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今回紹介いたしますのはこちら。

「魔法少女サイト」第13巻 佐藤健太郎先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、サイト管理人の魔の手が魔法少女たちの家族にまで及び始めた前巻。
緊急事態というのも生ぬるいほどの緊急事態だというこの時に、要の父はなぜかにじみんのステッキを装着し、要に勉強するように命令した来たのです!!
予想外の異常事態、果たして彩は家族を救うことができるのでしょうか……



魔法少女たちが家族を守るため、それぞれ戦いを始める中、彩もようやく自宅にたどり着くことができました。
いつここに管理人が来てもおかしくはありませんし、それどころかもうすでにやってきているということだって十分考えられるでしょう。
彩はステッキを構え、警戒しながら家の中を進んでいきました。
 二階に上がると、そこにいたのは……母親です。
今までどこに行っていたのよ、なんとか言いなさい、と母親は尋ねてくるのですが……
今の彩は言葉がしゃべれない状態。
何も答えられないまま、とりあえず今の状況を整理します。
管理人は来ていない様子ですが、母親は要の部屋の前で何をしていたのでしょうか……?
そんなことを考えていると、母親の口からその疑問の答えが出てきました。
要の勉強がまだ終わりそうにないから、ご飯の用意するわね、まだ食べてないでしょ?
……勉強……?
彩は、要はまだ入院中だと思っていました。
それなのに家にいて、勉強している、とはどういう事なのでしょうか。
そんな会話をしている母親の声が、要の部屋の中にいる父親にも聞こえたようです。
彩が帰って来たのか、まぁ、あいつのことはどうでもいい。
そして、改めてかなめに語りかけるのです。
しっかり勉強するんだぞ、と。
にじみんのステッキの効果で、要は父親の命令に従うことしかできません。
何一つ文句を言わず、黙々と机に座って勉強を続ける……
そんな要の姿を見て、父親はご満悦です。
このパンツがあれば要を四六時中勉強させることができる、成績を上げることができる。
確実に要を東大に入れることができる!
私の夢が叶う……!!
父親は、かつて東大入学を夢見ていました。
ですがその夢は破れ、今は自分の分身である要にその夢を実現してもらう事ばかりを考えていたのです。
頑張れ要、要が私の夢なんだ。
フレー、フレー、か・な・め。
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フレーフレーかなめ、フレーフレーかなめ!!
父親はいつしか、全力で要へのエールを送り始めていました。
……そんなエールが勉強をしている兄の部屋から聞こえてくるなんて、どう考えても異常でしょう。
居てもたってもいられず、とうとう彩は要の部屋の中へと突入。
振り向いた父親が、虹民のステッキを使っていることを咄嗟に看破し、すかさずステッキを構えるのですが……
父親の、よく聞けぃ!!という叫び声の方が彩のステッキの使用よりもわずかに先でした。
にじみんのステッキをはいている以上、父親の命令は絶対。
彩は父親の口から告げられる、あまりにも残酷な真実を「よく聞く」しかありません。
部外者が踏み込みよって。この際だ、よく聞け。
お前はこの家に必要ない存在だ、彩。
私たち家族の邪魔をするな。
私は反対したんだ。
要を生んでしばらくして二人目ができた、女の子だった。
しかしあることがきっかけで流産してしまい、母さんは二度と子供を産めない体になってしまった。
数年後うちの養子の話が来た、それも女の子だった。
母さんはその女の子に亡くなった子を重ねてしまい、家族として受け入れることとなった。
私たちはその子供を……彩と名付けた。
彩、お前はな、私たちと血が繋がっていない。
お前は
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私たちの子どもなんかじゃない。
だからどうでもいいんだよ彩、お前のことなんか。

……今まで以上ともいえるほど自分に冷たかった父親。
その理由は、こんなところにあったわけです。
いくら自分をしいたげ続けてきた兄や父親とはいえ……ここで、はっきりと他人だと言われてしまった彩のショックは大きく……崩れ落ちてしまうのです。
ですがそこで、母親がとうとうその感情を爆発させました!!
父親にビンタ……は、寸前のところでステッキによって防がれてしまい、逆に一撃食らわされてしまいます。
が、もう母親の溜めこんできた感情は止まりませんでした。
私のこともかなめのことも、そうやって暴力で抑えつけてきた!
いつもいつも。二人目を妊娠していた時も!
あんたのせいで、あんたのせいであの子が死んだ!!
あんたがあの子を殺したのよ!!
母親の思いがけない犯行に、父親はぶち切れ!!
だまれだまれ!うるさい!!と絶叫するのです!!
ステッキの力で母親を黙らせると、今度は泣きじゃくる彩に父親は更なる心無い言葉を吐きかけます。
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お前は家族でもないくせにどうして泣いてるんだ?
うちのかなめは優秀だ、こんな時にも勉強している。
要があんなに優秀なのに対して、自分の劣等遺伝子には何も気が付かなかったのか?
だからお前はバカなんだよ、部外者は外につまみ出してやる!!
止まらない父の暴走。
……ですが、そんな時でした。
父親にステッキを使いすぎの代償が襲いかかり、おしりから血が流れ、激しい頭痛に襲われたのは。
そして……
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管理人が現れたのは!!!



というわけで、いよいよ管理人がやってきてしまった今巻。
すさまじい力を持つ管理人を相手に戦うというだけでも危険極まりないというのに、彩の精神状態はボロボロで、そのうえまったく事情が分かっていない父親までいる。
こんな混沌とした状況で、彩は家族を救えるのでしょうか。
いや、家族ではないとまで言い切った父親を前に、戦う意思をよみがえらせることができるのでしょうか……?

クライマックスに向けて、まっさかさまに落下していく本作。
彩たちの「家族」の物語だけではなく、紗雪VS捌、そして漆VS零のバトルが描かれます。
その戦いの中で、あるショッキングな事実が付きつけられ、魔法少女たちはさらに追い詰められることに……
あまりにも厳しい管理人との戦いを制し、魔法少女たちは来るテンペストを防ぐことができるのか……?
物語は待ったなし!!
誰が死ぬか、誰が生き残るか、全く予想できない急転直下のストーリーが進行するのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!