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今回紹介いたしますのはこちら。

「ダークギャザリング」第1巻 近藤憲一先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。



近藤先生は13年にジャンプスクエアの新人賞で準入選を果たし、デビューした漫画家さんです。
その後星野桂先生のアシスタントなどを経て、小説のコミカライズ、「チア男子!!-GO BREAKERS-」で連載デビューを果たしました。
そして19年、本作にていよいよ原作付きではない、オリジナル作品で連載、単行本刊行に!
気になるその内容はと言いますと……?



幻燈河螢多朗は、新入生代表として、大勢が見守る入学式で壇上に立ち、挨拶をしていました。
新入生代表と言う事は、入試で1位を獲得したと言う事。
一流の大学に見事首席で入学した彼ですが、彼は常々こう思っていました。
まともな人間になりたい、と。

螢多朗は、写真を取ると間違いなくその写真が心霊写真になってしまう……
そんな、強烈な霊媒体質です。
そんな体質もあって中学時代に霊障を受けてしまった螢多朗ですが、その際友人を巻き込んでしまい、その後引きこもっていた時期もありました。
ですが、幼馴染の寶月詠子をはじめとした周囲の人々も応援もあって、去年から社会復帰に向けて奮闘。
同学年に追いついて見せたのでした。

そしてその社会復帰の一環として、詠子の紹介してくれたアルバイトも始めることになった螢多朗。
それは家庭教師のアルバイトだったのですが、なんでも螢多朗が教える生徒は「天才児」だと言うのです。
そんな天才児が、なぜか螢多朗を指名してきたとのことで……
疑問はありますが、とにかく行ってみないことには始まりません。
紹介されたその場所に行ってみると、大きなおうちが聳え立っております。
そこで出迎えてくれたのは……詠子でした。
この家、正真正銘詠子の自宅です。
詠子は確か一人っ子のはず。
彼女の紹介のバイトですが、手違いでもあったのでしょうか?
詳しく詠子に聞いてみますと、去年から一緒に暮らしている従姉妹がいるのだとか。
詠子の呼びかけでその子が姿を現すのですが……
瞬間、螢多朗の顔は真っ青に青ざめてしまうのです!
詠子、君は何と暮らしてるんだ?
螢多朗が震えながらそう言った、その少女は……
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寶月夜宵。
一見すると小柄な少女ですが……その目には、瞳孔が二つずつあるような……
そして夜宵は、螢多朗の右手を指してこう言うのです。
右手、ごっついのついてるね。
……右手についている「もの」。
それが、夜宵には見えているようです。
そして……螢多朗が彼女に恐怖を感じる理由は、彼女が握りしめているぬいぐるみにあるようです。
そのぬいぐるみからは、筆舌に尽くしがたい「いやな感じ」が漂っていて……!!
夜宵は、螢多朗をまっすぐ見つめながら言うのです。
ごめんね、おイタして。
息の根止めとくから。

謎の多すぎる夜宵ですが、自己紹介が終わった後すぐにこんなことを言いだします。
心霊スポット行こうぜ!と。
なんでも螢多朗はすごく「モテそう」なんだそうですが……
それがよくわかっている螢多朗からしても、心霊スポットになって絶対に行きたくはないわけです。
が、なぜか詠子もノリノリ!
強引に車に乗せられ、三人は心霊スポットに向かうことになってしまうのでした!!

たどり着いた先は、そっち方面では有名な電話ボックスでした。
当然そっち方面に詳しくなりたくもない螢多朗は知らないし聞きたくないのですが、詠子は構わず説明を始めました。
とある女性がこの電話ボックスで、ストーカーに殺されてしまった。
殺された女性は自分だけ不幸なのは許せないと現世を呪い、この電話ボックスに入った人物と電話をかけた人物に自分と同じ体験をさせる……
そんな恐ろしい話を聞いた夜宵、一瞬の迷いもなく電話ボックスの中に入っていきます!!
すぐにそこから助け出す螢多朗ですが、夜宵はけろりとした表情で見えなかった、とひとこと。
単なるうわさ話にすぎないのかと落胆するのですが、螢多朗は電話ボックスから嘘や噂では済まない嫌な感覚をひしひしと感じていて……!!
夜宵は、自分は出ると言う場所に来ても三回に一回しか会えない、と残念そう。
その考え方にぞっとするしかない螢多朗ですが、夜宵はそれならば、と下調べ済みの電話番号に電話をかけようとするのです!
それはこの電話ボックスの電話番号。
自ら進んで呪われようとする夜宵から電話をひったくる螢多朗ですが、それなら私が掛けると詠子まで言い出しまして……
やむなく自分が電話をすることに。
恐る恐る電話をかけますと……
いつの間にか電話ボックスの内の電話の受話器が外れていて……
その中から、声が聞こえるのです。
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早く、来て。
そしてガラスに、血染めの手と顔が浮かび上がり……!!
恐怖する螢多朗ですが、そこで夜宵がノータイムで電話ボックスの扉を開けました!!
そしてずっと握りしめていたぬいぐるみを中に放り込んで扉を閉めると、
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電話ボックス内で何かが始め飛び、血のような液体で真っ赤に染まって……!!
あまりの出来事に、一同はすぐさまその場を退散するのでした。

夜宵は何故自ら例に会いに行くような真似をするのでしょうか。
それは、彼女が寝た後に詠子が教えてくれました。
今から一年半前、夜宵は「普通の景色」と「暗い景色」が同時に見える症状に悩まされていました。
ですがやさしい両親の存在もあり、それでも楽しい毎日を送っていたのです。
そんなある日、三人の乗った車が大事故に巻き込まれてしまいます。
結果として両親はなくなり……そして事故の後遺症なのか、夜宵に見えていた二つの景色が一つに重なって見えるようになったのです。
……そして、その目で夜宵は見たのです。
事故に遭った直後……
亡くなったママが、
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連れて行かれたのを……
パパの魂はそれから、ずっと自分の墓の上で座っています。
そんなパパに、夜宵は誓ったのです。
必ずママを連れてくるから、と。

夜宵は……ママの魂を連れ去った霊を探しているのです。
噂があるところに行って、ママを連れて言った霊かどうかを確かめる。
その効率をよくするためにも、強い霊媒体質の螢多朗の力を借りようとことのようです。
事情を聞いた螢多朗は……自分が自分の体質のせいでひとりぼっちだったことを思い出し、夜宵に協力したいと言う気持ちがわき始めて……

ですが、そんな気持ちはすぐふっとんでしまうことになります。
翌日、自宅に詠子と夜宵が来るまでやって来て、螢多朗を誘いました。
デートいこ、螢多朗。
……もちろんそれは、心霊スポットへの誘い。
昨日の決意もありますから、お断りすることもできず……
螢多朗と夜宵、そして詠子の戦いはこうして幕を開けたのです。
夜宵の追っている玲を見つけるための。
そして、螢多朗の探し求めるものを見つけるための……!



と言うわけで、霊を探し集め、ママの魂を取り戻すための戦いを描いていく本作。
そんな夜宵の目的とともに物語の軸となるのは、螢多朗の右手を侵す霊障を巡る物語です。
その右手がどんなことになっているのかは第2話で明かされ、そして話の中で出てきた霊障にまきこまれた友人の存在もまた物語に大きく関わりがあることもわかります。
夜宵の戦いと、螢多朗の戦い。
彼女達の抱える大きな大きな闇とともに、それが描かれていくのです!!

霊とのバトルを描く作品はそれほど珍しくありませんが、それらのほとんどは法力やら魔力やら、力のこもった道具やらを使った霊能力バトルです。
本作もそう言った超自然的な力で戦うのは間違いないのですが、普通の霊能力バトルではない仕組みになっているのが面白いところです。
神主さんなんかも出ては来るのですが、夜宵の考え出した例への対抗手段は、神への祈りだとか超能力だとか、神への祈りだとかではありません。
それが何かと言うのは今巻のうちでしっかり明かされます!
例の齎す恐怖描写も勿論しっかりしておりますが、その例への対抗手段もまた本作の恐怖、そして禍々しさを一層増加させていまして。
単なる霊能バトルではない本作、物語に独自の設定に、闇深いキャラクターにと、様々な要素が詰め込まれている充実の内容となっているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!