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今回紹介いたしますのはこちら。

「マイホームヒーロー」第7巻 原作・山川直樹先生 漫画・朝基まさし先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。



さて、娘を守るためにその手を汚し、苦闘の末その秘密を守り切った哲雄。
ですがそう思ったのもつかの間、周囲には何やらよくない不穏な動きが見え始めました。
自分の周りを何やら探っている刑事の安本、突然モテ期に入ったと言う零花。
そして哲雄自身もまた、自らの背負った業に怯える日々を過ごすことになるのです。


零花に言い寄って来る男たち。
そのうちの二人、伸と金井に接触した哲雄ですが……とりあえず二人が、その理由はともあれ零花を本気で狙っていると言う事はわかりました。
一度会っただけの哲雄に彼らの「本当の目的」をうかがうことは出来ません。
とにかく哲雄はこの先、もしかしたら自分がいなくなってしまうかもしれないこの先に、彼らが零花を守ってくれる人物なのだろうか、と言う事だけが気がかりなのでした。

そんな父の不安を知らない零花は、コンビニのアルバイトに精を出していました。
とはいえ特別忙しいわけでもなく、一緒に出勤中のバイト仲間と雑談をしています。
後輩の少年、小沢は何やら零花に質問してきます。
昨日たまたま見かけたけど男の人と一緒じゃなかったですか?
モテ期(自称)中の零花は、この質問を自分へのアプローチではないかと察知。
君はまだ若いんだからあたしなんかよりクラスメイトでも見てなさい、と心の中で突っ込みながら、その質問に答えます。
その答えの中で父親、哲雄の名前が出てきますと、今度は小沢、お父さんと仲がいいのか、仕事は何をしてるのか、となぜかお父さんがらみの質問を投げかけてきました。
これも彼なりのアプローチなのでしょうか。
それを聞いていたもう一人の同僚は気を利かせて、お父さんの事じゃなくて零花ちゃんに聞きたいことはないのか、と助け船。
零花も、会話のネタがないなら話さなくていいよ、と逆の方向に導こうとするものの……
小沢は少し考え……じゃあ、ご趣味は、とお見合いかのような質問をする始末。
とはいえ答えないのもなんですし、運動系かな、興味ないけど小沢くんは?とそっけない返答をすると、小沢は照れながら文章を書いたり、などと答えるのでした。
そんなことをしていますと、モテ期突入零花に絡んでくるまた別の男性がお店にやって来ました。
そもそも零花がモテ期だと感じたのもこの男性、同じマンションに住む占い師の存在があっての事。
そして占い師は、またモテオーラを感じる、この仕事場にも一人あなたを好きな人がいる、と言いだすのです。
さらに、あなたを好きの人のうちの誰かはすごく危険です、それがだれかはわかりません、できれば全員と距離を取るのが一番安全です、となんだか物騒なことまで!
零花は……
でも、
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あたしの友達がいい人か悪い人かを判断するのはあたしなんで、その話はもういいですか?
と、にっこりしながらも強い言葉で占い師の言葉をシャットアウトしました!!
その拒絶の意思を受け取ったのでしょう、占い師は知り合った私の意見なんて、すみません、とたちさるのです。
でも、あなたの安全が一番大事ですから、と言い残して。

一方の哲雄は、とあることで頭を悩ませていました。
あの忌まわしい事件を元にした推理小説を書き上げ、小説投稿サイトのコミュニティに投稿、自分の参加するコミュニティ内の13人にだけ見られるようにしてたのですが……
なんとその13人の中の一人が、
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こんな面白い小説を非公開にするのはもったいない、世に出すべきだ、と知り合いの編集者に送った、と言いだしたのです!!
慌てて非公開にするものの、もはや手遅れ。
もしこの小説が世に出て、事情を知る半グレの誰かが読めば……書いたのが哲雄であると気がついてしまうでしょう。
そうすれば、延人を殺したのはやはり哲雄だとばれて……警察に捕まってしまうよりも危ない状況になってしまうことでしょう。
ある程度気心の知れたコミュニティ仲間ならば、と考えてしまったのが運のつきだったわけです……
どうすればいいんだとうなだれる哲雄の元に、メッセージが届きました。
編集者に送ったと言うコミュニティ仲間の一人でしょうか?
いや、その彼とはまた別のコミュニティ仲間からでした。
どうして非公開にしたんですか?
そんな田宇草と言うコミュニティ仲間に、あの小説は知り合いに手伝ってもらって書いたものだから実力じゃない、だから広めたくない、と事情をぼやかして説明しますと……彼はこんなことを言うのです。
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あなたの実体験だから、とかだったりしないですか?
……総毛立つ哲雄!!
半グレの誰かなのか、とおびえるものの……そんなわけないじゃないですか、ととぼけることに徹する哲雄。
田宇草は、ですよね、と返しながら、よければあってお話したいんですけど、とグイグイ来まして……
勿論哲雄は余計な危険を背負わないため、極力ネットの知り合いとは会わない方針だから、とそれも断るのでした。

……そんなメッセージを送っていた田宇草は、スマートフォンを片手に呟いていました。
残念、テツさんに直接聞いてみたかったな。
実際にはどうやったのか。
僕も殺してみたいなぁ、半グレどもを。
そう呟く田宇草は……
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あの、小沢だったのです!!
やっぱりあうには零花先輩と仲良くならないと無理か。
めんどくさいなぁ。
……そう続ける小沢……
いったい彼は、どこまで知っているのでしょうか。
半グレの関係者でも、哲雄や歌仙の関係者でもない、全てを知っているらしい小沢……
彼の存在は、これからの物語をどう動かすのでしょうか……!!



と言うわけで、広がりつつある不安がとうとう形になり始めた今巻。
哲雄の最大の不安は、発見されてしまったと言う麻取の死体から、自分の犯罪がばれ、逮捕されてしまう事でした。
その不安は今もぬぐえたわけではなく、徐々に操作は進んでいると考えてもいいでしょう。
ですがこの後襲ってくる不安は、こんな生易しいものではないのです。
零花の周りをうろつく、4人の男。
小沢の真の狙いは哲雄で、彼も確実に危険な人物であることは間違いありません。
ですが他の三人も、それぞれ普通ではない背景を持っているようで……!!
この後、零花の周りを動く男たちの中の二人に大きな事件が起こります。
そしてその事件をきっかけにして、哲雄の許されないヒーローとしての活動を、再び行わなければならないことになり……!!

今巻で、とうとう第二部が本格始動。
緊迫感は第1部以上と言っても過言ではないこの恐ろしい事件を一目見れば、どんどんと先が気になってならなくなるはずです!!
あのキャラクターも巻き込んで進行していく第2部。
今後の展開に注目せざるを得ませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!