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今回紹介いたしますのはこちら。

「シャドーハウス」第2巻 ソウマトウ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。



さて、広い広い館の中で、身体が真っ黒な種族、シャドーと、そのシャドーに仕える生き人形と言う不思議な関係の人々の日常を描いていく本作。
ケイトに仕えるエミリコは、ドジだけど頑張り屋さんで、たまにケイトの機嫌を損ねたりもしますが、それでも一生懸命仕事を務めます。
そんなエミリコも、いよいよ他の生き人形と一緒に仕事を始めることになるのですが……?



本格的に仕事を始める前に、エミリコは館の案内をしてもらうことになりました。
ミアやローズマリー、ルウとともにや肩の様々なところを巡るエミリコ。
「掃除用具の間」にはたくさんの掃除用具と、生き人形たちの使う掃除用具を入れる個人用のロッカーなどが用意されています。
エミリコも以前自分が使ったロッカーの場所を覚えていまして、次からの本番に使う場所に迷わなくてよさそう。
ですが並んでいる掃除用具には一目見ただけではどう使うのか分からないものもちらほら。
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デッキブラシのブラシの部分が鋭い棘になっていたり、ハンマーのようなものがあったり……
ローズマリーによれば緊急用なのだそうで、めったに使うことなないそうなのですが。
次に向かったのは、地下に続く階段とその突き当りにある閉ざされた扉。
その階段自体もロープでふさがれておりまして、「顔のない人形の仕事場」なる場所に続いているのだとか。
エミリコたちは行く必要が無い場所とのことで、覚えなくてもいいし、今後考えなくてもいいとのこと。
次に来たのは「学びの間」で、文字を覚えたりすることもできるのだそうですが、今日はそこに飾ってある一枚の絵についていろいろと教えてくれました。
それは「ポートレイト」と言う服を説明した絵で、生き人形たちがシャドーの「顔」の役目を担うときに着る服なのだそうです。
素肌をさらさず、顔だけを目立たせるための服で、生き人形の正装。
今度行われる「お披露目」の際にも着るのだそうです。

そして今度は、シャドーたちのクラス生活スペースへと向かいます。
今は早朝でシャドーがいないとのことで、しっかり予習しておこうと言う事のようです。
ッ大広間を通り抜け、たどり着いたのは「お披露目の間」に続く道。
お披露目と言うのは、シャドーと生き人形の適性を見る大事なイベントで、それで生き人形が認められることによってはじめてシャドーは「顔付き」……成人となるのです。
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……そのお披露目で認められないこと、と言うのもあるのでしょうか。
恐る恐るエミリコが尋ねますと……ローズマリーとミアは顔を見合わせ、その事は話してはいけないことになっている、頑張ってとしか言えない、と答えました。
お披露目を控えるエミリコとルウはやはりどうしても不安になってしまうのですが……

ローズマリーたちよりさらに先輩の生き人形と言うのは、偉いシャドーのいる別館にいるのだと言います。
ですが、この先自分たちはどうなるのかだとか、自分の主人以外のシャドーに必要以上の興味を持つだとか、そう言ったことはしてはならないと言います。
生き人形は、シャドー家に対して忠誠以外の心を持ってはいけない。
それは生き人形の絶対的な掟の様なもので、これを守っていれば生き人形は幸せなのだ、と言います。
しかし興味と言うのは止められないもので。
エミリコは、以前ケイトから聞いた「偉大なるおじい様」に関しての疑問を口にします。
が、すぐにそれはローズマリーに諫められました。
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生き人形がその方を呼ぶは、「シャドー家を統率するシャドーハウスの王、私たち生き人形の生みの親、偉大なる創造主様」と言わなければならないのだとか。
しかもその名前ですら生き人形が口にするのは、存在を汚すことになるから……と、めったに口にしてはいけないことになっているのだそうです。
なんだかいろいろと奇妙な決まりごとがある生き人形たちの生活ですが……その時、突然大きな鈴の音が鳴り始めます。
エミリコが余計なことを言ったせい……ではないようです。
ローズマリーとミアは冷や汗を流しながら言うのです。
「亡霊」だわ……!
館の案内は中止。
すぐさま一同は掃除用具の間に戻り、手早く掃除用のすすコートを羽織り、亡霊のもとに向かうのです。
亡霊と言うのは、すすが集まった「こびりつき」の更なる集合体。
その姿は
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らんらんと目の光る顔がいくつもある、得体のしれない真っ黒な怪物だったのです……!!



というわけで、エミリコがいきなり「亡霊」と出会う事になる今巻。
亡霊が出るのは本当に珍しい事のようで、初めて見る生き人形も少なくはありません。
その亡霊は、一体何のために現れ、何をするのでしょうか?
そして生き人形たちは亡霊を前にどうするのでしょうか?
思いもよらない亡霊との戦いが始まるのです!

さらにこの後、物語は亡霊が現れたことによる問題の解決と、「お披露目」に向けてのお話が展開していくことになります。
その中でエミリコは、今まで見たこともない世界をたくさん見ることになり、そして他の生き人形たちも知らないあるものに出会うことになります。
今までも不穏な空気を少しずつ振り撒きながらもゆっくり物語が進んできた本作ですが、この辺りから本作の影に隠れてきた闇の様なものの姿が見えてきます。
シャドーと言う存在そのものが不思議極まりない本作ですが、その不思議と、底知れない不安を吹き飛ばしてくれそうなのがエミリコの明るさです!
そしてそんなエミリコを温かく見守るケイト……
そんな二人がいれば、きっとどんな困難や真実も乗り越えてくれるはず!
これから先もいろいろなことが起きるでしょうが、二人を信じて見守っていきましょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!