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今回紹介いたしますのはこちら。

「もういっぽん!」第2巻 村岡ユウ先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、未知と早苗と永遠の三人で始動した青葉西高校柔道部。
顧問の夏目先生も加わり、最初の公式試合であるインターハイ予選に向けて動き出すのです!



インターハイ予選に向けて、連休返上で行った猛練習。
その最後の日の練習後に、三人はそろってファミレスによって帰ることにしました。
そのファミレスであれこれと会話する三人なのですが……
未知と早苗の2人は中学時代ずっと一緒に柔道をしてきています。引
っ込み思案なところがある永遠は、そんな二人に突然自分も混ざってしまうことに引け目を感じているのか、私も団体戦に出ていいんだよね?と遠慮たっぷりの言葉をつぶやいてしまいます。
ですが未知がそんなことを気にするはずもありません!
なに言ってんの、当たり前じゃん、永遠ちゃんはエース、大黒柱!
中学時代の宿敵と同じチームで全国目指すとか燃えるなー!
と、一人思いきり盛り上がるのです!
そんなタイミングで未知の前にパフェが運ばれて参りました。
永遠ちゃんや夏目先生に鍛えられて私も少しは強くなってるかな?などと言いながらすぐさまそのパフェをモリモリ口に運ぶ未知。
……そこで気が付きました。
自分がそもそもパフェを頼んでいないことに!!
未知がそのことに気付いた直後、少し離れたところのテーブル席から、店員さんに話しかける声が聞こえてきます。
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あのパフェこっちじゃないですか?
ずっと待ってんですけどぉ。
そう声をかけているテーブル席のお客さんは、他の高校の女子3人組のようです。
自分のせいではないかもしれませんが、やはり確認せず食べてしまった未知はばつが悪いようで、彼女たちになんかごめんね、一瞬で結構食べちゃった、と謝るのですが……
彼女たちは、未知たちの顔を確認すると……おもむろに立ち上がって近づいてきて、こう声をかけてきたのです。
やっぱり氷浦じゃん、と。
永遠はそう声をかけてきた彼女に、恐る恐ると言った感じで、お久しぶりです、と答えまして。
何やら因縁のありそうな二人ですが……
未知は持ち前の空気の読まなさで、知り合い?一緒に食べる?と声をかけるのでした!!

彼女たち三人は、霞ヶ丘高校の柔道部です。
そしてそのリーダー格であるらしい、声をかけてきた少女は、エースの天音恵梨佳と名乗りました。
もちろん永遠は彼女のことを知っていまして……
実は永遠と天音は、中学時代同じ学校の柔道部に所属していました。
そしてその柔道部で、とあることがきっかけになって二人の関係はぎくしゃくしてしまったのです。
そのまま二人は別々の学校に進学し、今に至るわけで……
天音はそのぎくしゃくを払拭するためにも、インターハイ予選で永遠と決着をつけたがっているようで。
私は中堅で出るから、中堅で出てきな、と永遠に命ずるのです。
そして、うちらと当たるまで絶対負けないで、と言い残して去っていく……と思いきや、永遠へのもう一言を付け足したのです。
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忘れてないからね、あの日のあんたの顔。

中学最後の試合のレギュラーを決定する、天音と永遠の代表決定戦。
その試合の後、永遠が浮かべた表情がきっかけとなって二人の関係はぎくしゃくしてしまったようです。
天音は今でもそのことが胸に引っかかっているようですが、永遠もまた忘れているわけではありません。
実際天音とファミレスで会ってから、一週間たっても永遠はどこか上の空。
練習にも打ち込めていないようで、未知程度……もとい、まだ実力差があるであろう未知に一本を取られてしまうほどなのです。
一本を取る気持ちよさを求めて柔道を再開した未知ですが、この一本はあまり気持ち良さが込み上げてきません。
それは当然永遠の様子がおかしいからで。
あれから一週間、ずっと変だよ、大丈夫?
そう尋ねても永遠は答えません。
ので、未知はいきなり永遠をくすぐりながら、何があったか教えてくれ!!とくらいつく……と思わせて、直前でストップ。
ってしようかと思ったけど、早苗がやめときなって。
そう未知が言いますと、永遠はごめんなさい、と謝るのですが、そこで未知は永遠の言葉を遮るのです。
謝んなくていいよ、永遠ちゃん悪くなくない?
私と試合した時のも、変顔ばらまかれたこともだけど……天音さんに対してだって、永遠ちゃんのことだからきっとそうなんじゃないかな。
って、早苗がね。
まあでも……
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それも永遠ちゃんのいいとこか。
にっこりと笑顔でそう言う未知。
そこで早苗が、誰かさんと違って敏感なんだよね、と漸く口を挟んできたのですが、未知は、いるよね空気読めない人、と他人事のような口ぶり。
他人のパフェ怒られながら食べ続けられる人とかね、と早苗が突込みを入れますと……自然と永遠の顔は笑顔になって……
そうそう、その顔の方がいい!
未知は永遠にそう言うと、今度こそくすぐり攻撃を敢行!
結局思いきり笑わされてしまいまして……
吹っ切れたのでしょう、永遠はようやくいつもの調子を取り戻し、いつも以上に練習に身が入るのでした!!
そんな様子を見ていた夏目先生はこういいかけました。
園田、空気は読めないが……
その言葉の続きは、早苗の口から出てきます。
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はい、気持ち(空気)、変えてくれるんです。



というわけで、インターハイ予選に向けてようやく憂いの亡くなった青葉西柔道部。
実力は今のところ大したことはないと言わざるを得ない未知ですが、その天性の明るさ、人を明るくしてくれる性格は紛れもなくこの部の中心と言えるでしょう!
早苗も未知によって柔道に誘われて変わり、永遠もまた未知に惹かれて青葉西を選びました。
そんな未知の力が今回も、そしてこの後も発揮されていくことになるのです!!

そしてこの後、いよいよインターハイ予選が開幕!!
青葉西は勝ち上がり、霞ヶ丘と戦うことができるのでしょうか?
緊張しまくる早苗、エースの重圧がのしかかる永遠、そして一本勝ちをしたくてしたくて仕方のない未知。
運命の対決は果たされるのか、そしてどちらが勝つのか?
青春群像劇の色合いの濃い本作ですが、もちろん試合のシーンも力がこもっていますよ!!

さらに今巻でも未知大好きっこの南雲が要所要所で存在感を見せてきます。
彼女も紛れもなく本作の主人公の一人ですから……今巻ではそれほど大きな動きは見せないものの、これからにつながっていきそうな要素もしっかり匂わせてくれていまして。
南雲の今後の動向にも注目です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!