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今回紹介いたしますのはこちら。

「レキヨミ」第1巻 柴田康平先生 

エンターブレインさんのハルタコミックスより刊行です。



柴田先生は16年にハルタの漫画賞で最終選考にのこり、同年に同誌でデビューした漫画家さんです。
その後幾度かの読み切りの発表を経て、18年より本作の連載を開始。
めでたく単行本刊行となりました。

そんな柴田先生初連載作となる本作、なんだかかわいいキャラクターたちのギャグ漫画となっています。
かわいいキャラが微笑ましい日常を送るコメディと言うのは珍しくありませんが、本作はちょっとそう言った類の作品とは違うようで……?



ここは街にある雑貨屋、シャグの店。
シャグが一人で切り盛りしているこのお店に、顔見知りの客が一人やって来ました。
レキです。
シャグ姐さん、お菓子ちょうだい。
そう言ってやってきた彼女は、がま口を抱えて店先に並んでいるお菓子の吟味を始めました。
お菓子を眺めながら、レキは自慢げに語ります。
じつは妹には内緒できたの、びっくりさせようと思って。
いわゆるサプライズと言うやつでしょうか。
妹想いなんだねえ、とシャグがレキを褒めるのですが、レキはその自慢げな表情のままこう言ったではありませんか。
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まぁコレ、妹の財布なんだけどね。
妹のヨミと二人暮らしだから、姉の私が頑張らないと。
……なんだかいろいろと間違っているような気がします。
え、ちょっと待って、いいのかそれ、とシャグが戸惑いの声を上げるものの、レキはまったく気にしません。
よし、アメにしましょ、二人で仲良く食べられるわ。
シャグの言葉などまるで無視して、レキはアメを買って帰るのです。
ヨミも大変だな、変わった姉を持つと。
シャグは歴の背中を見送りながら、そう呟くことしかできないのでした。

シャグとヨミの家は、町から外れた森の中にあります。
レキは軽やかな足取りで自宅に戻り、ただいまと玄関のドアを開けました。
するとそこには、妹のヨミが……本の山の中であわただしくいろいろと引っ掻き回しております。
何してるの、とレキが声をかけますと、黄泉はその獣耳をピクンと震わせ、バッとレミの方を振り返ります。
レキ、わたしの財布知らない?
慌てた表情でそう聞いてくるヨミ。
彼女のその表情を見つめながら、レキは雨を口に運び、あー、うまーい、とつぶやきます。
そして、イライラすると幸せが逃げるわよ、アメでも食べたら、とアメの袋を読みへと差し出しました。
……何かを感じたのでしょう、黄泉は真っ先に尋ねます。
それ、どこで買ったの?と。
レキは何も答えず、アメを口の中で転がしながら、うまーい、とつぶやくばかり。
そんな様子を見たヨミは
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レキの腹へボディブロー一閃!!
あまりの衝撃でレキは口からアメを吐き出し、ついでに体から魂を出してしまいます。
暴力を振るうなんてひどいわ、と言うレキの魂に、勝手に財布盗ったのが悪いんでしょ、と返しながらレキの亡骸をまさぐるヨミ。
財布はすぐに見つかりましたが、肝心の中身は見つかりません。
飴を買ってすっからかんになってしまったようです……
怒りに任せて財布をレキの頭にたたきつけるヨミ!!
レキはその衝撃で、魂からさらに魂が抜けるダメージを負うのでした。

使ってしまったものはもう戻ってはきません。
せめて肉でも買ってきてくれればよかったのにと漏らしていたヨミですが、とりあえず雨で飢えを満たす事にしたようです。
アメの味自体は上々で、その数はみるみると減っていきました。
美味しいでしょ、ヨミが好きかなと思って、と本当か嘘かわからないレキの言葉に、ごまかせたつもりかと突っ込んだりしているうちに、気が付けばアメは残り一つになっていました。
もう残り一個か、とその最後の一つに手を伸ばすヨミなのですが、それをレキがすっと掠め取ります。
本当にいいの?
レキはそう言ってアメを食べようとします。
最後の一個食べなよ、と言う言葉を勝手に予想して食べようとしたのでしょう、そうは問屋が卸しません!
わたしのお金で買ったんでしょ、と当然の権利を主張するヨミですが、レキはそこで理屈をこねくり回し始めました。
けど私が買ってきたのよね、ヨミのお金だけではアメはこの場にないの、食べられるのは私が買いに出かけたからよね?
お金を貯めたヨミの方が偉い?それとも買ってきた私の方が偉い?
いいえ、どちらも立場は同じなのよ。
となるとこのアメがふさわしいのは?
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姉の私。
そう言って、容赦なくアメを口に放り込むのです!!
怒り狂うヨミに、ちゃんとおいしさを共有してあげる、とひときわ大きな「うまーい」を発声するレキ。
その声は、流血するほどの勢いでヨミの額に直撃し……
とうとう、ヨミに最後の一手を打たせる後押しをしてしまうのです。
こんなこともあろうかと、用意しておいてよかったわ。
第2の財布を。
そっと取り出された、「2」と記されたがま口。
それを胸に抱き、ちらちらとレキを見ながらヨミは敢えて聞こえるように独り言を言うのです。
何を買おうかな、一人でアイスでも買おうかな。
……思いがけない反撃を受けてしまったレキですが、そこでおもむろに自分の口の中に手を突っ込み、ぐちゅぐちゅと音を立てながら
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アメを取り出したではありませんか!
サプラーイズ。
わたしは半分舐めたから、残り半分はヨミにあげるわ。
最初からそのつもりだったし。
そう言って、嫌がるヨミの口に強引にアメをねじ込んできて……!!
汚ェ!
ヨミの口から魂の叫びは、吐血するほどの勢いでレキの額を直撃するのでした……



と言うわけで、レキとヨミの姉妹の日常を描いていく本作。
しっかり者の常識人ながら、人が苦手で引きこもり気味のヨミ。
ちょっと……どころではない変わり者で、何かと魂を飛び出させるレキ。
そんな二人の元に巻き起こってしまう些細なトラブルを描いていくのです。
紹介した最初のエピソードでも何となくお分かりかと思いますが、本作はヨゴレ上等のギャグがメイン。
出すのは魂だけでは飽き足らず、口から吐き出すアレはもちろん、鳥のものではありますがお尻から出るアレを浴びたり、逆に突っ込まれたり(!)ともうものすごいことになってしまいます!!
キュートなキャラにシュールさと勢いを兼ね備え、ヨゴレも辞さないストロングスタイルのギャグ。
主に被害に遭うヨミの苦労は絶えず、読者は気の毒に思いながらも思わず笑ってしまう事うけあいなのです!

さらに話が進むにつれ、ヨミとレキととは直接かかわらないものの、間接的にちょっとだけ関わるあるキャラも登場。
そのキャラクターは二人とはまた違うトラブル体質である彼女の活躍(?)も見逃せませんよ!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!