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今回紹介いたしますのはこちら。

「無人島に何か一つ持ってくとしたら何持ってく?って話」第1巻 大塚志郎先生 

竹書房さんのバンブーコミックスより刊行です。


大塚先生は02年にスピリッツの新人賞を、03年にサンデーの新人賞を受賞した漫画家さんです。
デビュー後はサンデー系列で2作品連載、その後は四コマ誌や成年向け雑誌をメインに活躍されています。

そんな大塚先生の最新作となる本作、そのタイトル通り無人島生活を描く作品となっています。
ですが本作は無人島サバイバルものではお決まりの遭難してやむなくサバイバルを強いられる、と言う展開ではないのです。
気になるその内容はと言いますと……?



日給2万円。
特別ボーナスアリ、休憩は自分のタイミングで。
基本一人の仕事で対人関係はなく、面接、仕事は私服でOK。
住み込みの仕事ながら、いつでも家に帰っていい。
そんな夢のような条件のアルバイトを発見したフリーター、如是だりあ(24)、
だりあはすぐさまその求人に飛びつき、面接を受けました。
が、何故でしょう、面接中ついついうたたねをしてしまいまして……気が付くと、
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無人島に放り出されていたのです!
ぽかんと口を開け、あたりを見回すだりあ。
一向に何が起きているのか理解できない彼女でしたが、そんな彼女に事情を理解させてくれる紙が用意されていました。
そこにはこんなことが書いてあります。
無人島チャレンジへようこそ。
島にある者は何でも使ってOK、1日過ごす度2万円差し上げます。
……日給2万円のバイトと言うのは、このことなのでしょうか!?
その紙にはさらにこんなことが書いてありました。
リタイアした場合はその時点までの日給から救出費用を差し引いた分をお支払いいたします。
救出までには数時間かかる場合があるので緊急を要する場合は早めの決断をお願い致します。
救出費用は5万円ほど負担していただきますので、初日リタイアの場合はその全額お支払いをお願いします。
……こんなことやるわけないだろ、契約も無効だ、帰って訴訟してやる!!
目を吊り上げてそう叫ぶだりあでしたが、そこでもう一文、気になる文章を発見します。
無事島を脱出で着たら、1000面園のボーナスがある、と言う……!!
1000万円ならやる価値があるのではないか、いや、でも何もないところから無人島脱出なんてできるはずがない!
そう悩み苦しむだりあですが、実は一つだけ「希望の物」の持ち込みを許可する、とも書いてありました。
上着のポケットを探ってみると、
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携帯電話が入っていました。
思い起こせば面接の時、無人島に一つだけ持っていけるとしたら何を持っていきたいか、と言う質問をされたような。
そこでダリアは携帯電話、と答えた、と言うわけです!
が、こんな電気もない無人島にスマホがあったところでどうなるでしょう。
電波だって来ているかどうかわかりません!
スマホなんて持って来て難になるんだ、と後悔するだりあなのですが、そこに一通のメールが届きました。
外部と連絡を取って助けた場合はリタイアとみなします、それ以外はご自由にお使いください。
……そう言えば、ダリアは面接のときこう言っていた気がします。
衛星から電波を受信できるようなタイプで、かつ太陽電池内蔵の電力無制限の物にしてくれ、とものすごい注文をつけてしまいました。
そのリクエスト通りの使用になっているようで、どうやらネットは使えるし、太陽光の下ならば電池の心配はそれほどなさそうです。
この携帯電話で検索をすれば、無人島の脱出ができるのではないか?
ふつふつとだりあの中に欲が湧いてきます。
実家暮らしのフリーターだった自分が、日給2万とボーナス1000万を手にすることができるチャンスを手にした……!
ダリアは決意します。
挑戦しよう!と!!

ですが問題は山積みです。
まずはこの島の位置を調べようと携帯電話をいじるのですが、すこし操作しただけで残量が半分になってしまうではありませんか!
どうやら衛星を介してのデータのやり取りは、その超遠距離のせいもあって通信速度は遅く、電力の消耗も激しいようです。
これはとにかく、生命の危険を回避する方法を検索するのが得策。
まずは水、そして食糧、さらに寝場所を確保しなければなりません。
とにかく急務なのは水です。
人間が健康を維持するには1日当たり2リットルの水が必要です。
この無人島の熱さでは、その倍は必要でしょう。
とりあえずダリアは島を歩き、水のヒントをつかむことに。
海の水は飲むと逆に水分を失うことになってしまいますから、川の様なものを見つけるのが理想。
と入っても今の段階でいきなり鬱蒼と木々の生い茂る森に入る勇気はありません。
実際先ほど簡単に調べた結果、ここは沖縄近くの島のようで、ともすればハブのような毒をもつ生物が潜んでいるかもしれないのです。
30分、水分を失いながら歩いて見つけたのは……砂浜に無数に落ちているゴミ、ゴミ、ゴミ。
綺麗な砂浜が台無しだ、と落胆するダリアですが、やがて断崖にぶちあたり、川は見つからないまま砂浜が終わってしまうのです。
このままではすぐ熱中症になってしまうでしょう。
やむなくだりあは、いったん体を冷やすために携帯電話を使用。
木陰の砂を20センチほど掘り、太陽に炙られていない土のひんやりとした冷気を浴びて、体温を下げることができたのでした。

続けて水の確保です。
検索して出てきたのは、こんな方法です。
まず砂浜のゴミからビニール袋をたくさん見つけ、海水でよく洗います。
その袋にそのあたりの草を毟って放り込み、口を縛って炎天下に放置するのです。
すると草から蒸発した水分が袋の底に溜まりますので、それを拾ったペットボトルに入れますと……
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少量、それも濁っていますが、水を手に入れることができたのでした!!
意を決してその水を口にするだりあ。
生ぬるく、しょっぱいし、青臭い……でもその水は、だりあの体を確実に癒してくれたのでした!!

街にいれば、水道をひねればきれいな水が簡単に手に入ります。
ですがこの無人島では、こんなまずい水ですら苦労に苦労を重ねて、ようやく少しだけでに入る……
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だりあは、無人島チャレンジの厳しさをその身をもって知ることとなるのでした。
……が。
携帯電話で調べた知識で、何とかなるかもしれないと言う手ごたえも手に入れます!
行ける、行けるぞ私!
脱出すれば1000万だ、がんばるぞ!!
こうしてだりあの無人島生活は幕を開けたのでした……!!



と言うわけで、遭難ではないどころか、ぶっちゃけ私利私欲の無人島生活が行われる本作。
だりあは携帯電話で無人島で生き抜くための知恵を探り、それを頼りに奮闘していくことになります。
ですがやはり知識だけあってもなかなか万事無事に進むわけではありません。
この水を手に入れる方法も、もしかするとむしりとった草が毒草であることもあり得るわけで、緊急時以外はできるだけ避けるべき方法です。
勿論他に水を得る方法もあるのですが、それを検索するのも一苦労。
なにせ電池の消耗が激しく、検索できる時間は限られています。
それに太陽電池ですから、夜間はまったく充電不可能。
スマホで検索できる時間は相当貴重なのです!
そしてこの後も無人島で暮らすための必須項目を満たすためにだりあの戦いは続きます。
水とともに最重要なのはまず食糧。
そして火と寝床です!
水とともにそれらを手に入れる方法は一つではありませんが、簡単な方法と言うのはないもの。
果たしてだりあは無人島で安心して暮らす体勢を整えることができるのでしょうか?
そして最大の目的である、「脱出」はなるのでしょうか!?
さらに今巻のラストでは予想外の展開が待っていて……

女性キャラの無人島サバイバルと言えば、アニメ化も決まった「ソウナンですか?」が有名なところ。
そちらと比べると、だりあがそもそも素人なだけに、やっていることは地味なのですが、だからこそのリアリティとが感じられます!
サバイバルの達人擁する「ソウナンですか?」と、探り探りゆっくり足場を固めて行く本作、題材は近いながらも違った味わいのある作品になっているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!