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今回紹介いたしますのはこちら。

「ダンジョン飯」第7巻 九井諒子先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


さて、ファリンを助けるための手がかりを得るため、ダンジョンの更なる奥地へ足を踏み入れるライオスたち。
半猫の忍者イヅツミを加えたものの、戦力はともかく、いまひとつ協調性の無き彼女に手を焼くことになるのです。
とはいえ探索自体は着々と進んでいきまして。
ファリンを救うと言う事は、狂乱の魔術師に近づくと言う事で、狂乱の魔術師に近づくと言う事はこのダンジョンの謎に近付くと言う事。
ライオスたちは期せずしてこのダンジョンの鍵を握る存在となっていくのでした。



思わぬ出来事から、狂乱の魔術師の情報と、奇妙な「予言」を知ったライオスたち。
その後、ダンジョンのどの位置かもわからない場所に放り出されてしまいました。
ですがそこで役にたったのがセンシの知識。
柱にある印を調べることで、今ダンジョンのどのあたりにいるかがわかると言うのです。
センシやチルチャックがそうしてダンジョンの位置を探っている間に、ライオスとマルシルはといいますと……何やら興奮しながらセンシたちの元へと駆け寄ってくるのです。
そしてマルシルは、こう言いました。
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ファリンを見つけたかも、と!

マルシルが見つけたのは、大きな鳥の足跡でした。
自分たちに気がついて逃げて行ったこの足跡のモンスターのシルエットが、まさにファリン怖れだったと言うのです。
しかしライオスはグリフィンか何かじゃないかと思う、と異論を唱えます。
グリフィンは、上半身が砦下半身が獅子の魔物。
なのですが、この迷宮にグリフィンが出る、と言う話は聞いたことがない、とマルシル。
その話を聞くと……どうしたことでしょう、いの一番に味が気になると言いそうなセンシが、顔面を蒼白にするではありませんか。
ライオスが落ちていた羽根をチルチャックやイヅツミに見せて確証を得ようとするのですが……もしかしたらファリンかもしれないと言うのぞみもある事ですし、ここはすぐそのグリフィンなりファリンなりを探しに行くべきでしょう。
ところが、そこでセンシが
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「嫌じゃ」と断ったではありませんか!!
よほどのことがない限り皆の意見を聞いてくれるセンシが、ここまできっぱり断るなんてどういうことなのでしょう。
センシはそこに生えているキノコを調理してみたいだとか、「グリフィンは嫌いじゃ」だとか言って、がんとして動かず……
それどころか探しに行こうとするライオスにしがみついて止めようとする始末。
そんな騒ぎを聞きつけたのでしょうか。
上空から突如として

グリフィンが強襲してきたではありませんか!!
やっぱりグリフィンだ、かっこいい!と興奮するライオス。
一方でマルシルは、せっかくファリンを見つけたと思ったのに結局それがグリフィンだったとわかり……苛立ちを抑えきれなくなっておりました!
まだ攻撃を仕掛けようとしてくるグリフィンを魔法で迎え討とうとするマルシル!!
しかしその時、モンスターに関して詳しいはずのセンシが、グリフィンに背を向けて逃げ出す、と言う最もしてはならないことをするではありませんか!!
グリフィンはすぐさま
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センシを捕え、そのまま巣へと運び込んでしまうのです!!
この辺りには、無数の柱が林立しています。
おそらくこの中のどこかの柱のてっぺんあたりに、グリフィンは巣を構えているのでしょう。
どうやってそれを見つけ、どうやってそこまでいけばいいのか……?
モンスター大好き、モンスターの成体に関してはセンシ以上に詳しいライオスだからこそ、この状況がかなり厳しいことがわかってしまうのです!
ですが、マルシルには一つだけ策がありました。
それは、使い魔の召喚です。
今回は召喚と言っても、よくある魔物を使役するアレとは少し違うものを使う様子。
それは、「いちからつくる」と言う方法です!
いろいろできる使い魔を作ろうとすると大変らしいのですが、今回は最低限動ければいいと言うレベルの低いモノを作るため、比較的簡単なようです。
マルシルは自らの髪を切り、そして鍋に肉をメインに、乳製品なんかをとにかく詰め込んで、それを素にして使い魔の製作を始めました。
その製作中、チルチャックはある疑問を漏らし始めます。
センシの言動には引っかかる点が多い。
この迷宮が発見されてから6年しかたっていないのに、10年以上ここで魔物色を研究してると言っていた。
高価な金属の鍋や包丁をいくつも所持していること、古代ドワーフの暗号を解読したこと、来たことのないはずの回想の魔物を異常に恐れていること。
そして、チルチャックのような子供のような姿の種族を知らないような言動をすること。
普通このダンジョン周りで10年も暮らせばそう言う種族がいると言う事を理解しないわけがないのですから。
その事から考えると、センシは、地上の人間では……
そこまで言ったところで、ライオスはチルチャックを止めました。
無事センシを助け出せたら、改めて自己しょうかの場でも設けよう、と。

そんなことをしていると、使い魔が出来上がったようです。
どんな使い魔なのか?
モンスターマニアのライオス、もうワクワクで鍋の蓋を取るのですが、そこにいたのは
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子供の落書きのような鳥っぽい何かで……
あからさまにがっかりするライオス。
いや、これはライオスでなくても、こんな頼りなさげな使いまでグリフィンをどうにかできるようには思えないのですが……!?




というわけで、センシの新たな一面が明らかになる今巻。
このグリフィン騒動をきっかけにして、今まで名前以外のほとんどが謎だったセンシの背景が一気に明らかになるのです!!
チルチャックの思い浮かべた数々の疑問。
その疑問のほとんどが明らかになる、センシのエピソードは必見と言わざるを得ないでしょう!
ですがまずその前に、グリフィンに捕えられたセンシを助けなければなりません。
あの頼りない使いまでどの様にしてセンシを助けるのか?
していることは真剣そのものながら、笑えてしまって仕方のないマルシルの本気……その目でご確認ください!!

そんなエピソードの前には、狂乱の魔術師の謎の片鱗が見えるエピソードが収録されています。
ここでライオスはとんでもない使命の様なものを背負わされることになるのですが……
ただのモンマニであるライオスが背負うにはあまりに大きいような。
本当にライオスがその使命に向き合うことになるのか、と言う今後の物語の鍵となりそうな要素となりそうです!!

さらにダンジョンの外で交錯する思惑なども描かれ、物語はどんどんと進行。
それだけに今巻もお楽しみのモンスター食の出番は少なめです。
少なめなのですが、今までの数々の料理の中で最も大事、かもしれない料理が出てきます!
こちらの方も見逃す手はありませんね!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!