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今回紹介いたしますのはこちら。

「SPY×FAMILY」第1巻 遠藤達哉先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


遠藤先生は00年にジャンプの漫画賞を受賞し、デビューした漫画家さんです。
週刊少年ジャンプでは読み切りの発表の身にとどまりましたが、ジャンプスクエアの雑誌立ち上げと同時に「TISTA」を初連載。
その後も同誌を主戦場に連載や読み切りを発表されてきました。

そんな遠藤先生がジャンプ+に活躍の場を移して連載を開始したのが本作です。
そのタイトルから推測できるように、スパイと家族をテーマにした作品になるのですが……?


「黄昏」の異名を持つ超腕利きのスパイ。
様々な顔を使い分け、ありとあらゆるミッションを成功させてきた彼は、その日も困難なミッションを成功させてきました。
ターゲットの情報を得るため、その娘と結婚を前提としたお付き合いをしていた彼ですが、仕事が終わったとなればすぐにその娘はお役御免。
さっさと別れてしまうのです。
スパイになったその日から、彼は身分証とともに結婚をはじめとした人並みの幸せを放棄しています。
そしてその決意は今までと同然に、これからも揺らぐことはない、と思われたのですが……
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結婚して子供をこさえろ。
それが彼に課された次のミッションでした。
次なるターゲットは、何やら平和を脅かすよからぬ企みをしているドノバンと言う男。
ドノバンのその企みをいち早く察知白と言うしごとなのですが……ドノバンは非常に用心深く、接触することすら難しいほど表舞台にその姿を現しません。
そんなドノバンが唯一確実にその姿を見せるのが、息子の通う名門校で開かれる懇親会。
財政界の社交場にもなっているそこには、ドノバンも出席せざるを得ないと言うわけです。
そんなミッションですが、どうやらかなり期限が差し迫っているようで。
学校に潜入するまでのタイムリミットは、なんと一週間だと言うのです!!

ロイド・フォージャー、精神科医。
それが今度の彼の用意した顔です。
家族で済むための家をさっそく借り、次はさっそく子供を作りに向かいました。
たどり着いた先は、酔いどれ親父が経営しているらしい孤児院。
子供の扱いも適当で、金目当てのいい加減な施設のようです。
ですがこう言う施設の方が、子供の今までの経歴などの扱いもぞんざいな筈で、急がなければならないながらもできる限り痕跡を残したくないロイドにとっては好都合。
頭のいい読み書きのできる子がいい、と言うロイドのリクエストに、酔いどれ親父が答えたのはアーニャと言う小さな少女でした。
アーニャを見た瞬間、ロイドはその年のころ4~5歳であろうとあたりをつけました。
潜入するイーデン校は、確か6歳からしか入学できないはず。
別の子をお願いしようかと言うそのタイミングで、アーニャは「むっつ!」と答えました。
身長が低すぎる、と言おうとすると、アーニャは精一杯背伸び。
そしてさらにクロスワードを持って来てロイドの前でひろげ、ロイドのようなあらゆる知識に精通している者ならまだしも、普通のなら大人でも難しいそれをすらすらと埋めて見せるではありませんか!
ここまでできれば、おそらく入学試験も問題ないでしょう。
ロイドはアーニャを早速おうちに引き取るのでした。

……が、アーニャはすごく頭の良い子、と言うのは間違っていました。
実はアーニャ……
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超能力者だったのです!!
周りの人の施行を読むことのできる彼女は、ロイドの考えを呼んで年を偽り、身長を大きく見せ、問題を前に広げられるとつい頭の中で考えてしまう人間の習性の様なものを利用してクロスワードを「埋めて」見せたと言うわけです!!
そんな彼女はなぜそこまでしてロイドに引き取られたかったのでしょうか?
それは……彼女が冒険アニメ「スパイ大戦争」の大ファンだから!!
スパイ、ミッション。
そんなロイドの思考を読み取り、スパイの世界に飛び込もうとしたのでした!!

その後、必要なものをそろえようと、家にアーニャを置いて出かけようとしたロイド。
ですがアーニャはどうしてもついてくると言ってきかず……自然な親子を演じられるようになるのも大事なことだと思いなおし、一緒に出掛けることにしたのです。
ですがアーニャの取る様々な行動のほとんどが、ロイドには理解できないもの。
子供らしい行動はもちろんですが、ロイドの考えを読んで、思いがけない行動を起こす彼女の突飛なあれこれは本当に理解が及ばないのです。
それでも一度は引き取ってしまいましたし、違う子にしようかと考えただけで先回りして大泣きされてしまいますし、そもそも子供をとっかえひっかえしていたら怪しまれるでしょうし……
ロイドは育児書を大量に買い込み、何とか彼女を理解しようとするのです。
……育児書にはこんなことが書いてありました。
「将来のために自尊心を育てよう」。
将来……
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ばかばかしい、どうせ任務が終わったら孤児院へ戻す、それだけの関係だ。
すやすやと寝息を立てているアーニャの横で、ロイドはそんなことを考えるのでした。


ロイドは何とかアーニャを家に置いて、仕事仲間の情報屋に接触。
そして、アーニャの過去の情報を手にしました。
アーニャは何度も里子に出されては戻されていて、施設の方も何度関わっているのだとか。
コロコロ名前を変えて、お似合いの親子じゃないか、とからかわれるロイドなのですが……その生い立ちを聞いて、何か感じるものがある、野でしょうか……?

そんなころ、暇を持て余していたアーニャは、ロイドの施行から読み取っていた暗証番号を使って、スパイ道具の入った金庫を開けていました!
そして、あろうことか通信機の電源を入れ、なんかすごい通信を発信してしまうのです!
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黄昏参上、鬼さんこちら……
その通信は、敵国に当然傍受されていまして、しかも先日の仕事でまんまとだました敵国の大物の耳に入ってしまっていたのです!!
周波数から見ても本物の可能性が高い。
そんな話を聞くと、その大物は発信源を特定し……黄昏許すまじ、とアーニャが一人待っている家へと大勢で襲撃を仕掛けるのでした!!



というわけで、スパイと超能力者の奇妙な生活が幕を開ける本作。
目立たず自然に任務を遂行するのが理想なスパイですが、まさか引き取ってきた子が超能力者とは夢にも思わないわけで。
アーニャがいきなり巻き起こしたとんでもない騒動、果たしてロイドは、アーニャの身、今後の仕事、新しい生活……様々な部分を無事に済ませることができるのでしょうか!?

そして第1話はこの後さらに驚きの展開を迎え、ロイドとアーニャは取り急ぎ「母親」を作る日登用が出てきてしまいます。
紆余曲折あって白羽の矢が立つのが、会社員、ともう一つの顔を持つ物静かな女性、ヨル。
彼女の登場で、物語はいよいよ本格的に動き出すことになるのです!!
それぞれが二つの顔を持ち、それぞれにばれないように「家族」を演じる。
そもそもは利害が一致しているから家族になろうと言う、仮初の関係であったはずの三人が、徐々にその関係を変えて行く、そんなお話になっていきます!!

基本的にはコメディとなる本作ですが、アクションも豊富ですし、三人のメインキャラは決めるべきところではかっこよく決めてくれるシリアスな場面もたっぷり用意されています。
シリアスとコミカルが程よく織り交ぜられ、なおかつハートフルな感動も与えてくれる……
そんな贅沢な作品なのです!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!