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今回紹介いたしますのはこちら。

「双亡亭壊すべし」第13巻 藤田和日郎先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。



さて、紅を救うために坂巻泥努の元へ急ぐ務達。
ですが双亡亭に住まう侵略者たちの妨害も、双亡亭の中枢に近づくにつれて激しくなっていき……


青一は双亡亭に取り込まれた菊代と戦っていました。
菊代は、青一用の武器だと言う巨大な包丁のようなものをけしかけ、青一に襲い掛かります。
巨大な包丁は一人で荷動き、青一を攻め立てるのですが……青一はなぜかその包丁に見覚えがあるようです。
なんだったか、どこで見たのか。
そんなことを考えていると、包丁の背のあたりに人型が現れました。
それは青一に、元気だな、と声をかけてきます。
考えを巡らせていると、すぐに青一はその人型が誰かを思い出したのです!!
かつてあの星で、侵略者たちを一緒に迎え討った仲間、太一!
勝田のなかまが生きていたことを喜び、青一は笑顔で駆け寄ろうとするのですが……
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太一は、青一の体を容赦なく切り裂きました!!
馬鹿だなぁ青一は、あの時僕は死んだんだ、生きてるわけないだろう?
そう、太一はもう死んでいるのです。
今ここにこうしている太一は、侵略者に入りこまれ、意のままに動かされている人形にすぎない、兵器も同然の存在!!
ですが心ぴゃさしい少年の青一は、太一がもう昔の太一ではないとわかっていても攻撃することができず……
そんな青一に、太一の記憶をしっかりと受け継いでいるそれは、こう問いかけたのです。
あれ、青一、お前ひとりだけじゃないよな。
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真琴は、どこにいるんだよ?
その頃、残りの三人は屋敷の中に入りこんでいました。
禄朗はこの屋敷の中に迷い込んでいたらしい少年や少女達と出会い、彼らを安全なところに逃がそうとしていて、務と帰黒はそんな青一の元へ向かおうとしていたのですが……
そこで、務は帰黒が子供のころから持っていたと言う不思議な物体が何かに気が付き、その正体を話していました。
帰黒がやって来た時代は大正時代。
子供のころ、記憶も身よりもない状態だった彼女は、新興宗教の教祖に拾われて成長したのですが、その拾われたころから持っていたものをお守り代わりに今も身に着けていたのです。
肝心のそれは、プラスチックか何かと思われる、「]」状の物体。
大正時代の日本にプラスチック状の物があることがまず不自然な気がしますが……その正体に気が付いた時、その物体が一層不自然であることがわかりました。
それは、
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旅客機の座席についている、簡易テーブルを押さえるための部品。
何故そんなものを帰黒が持っていたと言うのでしょうか?
どう考えても、不自然です。
まるで帰黒が、未来からやって来た、かのようではありませんか……!!

ちょうどその頃、録朗も助けた少年少女達との会話で、彼らが違う時代から来たものだと言う事を知ります。
そしてその時代と言うのは、1972年……なんと青一たちと一緒に飛行機に乗っていた少年少女だと言うではありませんか!!
青一を知っていると言う彼ら、さらにこう言います。
青一にはいつも彼の背中に隠れているような、小さな少女がいた。
彼女の名前は、真琴ちゃんだ、と。

空を飛ぶ飛行機の中の部品。
それを知った帰黒は、連鎖的に記憶を思い出していきます。
破壊されていく旅客機。
入ってくる侵入者に立ち向かう、青一。
そしてその青一の戦う姿を見て、幼かった彼女が思ったこと……
お兄ちゃんは戦ってる、でもこのままじゃ飛行機がちぎれてお外に二人とも……
だったら、
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真琴がお兄ちゃんを助ける!!



と言うわけで、帰黒の正体が明かされた今巻。
帰黒の持っていた数々の不可思議な能力も、これで他の超能力者たちの物とは違う、青一に近いものである事がわかりました。
記憶を取り戻した帰黒、彼女は自分が青一の妹であると言う事を知った、と言う異常の収穫があったようです。
それは、自分も青一と同じ、「力」を使えると言う事がわかったこと!
ここに来て、一同に更なる力が加わるのは心強いものです!

ですが本作の見どころはここだけに終わりません。
孤立した形になっている禄朗に降り注ぐことになる窮地。
そこで禄朗の中に秘められていた真実も明らかに!!
帰黒と禄朗の意外すぎるこの事実は、双亡亭との戦いに勢いづけてくれるものとなるでしょう!
だからと言って、泥努の黒い欲望がおさまるわけではありません。
侵略者と、泥努。
彼らの魔手を防ぐための戦いは、まだまだ続くのです……!!





今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!