ちゃん……?
トキオがケースに近づいてまじまじとそれを見つめていますと……赤ちゃんは体の向きを変え、トキオに何かを求めるかのように顔を向け、両手を伸ばし……
トキオもそんなお赤ちゃんに応えるかのように、ガラス越しに手を伸ばすのですが……
その瞬間のことです!
侵入者検知、侵入者検知、と放送が響き、警告音が辺りにとどろいたのは!!
ククはすかさず天井の通風孔に飛び移り、身を隠そうとします。
トキオもそれくらい身が軽ければよかったのですが……
残念ながらそんな能力はありません。
なにも打つ手のないトキオは、
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なんだか変なポーズで硬直するほかなく……!!



と言うわけで、トキオとククのもとにピンチが訪れる今巻。
この学園に何か奇妙な物を感じてならないトキオですが……徐々にこの学園中で妙なムーブメントが起き始めてしまいます。
先生たちが生徒たちに知らせずに密かに行っている事、密かにコンタクトを取っているモノとは?
生徒たちが教えられてもいないのに見つけ始め、行動し始めていること。
そしてそんな中で苦悩するトキオに告げられる、衝撃的な言葉とは……!!
謎ばかりの学園の本当の姿が見えるとき、トキオは、生徒たちはどうなるのでしょうか!?

そんな目の離せない学園編はもちろんのこと、マルとキルコの探索編も見逃せない内容になっています!
衝撃のカミングアウトをしたキルコですが、そのキルコのもっと衝撃的な過去が今巻で明かされるのです!!
さらに彼らの探索の旅は「人食い」との遭遇もあり、緊迫感あるドラマが紡がれていくことに。
学園編に探索編とそれぞれ見ごたえある物語が、どう交わっていくのかと言う楽しみもあるわけで……
これから先の展開も気になって仕方がありませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!