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今回紹介いたしますのはこちら。

「マザーグール」第4巻 菅原キク先生 

徳間書店さんのリュウコミックスより刊行です。



さて、怪物の住む島で、さまよい歩くエルレシアン女学院の少女達。
犠牲も多く生まれてしまいましたが、それでもたくましく生き抜く者、脱出の手段を探す者、探索の末に更なる恐怖にたどり着く者……それぞれが生きるために奮闘をしています。
そんな中、トリノ達は山の中にあまりに奇妙な建物を見つけて……?


奇妙な小屋の中にあった、「インブンチェ」。
どうやら怪物、あるいはその協力者は、少女を捕えては、四肢を切断して「穴」を塞ぎ、その腹に怪物の卵を産み付けるようです。
その卵を取り出していたトリノに、エリカは様々な感情を押さえながら、それをどうするつもりなのかと尋ねます。
成長したら脅威になる、殺すしかない。
予想通りの言葉が返ってくるのですが、エリカは何か気になるところがあるようで……
と、その時、呆然としていた純が何かに気が付き、悲鳴を上げました。
取り乱す順に慌てて駆け寄るエリカなのですが、そこには純が取り乱すのも仕方のないものがあったのです。
人間の頭。
……いや、
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インブンチェにされた、エルレシアンの生徒たち……!!
エリカはあまりの参上に涙をあふれ指すのですが、トリノは冷静でした。
これでこの家には、合計5人のインブンチェがあることになる。
一体に産み付けられた卵は6つ。
ここにあるだけで、化け物予備軍が30匹。
何人がインブンチェにされたのか、孵化までの期間はどのくらいなのか、どの程度の確率で卵から成獣にまで育つのか。
もうこの島には相当な数の化け物がいると考えて行動した方がよさそうだ。
しかも化け物に私たちが殺されると言う事は、化け物を6匹増やす手助けをしてしまう。
こちらの人数が減れば減るほど化け物は増え、静観確率が下がると言う事。
もう誰一人、殺させるわけにはいかない。
そんなトリノの言葉を聞いて、エリカはそんなのはじめから当たり前じゃない、とトリノに食ってかかるのですが……
その時、純が何やら笑い声を揚げ始めるではありませんか。
私凄い汚れてる、シャワー浴びてくるね。
エリカ、今年もまたスキー行こうよ、東子ったらスキーめちゃくちゃうまいし背も高いから、男性と間違えられてお姉さま方に逆ナンってのされてさ。
来年は絶対ピンクのウェア買うって……
そんなことを言ったかと思うと、今度は大粒の涙をぽたぽたと流し、そのままどこかへ走り去ってしまうのです!!
慌てて追いかけようとするエリカ。
そんなエリカに、トリノは言うのです。
外に出すなら気をつけて、危険は化け物だけじゃない、ここの住民がいつ戻ってくるかもわからない、慎重にね。
一人の命が、6匹の化け物を……
トリノの言葉が終わらないうちに、その顔にバケツが投げつけられました。
エリカの怒りが、抑えられなくなってしまったのです。
この状況でなお冷静過ぎるその態度に、ではなく……
トリノが、この袋の中のインブンチェが小井戸ひなではなかったことにホッとしていたことに。
そして……ひな以外の命なんてどうでもいい、と思っていることに、です!!
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正直引いたわ、と罵声を浴びせて純を追いかけるエリカ。
その言葉を聞いたトリノはうごくことができませんでした。
自分がそう考えていたこと、そしてその事に気が付かなかったことに驚いて……ショックを受けていたのかもしれません……

エリかは順を追いかけながら、思い起こしていました。
ひなを必死に探すトリノの姿を。
いつも冷静沈着で頭脳明晰なトリノが、ひなを探す姿は、まるで母親を探す迷子の様だった。
必至で、情けなくて……
だからエリカは自分から彼女を誘い、一緒に視線をくぐり、窮地を逃れた歓喜で抱き合ったりもしたのです。
だと言うのに、トリノにとってはそれすらもどうでもいいことだったと言うのでしょうか。
なんと悲しく、悔しいことでしょう。
エリカは涙をぬぐいながら走るのですが……
そこで、純と……環ひきいるエルレシアンの生徒の一団に出会ったのです!!
化け物は大勢いるところに襲い掛かってくることはありません。
これでひとまずの安全は確保できますし、みんなで協力すれば化け物をどうにかすることもできるかもしれない。
エリカは喜び勇んで環にあれこれと今までの事を教えようとするのですが……
実は環は、すでにこの時点で普通ではないある原理の元に行動するようになっていました。
環の瞳の奥に潜む、底知れない狂気。
環はそんな穂の暗い光を湛えた瞳で、エリカに尋ねます。
他には誰か一緒じゃないの?
桐島さんや、草間さん。
実は今の環、トリノを完全に敵だと認識しています。
もしトリノがいるとなれば何をするかわかりませんし、トリノと一緒に行動をしていたエリカにすら何かするかもしれません!
ですがその環の闇に気が付かないエリカは……
知らないわよあんな奴!と返答しました。
喧嘩別れをしたのが功を奏したようです。
とはいえなんだかんだ良い子なエリカ、放っておくこともできないから、もう一人呼んでくる、と先ほどの家に戻ろうとします。
ですが……そこでかけられた純の言葉で、一気に状況が変わってしまうのです!
エリカ、あたしたち助かるって。
笙子様を信じていれば、すこしの不幸も訪れないんだって。
……エリカからすれば、全く理解できないその言葉。
確かに笙子は生徒のほとんどから信頼される人柄と、美しさを持っています。
だからと言って、そんな神様のようなことはさすがにできるはずがないではありませんか。
さすがに笙子様でもそれはないだろう、とエリカが素直な感想を漏らすと……
環とその一団は一転して顔から表情を消しました。
笙子様のお力を信じていないのか。
笙子様に仇なす者には不幸が、進行するものには幸福が訪れる、この世の摂理を。
……ここでようやく、エリカは環たちの様子がおかしいことに気が付きました。
ですが、それでもエリカは言うのです。
そんな難しいことはわからないけど、
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私は信じるものは自分自身って、決めてるからさ。
その言葉の直後、環の一団の中にいた、安全のために行動を共にしていただけの一部の生徒から声が上がります。
宮城野さん、逃げて!!
……ですが、その声はギリギリのところで届かなかったのです。
化け物を呼ぶ、信仰心無き者には死を。
そんな言葉とともに、
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エリカは斬りつけられてしまい……!!!



と言うわけで、新たな局面を迎えた本作。
環たちがいかにしてこうなってしまったのか。
それはこの第4巻の前半にたっぷりと収録されていまして、そこも勿論見逃すことのできない緊張感と化け物とは違う恐怖に溢れた描写になっております……!

そんな環の事を知らず、エリカはエリカらしい言葉を発したことで危険にさらされてしまいました。
斬りつけられたのは、既に血液のこびりついたナイフ。
この医療施設のない孤島では、致命傷になりかねません。
しかも環はこれよりももっと恐ろしいものを持っていて……!!
エリカはこのとんでもない窮地を切り抜けることは出来るのでしょうか。
そして、仮に切り抜けられたとしても、この先無事に過ごすことができるのでしょうか……

そんなエリカのアレコレが描かれる今巻ですが、そこ以外も見どころ満載!!
前半では先ほども書いた、環たちを中心にした今までとは違う恐ろしさを描いたパートが収録。
そしてその合間に朔也達のエピソードも挟み込み、それぞれの動きが見て取れます。
さらに今巻の最後では、とうとう、と言っていいシーンが描かれることに……!!
菅原先生の思い入れもひしひしと感じられるそのシーンは、まさに必見!!
それがどんなものなのか、今まで読んできた方ならば何となくわかるかもしれませんが……ぜひとも皆様の目でご確認ください!!





今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!