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今回紹介いたしますのはこちら。

「神々の悪魔」第1巻 原作・佐伊村司先生 作画・高橋構造先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


さて、「異骸」の佐伊村先生の最新作となる本作。
作画を担当されるのは、「クルエラー・ザン・デッド」でも同じようにタッグを組み、同じサークルで同人誌を発表するお仲間である様子の高橋構造先生です。
勝手を知る中であろうお二人のタッグで描く本作は、やはりホラー漫画。
ですが昨今流行のゾンビものではなく、時代に逆行するかのような本格的なエクソシスト漫画となるようです!!



新宿。
雨宮蓮次は、風俗店を叩きだされていました。
ひいきにしている女の子、トリ子がなぜか突然蓮次のデリケートな部分にはを立ててきまして、流血してしまい……
そこで、救急車を呼んでくれと大騒ぎしたため、店側が面倒を起こさないよう怖い人にお願い。
蓮次はいいようにあしらわれてしまったと言うわけです。

結局その後お医者さんに行き、大事には至らずすみました。
蓮次はどうしたかと言いますと、懲りずに友人にお金を借りて、またトリ子に会いに行こうとしています。
友人はそんな蓮次に対して、嫌われてるんだろうし、店に顔を出したら痛めつけられるぞ、と非常にまっとうなお説教。
なのですが、蓮次はこう言うのです。
店じゃなくて家に行くんだ、と。
なんでも蓮次はトリ子の自宅に一度言ったことがあって、ごはんまで作ってもらったんだとか。
結婚したい、とまで言ってくれたそうで……
リップサービスの可能性もありますが、蓮次はそう思っていない様子。
件の流血沙汰も何か理由があってのことだと思っているのですが、その理由が思い当たらないために直接本人を訪ねようとしているのです。
友人はやはり「結婚してくれ」なんて言うのは常套句だろう、と冷静な判断を下し、オマエも真面目に働かないとこうなるぞ、と報道中のニュースを指さしました。
1週間ほど前に起こった、電車内での無差別大量殺人事件。
そんな強烈な説教をされてしまった蓮次ですが……それでも、自分たちは本気だったはずなんだ、と信じ続けようとするのでした。

その夜、結局お金は借りなかった蓮次ですが、トリ子の様子を見に行かずにはいられませんでした。
彼女の通り道に張りこみ、まだ言えない傷の痛みが走る股間を押さえながら、そっと彼女の後をつけて行く蓮次。
トリ子はと言いますと……人気のない寂しい路地で、猫と戯れていた……と思いきや、
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突然猫を踏みつぶしたではありませんか!!
それも、何度も何度も!!
自分の見たものが信じられず、呆然としてしまう蓮次。
トリ子はそんな蓮次を振り向くのですが……
その顔は、
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到底トリ子本人とは思えないような、恐ろしい表情に変貌していたのでした!

思わず逃げ出す蓮次。
いや、無理もないでしょう。
自分が良く知る女性だったはずの人物が、とんでもない惨いことを行い、その上別人のような表情でにらみつけてきたのですから。
がむしゃらに走って逃げ回った後、すぐには見つからなそうな場所に座り込み、息を整えることにするのですが……視界の端に、何かがすぐそばを通りがかる気配を感じたのです。
ゆっくりとその場を離れようとする蓮次ですが、今度はすぐ後ろから物音が聞こえました。
そっと振り返り……トリ子か?と闇に向かって問いかけるのですが……
そこにいたのは、身も知らぬ老人でした。
あまりに突然の登場にびっくりした蓮次は叫び声をあげてしまうのですが、老人はそれを意にも介さずゆっくりと近づいてきます。
天にまします我らの父よ、願わくは御名を崇めさせ給え、御国を来たらせ給え。
汝を滅ぼしに来た!
そう言って老人は、十字架を向けてくるのです!!
……が、当然蓮次がそれでどうにかなるわけもありません。
なんだよジジイかよ、ビビらせんじゃねー、俺はこう見えてジジイにゃ容赦しねえんだよ!
老人相手にビビりまくってしまった照れ隠しでしょうか、必要以上にオラオラする蓮次。
ですが老人はそれにも答えず、何やら瓶を取り出し……その中身を振りかけてきたのです!!
とっさにその中身の液体を回避する蓮次。
ですが、その背後から大きな悲鳴が聞こえてくるではありませんか!!
ギャアアアアァァアア、と苦悶するその人物は……トリ子でした。
トリ子でしたが、苦しむその顔は
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ただれている、だけではなく、人間ではない何か、としか言えない異形になっていて……!?
トリ子はそのままその場から逃げ出します。
老人もそれを追おうとするのですが、その前に蓮次が立ち塞がりました!
老人のエリをがっちりとつかみ、壁に押さえつけ、俺はジジイても容赦しねえって言ったろ、トリ子に何をかけた、と尋問するのです。
すると老人は、ゆっくいと語り始めます。
昔と比べ、今の時代は平和で豊かに思えるが、欲に囚われた人間それは際限がなくなる。
叶わないとなれば荒み、もkガキ苦しむ。
怒り、悲しみ、乱れ、そして凶悪が台頭する。
奴らにとっていい時代になってしまった。
……老人が何を言っているのか、全く理解できない蓮次は、トリ子に何かあったらただじゃ置かない、とすごむことしかできず……
そこでようやく、老人はトリ子に関しての言葉を紡ぎ始めたのです。
彼女は……
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悪魔に憑かれている。
私は悪魔を見つけ、悪魔を祓う、エクソシストだ。




と言うわけで、突然悪魔憑きとエクソシストの戦いに巻き込まれることとなってしまった蓮次。
蓮次は無職でまともに働かず、女にうつつを抜かしてばかりいる、とても漫画の主人公にふさわしいとは言い難い男です。
ですが、トリ子に対しての思いだけは本物!
このあと蓮次は、蓮次なりにトリ子を救おうとします。
しかしやはりトリ子には悪魔が取りついているのは間違いないようで、トリ子はどんどんと悪魔に蝕まれていってしまい……

鍵を握るのはやはりあの老人です。
悪魔を祓えるのは少なくとも現状ではあの老人ただ一人ですから、蓮次は彼を頼るほかありません。
ですが、だからと言ってお願いしますで放っておけるはずもなく……
蓮次はこうして、悪魔との戦いに足を踏み入れることとなるのです!

この後物語は本格的に悪魔祓いのスタートを切ることとなります。
トリ子以外の悪魔憑き被害者も現れ、悪魔のより残忍で非道な所業が描かれていくことに。
さらに独自の方法で悪魔憑きを追う存在が現れるなど、蓮次達以外の登場人物も活躍を始めて行くのです。
さらに今巻のラストでは、一層暗雲の立ち込める不穏な出来事も起き始め……?
スタンダードなエクソシストものかと思いきや、後半で見せる思いがけない対悪魔戦法や、さらなる物語の広がりを予感させるシーンなど、今後大きく物語が変化していく予感もある本作。
正統派ホラーとしての面白さはこの第1巻で十分発揮されているのですが、それ以外の魅力もこれから見せてくれそうです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!