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今回紹介いたしますのはこちら。

「草薙先生は試されている。」第2巻 安田剛助先生 

星海社さんの星海社コミックスより刊行です。



さて、親友であり片思いのお相手であった八重の娘、一姫の担任教師になってしまった美奈子。
八重の面影を強く残す一姫を意識せずにはいられない美奈子なのでしたが、なんと一姫の方から美奈子に付き合ってくれと持ち掛けてきたのです!!
ですが教師と生徒の立場の上、相手は親友の娘。
美奈子は何とか一姫があきらめるよう耐えるのですが、それでも一姫のアプローチが止むことはなく、そして美奈子の想いも陰ることがなく……?



バレンタインの季節がやって来ました。
何かと色めき立つこの時節ではございますが、当然学校側からすれば生徒たちが盛ってくるであろう学校での不要物の持ち込みに注意しなければならないわけでして。
バレンタイン禁止を標榜し、規則にのっとった対応をすることとするのでした。

若手教師、有村はそんな風潮に少し反対なようです。
規則だからってバレンタインのお菓子くらい大目に見てあげたらいいのに、と美奈子に言うのですが、美奈子はきっちりすべきだと言うスタンス。
半端に許可すると、規則を守っている他のこと公平ではない、生徒間や生徒・教員間でトラブルが起きる、と冷静な判断を下していたのです。
が、そんな美奈子も本当は冷静に物事を捌いているだけではないことを有村は知っているのです。
去年のバレンタイン、美奈子が机に突っ伏してこんなことをうめいていたのを。
どうして私の目に入れちゃうのよ、見ちゃったら没収するしかないじゃない。
もっとうまくやりなさいよ……

勿論生徒たちはそんな教師たちの葛藤などお構いなしです。
それぞれ必要に駆られたものはチョコレートを持ちこんで、密かに対象に渡しておりました。
一姫の周りでもあれこれと攻防があったわけですが……最大の問題はやはり一姫の本命チョコ。
なにせ相手は、規則は護るべきだと明言する堅物(と生徒たちには思われている)美奈子。
一姫としてはやはりこの日に絶対渡したいところですが、そんな美奈子が堂々と受け取ってくれるはずもなく……!!
運命の一戦が幕を開けることとなるのです!!

勿論学校で渡す以外の方法も考えなかったではありません。
一度家に帰って、学校の外で待ち伏せをすれば規則は犯さないわけで……その方法も勿論思い浮かびました。
ですが門限やすれ違いなんかのもろもろも事情を考慮すると、成功率は30%程度。
なんとしても今日渡したい一姫からすれば、その高くない成功率にかけることは出来ません。
……そして一姫は、
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真っ向から校内で美奈子にチョコを渡すと言う無謀にも見える決断をしたのです!!
廊下で鉢合わせした、いや、出会うべくして出会った二人。
一姫から漲る気迫を感じ取った美奈子、本気で私にチョコを渡す気なのか、と感じ取りました。
無謀。
美奈子ですらそう思わざるを得ないその蛮行ですが、一姫も考えな死に突っ込んでいくわけではありません。
一姫が見つけた付けこむ隙。
それは、美奈子がチョコを見つけたら没収「しなければならない」と言うところです!!
つまり真っ向から手渡せば、没収=渡したことになる、と言う算段だったのですが……
チョコを差し出してきた一姫に、美奈子はこう言います。
没収したチョコは放課後に返却する、返却に応じなかった場合は自宅に郵送する決まりだ、と……

差し出したチョコはもう戻ってきません。
そこで一姫は、頑張って作ったチョコだから、型崩れしないように自分で保管場所まで運びたい、と美奈子に食い下がりました。
そのくらいならいいけど、自分も見ているからごまかして逃げることは出来ない、とくぎを刺されてしまいました。
それでもいいからと一姫は職員室の美奈子の机へ導かれ、その保管場所になっている引き出しを開けてもらいます。
他にも何人か犠牲者はいるようで、何個かすでにチョコは入っていまして、そこにそっとチョコを置きました。
バイバイ、私のチョコ。
そう言って去って行く一姫……
美奈子は彼女を見送った後、手作りだったのね、食べたかったなあ……と心の中でつぶやき、攻め手放送の外から匂いを嗅いだりして……
放課後になったら校門付近をウロウロしようか、などと言う考えまで過るほど後ろ髪を引かれているのでした!!

そして放課後。
一姫にチョコを返……そうとして、無意識のうちに力強くつかんで名残惜しさを暗に示してしまったりと言う事もありましたが、とりあえず没収したチョコは全て生徒たちの手に戻りました。
そう、没収したチョコは。
全員に返したはずなのに、ひとつだけ机の中にチョコが残っていたのです。
没収した覚えのないそのチョコには、くさなぎ先生へ、と言う手紙が添えられていて……!?
ここにこんなものを仕込めるのは、自分のチョコをここまで持ってきた一姫を置いてほかにいるはずがありません。
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慌てて追いかけて一姫にその事を尋ねるものの、そのチョコは自分のものではない、と一姫はきっぱり言い切るのです。
わたしが違うと言っている以上そのチョコが自分のものであると言う証拠はない。
と言う事はそのチョコは誰のものかわからず、返却することができないから……
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先生が受け取るしかない!
一姫は見事な二段構えの作戦で、美奈子にチョコを渡すことに成功したわけです!!
……とはいえ、このチョコが一姫のものである事は明白です。
今回は特別に受け取ってありがたくいただくが、こんな渡しかたをされても嬉しくない、私はすこし怒っている。
このチョコを渡した人は規則を破ってどう渡すかは考えても、私の気持ちを考えてはくれなかった。
一度家にチョコを取りに帰るから待ち合わせしたいって言ってくれたら、受け取りに行くことくらい考えればわかったはずだ。
……そうまっとうに説教をされてしまえば、当然返す言葉もなく……
一姫をぽろぽろと大粒の涙をこぼし、ごめんなさいと謝るのでした。
……そんな一姫を抱き寄せながら、美奈子はこんなことを考えています。
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わたしの半端な態度がさせたことよね。
……だったら、私は……



と言うわけで、一つの転機を迎えることになる今巻。
バレンタインと言う学園物には欠かせない一大イベントが収録された今巻ですが、このエピソードから物語は一気にその毛色を変えて行くことになります!!
一姫の思いつめた末の奇策を見た美奈子。
その様子をみて何かを決断したわけですが……
その決断は……どちらなのでしょうか!?
怒涛の展開となるこの後、ぜひとも皆様の展開でご確認ください!!

と、そんなクライマックスを収録しているこの第2巻ですが、それ以外ももちろん見どころいっぱい!!
堅物だと生徒たちに思われていた美奈子を見る目が少し変わってしまう文化祭編、大人になりたい一姫を巡るちょっとした出来事などなどのコミカルなお話はもちろんの事、美奈子と一姫の関係以外にも咲き誇る女性たちの恋愛模様も描かれます!!
美奈子を単なるセンパイ以上に見ている有村、そして一姫に密かに思いを寄せる黒澤さん、さらに美奈子の「元カノ」との関係を描くエピソードなどなど、見逃せないものばかり!!
さらにそのあたりを補足する描き下ろしのおまけもあり、大充実の一冊となっているのです!

お話的には盛り上がりを見せ、何となく次の巻で完結となってしまいそうな空気もありますが……
とにかくこれからの展開も注目です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!