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今回紹介いたしますのはこちら。

「遺書、公開。」第4巻 陽東太郎先生 

スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスJOKERより刊行です。


さて、「序列」1位、姫山椿が残したと思われる遺書から、その自殺の謎を探っていく本作。
順番に行われる遺書の発表が進むにつれ、だんだんと明かされていくクラスの闇。
姫山椿は何故その命を絶ったのでしょうか。
全てはこの遺書の中に記されているのでしょうか……?



姫山椿の自殺の原因は、序列にあるのではないか。
そんなムードがクラスを支配し始め、序列をばら撒いた人物が誰かと言う事にも焦点が当たり始めます。
その序列をクラスの皆に送ったのが誰かと言う事に対して、確実な情報をにぎっているらしい森本。
彼女はその「誰か」に、次の遺書発表の時に自分で言いださなければ、自分がばらしてやると告げていました。
そして、その遺書公開の時間に、真っ先に自分が紹介すると手を上げたのは……序列29位の目立たない者静かな男子、山根だったのです!
そんな山根を見つめる森本は、こう考えていました。
結局言い出さなかったじゃん、あいつ。
山根がこのタイミングで立候補してきたのは運が悪いと思うけど、約束は約束だし、山根の公開が終わったらばらしちゃっていいよね……?
どうやら森本の知る、序列をばら撒いた人物は山根ではないようです。
……終わった後のことはともかく、今は山根の遺書の内容を聞いた方がいいでしょう。

そして、山根の遺書公開が始まります。
今までありがとう、山根君とたまにお話するのとても楽しかった。
山根君の考えは自由でユーモアが当て、いつも羨ましかったよ。
「あのこと」は最初びっくりしたけど、今では山根君らしいって思える。
それは誰にも言ってないから安心してね。
それではお元気で、いつまでも見守っています。
……クラスでも目立たない山根が、姫山椿と話していたと言うのは意外な気もしますが……それよりも、遺書の中の「あのこと」が気になります。
何かあったのかと聞かれると、山根はこう答えるのです。
「あのこと」と言うのは……
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僕が2-D序列を送った犯人だ、と言う事です。
始業式の日、みなさんのスマホに序列を送りつけたのは僕です。
姫山さんには偶然そのことを知られてしまい、黙っていてもらうようお願いしていました。
……山根の言葉にクラスの面々は驚きを隠せず、呆然としてしまう一同。
しばらくしてようやく、山根の序列は29位だったじゃないか、そんな人物が序列を送りつける意味って何なんだ、と問いかけたのですが……
山根はこう答えました。
面白いかなって。
予想外の答えに戦慄とする教室ですが、そこでとうとう森本が立ち上がり、嘘だと声を上げてしまいました。
嘘でしょ、だって私知ってるの。
本当に序列を送ったのは、
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三宅だよ!!
始業式の日に序列の痩身履歴を消してるのを満たし、本人とも話してるから間違いない!
そうでしょ、三宅!!
顔面は蒼白になり、怯えきった表情を浮かべている三宅。
その態度からもう、彼の答えはわかっているようなものですが……
三宅はか細い声で、そうです、俺が送りました、と答えました。
実際に序列を送ったのは三宅。
だけどなぜか山根が、
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自分がやったってことにしたがってるんだよ……!!
自分も全く予想していなかった、山根の偽りのカミングアウト。
一体何のつもりでそんなことをしたのでしょうか?
山根と三宅が共謀して送った、と言うわけではありません。
そもそも山根と三宅はほとんど会話を交わしたこともないほど、仲がいい悪いと言うレベルですらない、関わり合いがほとんどない関係でした。
と言う事は山根が三宅をかばいたかった、と言う線もないでしょう。
では、自分の手柄にしたかった、とでもいうのでしょうか。
序列を送ると言う事を自分の手柄にしたところで、悪評が広まるだけにも思えますが……
そこで、こんな考えがよぎります。
「あのこと」。
その本当の内容を、知られたくなかったから……?
クラスの話題は序列のことに関してもちきりでした。
その事を持ち出せば、確かに本当の「あのこと」の内容を知らせないままごまかすことができたかもしれません。
とはいえ、序列を送った犯人になってまで隠したいことなどあるのでしょうか?
その事に対して、山根ははっきりと言いました。
あるんだよ。
こんな嘘、ばれるかもなとは思ってた。
だからまあ、今日にして正解?
うん、よかったな。
誰にも言わずに済ませたかったけど、そうもいかないか。
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これが、僕の秘密だ。
そう言って山根は、誰も予想しなかったものを取り出し、教卓の上に置いたのでした!!




と言うわけで、序列に関しての掘り下げが行われることになる今巻。
このエピソードで、序列を送った犯人が明かされ、そして山根に関しての秘密も足掻かれることになりました。
そしてその後、さらに本作の最大の謎の一つであった、この序列そのものがなんなのか、と言う謎が明かされることになるのです!!
一体その序列は誰がどのようにして作ったものなのか。
三宅が送ったのは間違いなさそうですが、彼一人で作れるものなのでしょうか。
姫山椿の自殺に関係していないはずがないであろうと誰もが思うその序列。
今巻で明かされる驚きの真相は、読者だけでなく、2-Dの生徒たちにも大きな大きな衝撃を与えることとなるのです!!

序列の真相編とでもいうべきシリーズとなったエピソードが収録されたこの巻は、一つの転機となりそうです。
今まで本作の中心軸となっていた「序列」。
その真実は、その軸をずらし、次からの遺書公開をがらりと違う色に染めそうです。
一体この後物語はどうなっていくのか?
姫山椿の自殺の真相を探るだけでは済まないであろう、今後の展開からますます目が離せなくなりそうですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!