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今回紹介いたしますのはこちら。

「いじめるヤバイ奴」第2巻 中村なん先生 

講談社さんのマガジンKCより刊行です。



さて、クラスメイトの白咲からいじめっ子になるよう強要され、彼女をいじめ続けていた仲島。
誰にもばれずにいじめを続けなければ、彼女から痛すぎるお仕置きを受けてしまうだけに、必死に仲島はいじめを繰り返します。
そのかいあってクラスメイトからも逆らってはいけない危険な男だと認識され、何とか白咲の逆鱗に触れない日々を過ごすことができていたのですが……



転校生、加藤。
彼が現れたことで、仲島の恐怖による支配は大きく揺らぐことになりました。
まず仲島は、加藤に自分に逆らえないよう印象付けるため、クラスの皆に半ば強制の同意を求めるタイプのいじめをすることにしたのですが、そこで加藤が思いも要らない行動をとったのです。
するといきなり加藤は仲島を殴りつけ、いじめをやめてくれないかと言い放ったのです。
こいつは田中のような正義感に燃えるタイプなのか、と内心焦る仲島でしたが、その後か塔が取った行動はさらに仲島を焦らせることとなります。
白咲に近づいていき、呼びかける加藤。
白咲が振り返ると、
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今度は白咲を地面にたたきつけたではありませんか!!
いじめを止める正義の味方かと思いきや、一転乱暴極まりない振る舞いをした加藤。
騒然とする教室ですが、加藤は構うことなく白咲の髪の毛をつかんで問いかけるのです。
ねぇ、今どんな気持ち?
……怯えて、泣きだしそうな表情を浮かべ、口ごもる白咲。
すると加藤は、うんうん、その顔その顔、と笑い、白咲を殴りつけるのです!!
仲島は意を決して、お前は一体何なんだよ、と加藤に問いかけるのですが……加藤は言うのです。
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それはこっちのセリフ、ほんとやめてくれよな。
こう言うのは俺のおもちゃなんだから、勝手に遊ぶのはさぁ。
……あまりにも非道なその言葉。
それをきっかけにして、クラスの女子の一人があることを思い出します。
それは、加藤の素性です。
中学時代に隣の学校で噂になっていて、実際に一度だけ見たことがあった、と言う彼女はいいました。
加藤は……いじめで当時の同級生を自殺に追い込んだのだ、と!!

本物のいじめっ子が現れてしまいました。
このままではまずいと感じた仲島は、機転を利かせます。
自分が殴られたのはわざとで、様子を見ただけ。
こうして白咲をいじめたのだから、俺の助手として及第点だ。
そう言うことで、自分が圧倒的な力を持つ存在だ、と言う事をアピールしたのです。
とりあえずあっさり殴られてしまった理由をつけることで、クラスでの権威を保つことに成功。
そして、これは俺のおもちゃで俺のいじめだ、と引かない加藤に対しても無駄な話で時間を稼ぎ、先生が入ってくる直前のタイミングで自分こそが一番のいじめっ子だと主張することで、暴力を振るわれずに自分が上だと表明できました。
なんとか面子を保てた、と安堵して授業を受ける仲島なのですが……そこで気が付きました。
そもそも面子を保つ必要が無い、と言う事に。
加藤が白咲をいじめてくれるなら、白咲としてもOKなのではないか。
あの二人はお互い目的が合致してるんじゃないか……!
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ここに来て俺のいじめっ子人生が終わるかもしれない。
にわかに降って来た、いじめ終了の大チャンス!!
仲島は最近で一番の良い笑顔を浮かべてしまうのでした。

学校が終わった後、早速白咲にメールする仲島。
代わるかもしれない、この返答次第で俺の人生が一気に。
否、確実に変わる、だってどう考えても俺いらないし!
期待に溢れたメールを送る仲島。
すると即座に白咲からメール、ではなく、電話がかかってきました。
と言う事は!
すぐさま電話を取り、仲島ですと応答!!
電話口の白咲は、開口一番こう言うのです。
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わかってると思うけど、私のいじめっ子はお前だけだからな?



と言うわけで、加藤の登場で仲島が更なる苦境に立たされることになる今巻。
正真正銘、本物のいじめっ子である加藤の登場で、救われるかと淡い期待を抱いた仲島でしたが、実際はより一層困難な状況に叩き落とされるだけでした。
白咲の電話口の言葉は、仲島にいじめ続けろと言う事だけを意味しているわけではありません。
自分のいじめっ子は仲島だけ、ということは、つまり加藤に自分をいじめさせるな、と言う事でもあるわけで……
これから仲島は、加藤に「自分だけが白咲をいじめていい」と完全に思い知らせ、自分だけが白咲のいじめをできる状況を作らなければいけなくなったわけです。
仲島はいじめを強要されているだけで、その心根は臆病な普通の少年にすぎません。
そんな彼が、本物を相手にどう立ち回ればいいのでしょうか?
誰も頼れない、仲島の苦闘がまたも始まるのです……!!

そしてそんな加藤との対決が繰り広げられていく中で、さらなる激動も待っています。
白咲、仲島、加藤。
その三人の「いじめ」をかけた、いじめによる戦い。
そのはずだった本作に、思いがけない要素が投入されることになるのです!!
ショッキング極まりない本作の構造に、さらなるショックをもたらすその要素。
事態はますます混迷し、仲島はさらに追い詰められ……
これから先も、驚愕と恐怖の展開が続いていくことになりそう。
ますます本作から目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!