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今回紹介いたしますのはこちら。

「忍ぶな!チヨちゃん」第3巻 設楽清人先生 

エンターブレインさんのハルタコミックスより刊行です。


さて、いまだ忍び癖は完全に取れてはいないものの、それでもワタルとちゃんとした「友達」になることはできたチヨちゃん。
ですが学校には恋のライバルがたくさんいますし、妹のサヨ代もチヨちゃんをかつての冷徹な忍びに戻さんとあれこれ手を出してきますし、さらに実力では絶対に勝つことのできない父も何やら動きを見せています。
障害の多すぎるこの恋路、果たしてどうなってしまうのでしょうか!?



チヨちゃんの処遇を一任されているサヨ代。
ですが忍びとして腑抜けてしまってはいても、その才能はぴか一のチヨちゃんを腕づくで説得することは難しく、いまだにその成果はゼロと言っていい状態です。
そんな状態に苛立ち始めているのか、父はサヨ代にこう尋ねていました。
ずいぶん手こずっているようだが、あれが必要か?と。
……「あれ」、とはなんなのか。
 サヨ代は、「あれ」を使えばチヨちゃんを確実にコントロールできることがわかっているのですが、家族に使用するのは残酷すぎる、とためらっているようです。
忍びとしての実力も、いざという時の非情さも兼ね備えている父からすれば、使用も辞さないのでしょうが……
サヨ代は、なんとか自分の力でチヨちゃんを忍びの道へ連れ戻して見せる、と父に改めて誓うのです。

しばらくぶりにチヨちゃんとワタルの様子を見にやって来たサヨ代。
二人はお互いに向き合っていますが、チヨちゃんは顔を真っ赤にしてうつむいています。
どうやらまだ進展していないようだ、これならまだ容易にチヨちゃんを忍びへと連れ戻せる。
そうほくそ笑むサヨ代なのですが、その直後、彼女は自分の耳を疑うこんな会話を聞いてしまうのです!
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「付き合ってくれないか?」「うん、もちろん」、と言う……!!
あまりに予想外すぎる言葉に、びっくりしてしまうサヨ代。
言えとは逆方向に歩いていく二人を見送りながら、まさかこのまま初デートコースか、と呆然とするばかり。
ですがこのまま二人の距離がどんどん縮まれば、一層忍びの道へ連れ戻すことは難しくなり……
やがてチヨちゃんは、「あれ」の餌食となってしまう事でしょう。
それだけは防がなくては……!!

サヨ代は側近の銀を使い、妨害工作をすることにします。
まずはこのままデートに行かせない為に、近くをバイク(に変化した銀)で疾走し、泥水を跳ね上げて服を汚し、デートに行かせない作戦に出ます。
ですがそこは流石のチヨちゃん、一瞬でその泥水のは値上げを見切り、自らの身を挺してワタルをガード!
チヨちゃん自身は汚れてしまうものの、そこはいつも何があるかわからない忍びの世界で生きてきたチヨちゃん、何枚も重ね着していた為、一枚脱げばへっちゃらなのです。
余計絆を深めてしまった気がする、と失敗を認めたサヨ代、今度は非常に高度な技である雷鳴の術を使用。
それは雷を落とす……までは行かせず、雨雲を呼んで雨を降らす程度に効果を落としたものです。大雨今までは改正で雨雲持っていないし、さすがに帰らざるを得ないだろう、とほくそ笑んだサヨ代ですが、チヨちゃんはマンホールに鉄棒を突き刺したパワフルな即席傘を作り出して難なく回避。
期せずして相合傘となり、なんだかサヨ代が恋のキューピッドのようになってしまう始末です。
怒りのサヨ代は雷鳴の術の出力を上げ、嵐のような大風も吹かせ始めました。
これはいくらなんでもどうにもできません。
ワタルの方から、今日はもうあきらめないかと言いかけたのですがチヨちゃんはこう答えるのです。
すまない、今日じゃなきゃダメなんだ、と!
なんでしょう、いつものチヨちゃんならいくらなんでもそろそろ引き下がるはず。
初デートだから張り切っているのか、いい加減あきらめて帰ってきて……
雷鳴の術は「気」を大量に使用するため、長い間使うと体が激しく消耗してしまいます。
そんなサヨ代を心配した銀が、これ以上はお体が、と心配の声をかけるものの、サヨ代はだったらお前も手伝え、と半切れで怒鳴りつけるのです!
術による消耗と、銀を怒鳴ったことによって気がそれたのでしょうか。
強風で舞い上げられてしまったチヨちゃんの傘……マンホールのふたが、自分の頭に飛んでくるのをサヨ代は気づくことができませんでした。
思い切りこめかみにマンホールを食らって、気絶してしまうサヨ代。
すると天候は見る間に回復しまして……
二人はそのまま、目的地は向かって行ってしまうのでした。

結局チヨちゃんを見失ってしまったサヨ代。
一人自分の部屋で、このままだと父上は「あれ」を強行してしまう、私がいくら頑張ってもどうにもならない、とうつむきながら悩んでいます。
今日見ていてよくわかった、肝心の姉様の頭の中にはワタルしかいない。
どうでもいいんだ、家の未来も、私のことも。
もう、諦めるべきなのかもしれない……
そんなことを考えていますと、部屋にそのチヨちゃんが入ってきました。
明らかに機嫌の悪いサヨ代に、どうしたと尋ねてくるチヨちゃん。
色々あって疲れただけですわとめんどくさそうに返答しますと、その「色々」を全く知らないチヨちゃんは心配そうに大丈夫か、と声をかけてくれるのです。
そんなチヨちゃんに苛立ちながら要件はなんなのかを聞くサヨ代。
するとチヨちゃんは、綺麗に包装された、スズメのキーホルダーを渡してくるではありませんか。
チヨちゃんは照れながらこう言います。
自信が無かったから、友達にも選ぶのを手伝ってもらったんだ。
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15歳、誕生日おめでとう。
……ワタルは「友達」で、チヨちゃんが今日にこだわったのも、並ならぬガッツを見せたのも、すべて自分の為……!?
チヨちゃんはひとしきりハッピーバスデーの歌を歌った後、疲れているところ悪かったな、と立ち去ろうとします。
流石のサヨ代も、素直にありがとうございますとお礼を言いまして、まさか誕生日を憶えていてくれたなんて、と恥ずかしそうに言うのですが……
チヨちゃんは、自然な笑顔で言いました。
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当たり前だろ、だって家族じゃないか。

サヨ代は一つため息をつき……そして、決意するのです。
あきらめがついたと思ったのに、これじゃほっとくわけにはいかないじゃないですの。
待ってて下さい姉様、必ず忍びの道へ連れ戻して見せますから。
父上に「あれ」は使わせない。
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守って見せる。




と言うわけで、にわかにチヨちゃんの周りが騒がしくなってくる今巻。
チヨちゃんの最近の行動をよく思っていなかった父ですが、どうやら相当ひどい強硬手段を考えているようです。
なんだかんだチヨちゃんのことが好きなサヨ代は、その非道を防ぐためにも、チヨちゃんにワタルをあきらめさせ、忍びの道へ連れ戻そうとするのです。
ですが今までのように、強引に引き離そうとしても結果は同じでしょう。
そこでサヨ代は……チヨちゃんの周りに現れたある人物を利用して、全く別の方法でチヨちゃんを忍びの道へと戻そうと動き出して……!!

そんなチヨちゃんを巡る攻防が物語の軸となり始めたわけですが、この後もそのストーリーがメインに据えられ、特に今巻の後半からはとんでもない展開が連続します。
サヨ代の決行した作戦は予想外の展開へと向かっていきますし、そのあとに巻き起こる展開もまた本作の今までとはがらりと違うものに!!
目の離せない、怒涛の展開が待っているのです!!

そして前半ではその展開へと続くための、あるいはチヨちゃんが忍びの道から離れ、変わっていくための物語が描かれます。
チヨちゃんの忍びっぷりがどう変わっていくのかと、そして後半の展開に大きくかかわる人物の心境と行動が描かれまして、様々な部分で見どころ満天!!
今まで通りのチヨちゃんのずれた部分を描くギャグも織り交ぜながら描かれていくそれらにも大注目必死ですよ!!



今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!