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今回紹介いたしますのはこちら。

「サエイズム」第6巻 内水融先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。


さて、突如として美沙緒の前に姿を現した冴。
確かに目の前で雷に打たれて死んだはずの彼女、本物の冴であるはずがないのですが……
見れば見るほど彼女はあの冴に生き写しなのです。
その美しさも、立ち振る舞いも……美しい顔の奥からにじみ出る、言いようのない威圧感も。



冴が美沙緒の家を訪ねてきました。
過去のトラウマを乗り越えたかに見えた美沙緒だったのですが、やはりあの冴本人……にしか見えない存在を目の前にすると、それが単なる思い込みであったことを思い知らされます。
冴を前にした美沙緒は、以前の引っ込み思案だったころの彼女、いや、それ以上に、怯える子羊か、蛇に睨まれた蛙のように震え、何もできなくなってしまうのです。
そして美沙緒は冴に誘われるがまま、彼女の家へと一緒に行くことになってしまうのです。

冴と並んで彼女の家へ向かうその時も、美沙緒の心の中は恐怖で一杯。
友達が大変な目に遭った時間も、この冴がやったと言う証拠は何もない。
でも、怖い。
会っただけで震えが止まらなくなるくらい。
なのに何で、冴について行ってしまうのか……?
この一年間、バイトを始めたり新しい友達ができたり、精神的に強くなったつもりでいたけど、結局何も変わってなかった。
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自分は冴に絶対逆らえないんだ。
自分のすぐ横で、ずっと震えている顔面蒼白の操を見た冴は……こう呟きました。
美沙緒、ゴメンね。
……まさか冴から、素直な謝罪の言葉が出てくるとは。
美沙緒は驚いてしまうのですが……

冴の住む広大な屋敷に突きました。
この広い屋敷に今は田鶴と二人きりで済んでいるんだ、馬鹿みたいでしょ?
そんなことを言いながら冴は屋敷の中へ美沙緒を通し、大きな窓のあるリビングのテーブルに座らせます。
そして、ちょっと紅茶でも用意するから、と冴がその場を離れようとするのです。
冴ちゃんが自分でやるの?
思わず口をついた美沙緒の疑問。
冴には田鶴と言う忠実な使用人がついているはずなのですが……
今日は彼女がいない日だから、この家に今いるのは私と美沙緒の二人だけだよ、と冴は言い残して去って行くのです。
冴がいなくなった後、美沙緒の脳裏によみがえったのは、かつての冴に、二人きりの時にされた様々な嫌な思い出でした。
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だからと言って逃げることもできず、そのまま震えていますと、冴が紅茶をもって戻ってきました。
美沙緒がその紅茶を二人のカップに注ぐと、まず冴が自分の紅茶を飲み干します。
そして空になったカップを見せながら、毒なんて入ってないから、と安全アピールをしてきました。
その命令に逆らうことのできない美沙緒は、恐る恐る紅茶を口にするのですが……その間、冴はずっと美沙緒を見つめています。
一体何のつもりなのか?
美沙緒がまた恐る恐る尋ねますと……冴はここに連れてきた真意を語り始めました。
わたしは美沙緒と普通の友達になりたいって言ったよね。
けれど美沙緒はずっと私の事を怖がってる。
美沙緒は私にいろいろと聞きたいことがあるでしょう?
何でも聞いて、蘭ちゃんの前では言えなかったことも全部正直に話すから。
……この直前に起きていた、とんでもない事件で美沙緒は蘭への不信感を抱いています。
その事も手伝って、美沙緒は疑問に思っていた様々なことを尋ねることにしました。
友達二人の事件の件は、知り合って間もない自分には彼女たちの抱えている闇の様なものがわからなかった、だからどうして起きたのか分からない、と答えます。
……当然そんなはずはなく……美沙緒も、以前の時も全部知っていたのに知らないと言っていたじゃないか、と冴に言い放ちます。
それでも自分は何もしていないと答え続ける冴に、美沙緒はいよいよ最も気になっていた事を尋ねるのです。
そもそも、なんで普通に復学できてるの?
冴ちゃんは私の目の前で死んだんだよ?
あなたはいったい何者なの!?
……その時に起きた衝撃的な光景を振り返り冴は確かに死んだはずだと主張する美沙緒。
なのですが……冴はそこでとんでもない言葉を返してきました!!
ハッキリ言うわ、今美沙緒が語った光景は
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見間違いよ。
わたしは確かに落雷を受けて重傷を負ったけど、死んだわけじゃなかった。
あの当時の私は、美沙緒にとって「消え去ってもらいたい存在」だった。
だから美沙緒は私が再起不能になったかのように記憶を改ざんしてしまった。
別に珍しいことじゃないわ。

あのとんでもない冴の最後が、気のせいだったと言うのでしょうか。
ですがそれならばそれで、さらに強く確信できることがあるのです。
今の冴が美沙緒の知っているかつての冴ならば、普通の友達に何てなれっこない。
あの冴が「普通」に何てなれるわけない!!
そう絶叫するかのように絞り出す美沙緒。
すると冴は……思いもよらない行動をとったのです。
あたしは全部本当のことを話したつもり。
それでも美沙緒の不信感をぬぐえないなら、もうこうすることしかできない。
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度重なるご無礼、誠に申し訳ございませんでした……
踏みつけてもいいし、唾を吐きかけてもいい。
それでも許せないなら私は学校をやめるし、二度と美沙緒の前に姿を現さないわ。
けれどもし、美沙緒の中に私の居場所があるなら、もう一度友達になって欲しい……!



と言うわけで、新生冴の様々な策略が躍る今巻。
冴に何度も騙され、何度も危険な目にあわされてきた美沙緒。
そんな彼女が再び目の前に現れたと言うのに、美沙緒はおびえるだけで何もできません。
いや、それ美沙緒が取ってしまった最悪の行動は、彼女の言葉に聞く耳を持ってしまったこと、でしょう!!
以前もさんざん騙されたと言うのに、美沙緒はもう冴の言葉に耳を貸してしまっています。
生来のやさしさを持つ彼女が、目の前で誠心誠意謝罪をしている、様に見える人物をないがしろにし続けることなどできないわけで……
さらに冴の策略によって、頼れる友人たちにも不信感を抱かされてしまい、もはや美沙緒に逃げる道はなし。
果たしてこのまま美沙緒は、その優しさに付け込まれて彼女の思うつぼにはまってしまうのでしょうか!?

そんな美沙緒と冴の動向も気になりますが、古海やあすかがどう動くかと言うのも気にかかるところでしょう。
ですが何よりも気になるのはやはり新生冴の正体でしょう。
この第6巻では流石にまだその正体は語られませんが、正体を巡って物語が動いていくのです。
美沙緒と冴、あすか、古海、シバコー、そして嵌められた蘭。
彼らの巻き起こす大きな渦、見逃せません!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!