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今回紹介いたしますのはこちら。

「キングダムオブザZ」第1巻 原作・はらわたさいぞう先生 作画・綿貫ろん先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。


はらわた先生は15年に、「出会って5秒でバトル」にてデビューされた漫画原作者さんです。
とはいえそちらは、既に発表していたウェブマンガを他の漫画家さんがリメイクすると言った方式を取られていたようで、実際に漫画原作者としてデビューしたのは18年の「導国の魔術師」と言えるのかもしれません。

綿貫先生は13年から成年向け漫画家として活躍されている漫画家さんでして、17年ごろから全年齢向け漫画も手掛けられておられます。

そんなお二人がタッグを組んだ本作、ここ数年の流行であるゾンビものとなっています。
消費されつくした感のあるゾンビものですが、もちろんただのゾンビものであるはずもなく。
本作ならではの要素が盛り込まれた作品となっているのです!!



佐藤勝は絶望していました。
旧校舎に立てこもって早5日。
残っている食糧は小さなチョコレートが二つだけ、
迫り来るタイムリミットに戦々恐々としている佐藤ですが、そんな彼を最もおびえさせている者が近づいてきていました。
うめき声と共に近づいて来る足音。
佐藤はとっさにロッカーの中に隠れ、様子をうかがいます。
手に握りしめているのは野球のボール。
1体なら何とか、と祈るような気持ちで、締め切られた教室の扉を見つめていると……
やがてその扉は乱暴に蹴破られ、教室の中に4体の……女子高生のゾンビが入りこんできたのです!!
畜生、これで終わりか。
佐藤に残されているのは、、半ばあきらめてロッカーで息をひそめ、見つからないことを祈るくらい。
そうしていると、さらに二つの足音が近づいて来るではありませんか。
まだ増えるのかよ、と更なる絶望に暮れる佐藤だったのですが……その二つの足音は、会話をしながら近づいてきているのです!!
ゾンビはまともな言葉など発せられないはず。
もしかして、助けが来たのか?
希望の宿った瞳でロッカーの隙間から教室内をうかがう佐藤。
するとその足音は、こんなことを放しながら教室に入ってくるのです。
かりん、男はダメよ、ちゃんと確認してね。
わかってるよ、もぉ細かいなぁ。
あなたが馬鹿だから言ってるのよ。
ミキちゃんも噛まれないでね?
そんな会話が終わると同時に、その声の主はゾンビが侵入してきた扉と逆側の扉を派手に壊して中に入ってきました!!
わざわざゾンビたちに自分の存在を知らせるように入ってきたその人物は、
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ミニスカートの女子高生二人組!!
予想外の登場人物に驚いた佐藤ですが、その後さらに驚かされることになります。
すかさず襲い掛かっていたゾンビの頭に、ツインテールの方の女子高生がバットをフルスイング!!
たった一撃で、ゾンビの頭をぶっ飛ばしてしまったのです!!
そしてもう一人の黒髪ロングヘアの女子高生は、流れるような動きでゾンビの攻撃をかいくぐり、足払いで地面に転がしたかと思うと、強烈な踏み付けで頭を粉砕!!
その華麗かつ狂暴な戦いは、バケモノのようでも、天使のようでもあって……!!
やがて彼女たちは、最後の1体の頭をふっとばしました。
その頭はまっすぐにロッカーの方へと飛んでいき、佐藤の覗いている隙間に直撃!!
佐藤の顔面はその鮮血で真っ赤に染まり……思わず絶叫してしまうのでした!!

佐藤は彼女達の保護されました。
黒髪の女子は関ケ原ミキ、ツインテールの女子は百鬼かりんと名乗りまして……ミキの方はなぜか、佐藤の名前ばかりか、野球部だと言う事も知っていました。
何故知っているのかも不思議ですが、何より不思議なのは彼女達自身です。
ゾンビの攻撃をものともしない身のこなし、ゾンビの首を一撃で飛ばす人間離れした力、噛まれたら存部になってしまうと言う恐怖やこの状況に対しての怖れを感じない立ち振る舞い、そして何より……人の形をしたものを何の躊躇もなく破壊できる容赦のなさ。
助けてもらった身ではあるものの、佐藤はそら恐ろしさを感じてならないのです。
さらに気になる点がもう一つ。
それは、机の上に拘束された、男子高生と思われるゾンビです!
何故ゾンビをああして縛ってあるのか?
尋ねてみれば、ミキはこともなげに言うのです。
今はいろいろと実験している、と……
すると今度はミキの方が、何故佐藤はあんな所にいたのかと質問してきました。
粗糖は校舎裏にいた時にゾンビが現れ、雨どいを伝って旧校舎に逃げ込んだ、と素直に説明すると、ミキは、結構筋肉あるし、運動神経もいいんだ、と品定めするように見つめてきました。
……落ち着いてみると、彼女たちは美人ですし、スタイルも抜群。
さらに自分のことを知っていたわけで……もしかしたらファンなのか、などと淡い期待を抱いたのですが……
ミキは、同学年の顔と名前は最近だいたい覚えた、と言ったうえで、さらに佐藤のことは前から知っていた、とこう続けるのです。
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野球の推薦できたピッチャーなのに、下級生に負けて遊び歩くようになった玉無し野郎って、有名じゃない。
お友達と校舎裏でタバコでも吸ってたんでしょ?
あなたは友達を見捨てて一人で逃げたんでしょう?
完全に佐藤を見下すような言葉を。
言い返すこともできず、うなだれる佐藤。
……重い空気になりかけたところで、かりんが出も生き残れてよかったね、とにこにこ言ってくれたおかげで、少し気の晴れた佐藤は、とりあえず今の状況を尋ねることにしました。
今までの数日間、旧校舎にこもりきりだった佐藤には、今どうなっているのかが全く分かっていません。
ミキたちはある程度情報をつかんでいる様子。
このゾンビ騒動は世界中で起きていて、人口密度の高い大都会からダメになっていっている、特に日本はひどい、と残酷な現実を突きつけてきました。
そしてその後に、彼女はこんなことを言いだしました。
多分日本は無くなるわ。
だから、私が国を興すわ。
……一体彼女は何を言っているのでしょう。
頭がおかしくなってしまったのか?
ここにいるのはたった3人なんだから、国を作るなんてごっこ遊びをしている場合じゃない、生き残りを探して仲間にして、助け合って生き延びるしかないだろう。
佐藤は至極まっとうな意見を言うのですが、ミキは佐藤をの言葉に応えず、ついてこいと歩き始めます。
かりんにうながされ、しぶしぶついていきますと……連れて行かれたのはとある教室。
そこには
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無数のゾンビが拘束されているではありませんか!!
思わず腰を抜かす佐藤に、ミキは説明を始めました。
ゾンビって休まないのよ、ずっと動けるの。
だから装置さえあれば、無限に電気が作れる。
それにゾンビは石がない、痛がらない、苦しまない。
兵隊にぴったりだと思わない?
ゾンビは無限のエネルギー源と、究極の兵士になる。
わたしはゾンビで軍隊を作るわ。
対した武器も出回っていないこの国なら最強になれる。
ゾンビの王国よ。
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わたしが国王で、この国を取る!




と言うわけで、まさかのゾンビを使って国を興そうと考える女子高生が主役となる本作。
ミキとかりん、二人はゾンビをものともしない身体能力を持っているうえ、ミキの方はかなりの頭脳の持ち主。
そんな彼女達と出会ったことをきっかけに、佐藤はそんな彼女達の戦いに巻き込まれていくことになってしまうのです。
ゾンビもののセオリーと言えば、ゾンビに怯えながらもなんとか生活圏をひろげて行ったり、助けを求めに外に出てみたり、ゾンビを治療する方法を探しに行ったり、と言ったところでしょう。
勿論本作でも、そんなセオリーのいくつかは踏襲されております。
されているのですが、それも本作ならではの展開で味付けされているのです!
普通ならば困難極まりない生活圏の拡大も、二人の身体能力とミキの策略、ついでに佐藤のアシストのおかげで危なげなく進んでいくのが他に類を見ないところでしょう!
さらに外の世界に出る展開も当然あるのですが、それも助けを求めると言った生易しいものではなく……!!

そんなゾンビとの戦いだけが見どころではありません。
謎多きミキとかりんの素性も今後明かされていくでしょうし、佐藤との関係も変わっていきそうな予感が漂います。
さらに今巻の終盤では新たな登場人物が現れるのですが、そのファーストインプレッションもなかなか珍しい描写がされているのです!
ミキとかりんと言うゾンビものらしからぬ強キャラがいてもなおすんなりとは進まなさそうな本作、今後の展開にも注目せざるを得ませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!