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今回紹介いたしますのはこちら。

「月色のインベーダー」第1巻 山野藍先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックス・ウルトラより刊行です。



山野先生は15年にウルトラジャンプの新人賞で奨励賞を受賞し、16年にデビューした漫画家さんです。
本作が山野先生の初連載作品、初単行本刊行作となります。

本作はラブコメディです。
ですがもはやお約束ともいえる一つの大きな独自の要素がある、一癖あるタイプのラブコメで……?



朔馬と月呼は、二人で海を目指して歩いていました。
今日は夏休み最終日。
月呼と朔馬は、残っていた夏休みの宿題、天文部の課題を果たすために梅にやって来たのです。
真夏の暑い日差しに炙られ、月呼は道中何度も補給、と称してお店により、アイスを食べていました。
目指す課題は、300年に一度ともいわれる天体ショー、「アップルムーン」をより良い状況で観測すること。
ですが、それ以上に朔馬には果たすべき課題があったのです。
朔馬は……地味だとか目立たないとか言われている、ちょっと天然なこの水望月呼のことが好きなのです。
今日こそは、彼女に告白する!!
そんな長年の課題もここで解決してやろうと意気込んできたのです!!

……が。
何と言う事でしょう、あれだけ嫌がらせのようにからりと晴れていた天候が、海についた途端大荒れになってしまったのです。
いわゆるゲリラ豪雨と言うやつでしょうか、ひょっとすると市街地に入ればこの雨から逃れられたかもしれません。
判断ミスかもしれないこの状況に、流石にへこむ朔馬ですが……
月呼はこんなことを言うのです。
しょうがないよ、課題は無理っぽいけど、私は……夏休みの最後に朔馬くんと過ごせて楽しかったな……
…………これは、もしかするともしかするんじゃないでしょうか。
状況的にはあまりロマンチックとは言えませんが、ここは行くべきところでしょう!!
あの、俺は、君のことが……
意を決してそう言いかけた瞬間のことです。
ゲリラ豪雨のせいでどこかが決壊したのか、二人が雨宿りしていた小屋ごと押し流すような鉄砲水が押し寄せてきたのは!!
凄まじい水流に押し流され、朔馬は何とか命が助かったものの……その薄れ行く意識の中で、完全に行きも脈もなくなってしまっている月呼の姿と……
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クラゲのような、得体のしれない物体の姿が目に入ってくるのでした……
朔馬が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上で下。
近所の人が助けてくれて病院に担ぎ込まれたのですが、幸いそれほど大きなけがではなかったようです。
それを聞きつけて駆け付けてくれたらしい朔馬の姉も、いつも通り適当な対応をしてくることからもそれはうかがえます。
となると気になるのは月呼です。
慌てて看護婦さんに一緒にいた女の子はどうなったかと尋ねますと……「呼吸や脈拍も安定している」と言うではありませんか。
まだ意識は戻っていないようですが……あれは見間違いだったのか、ととにかく朔馬は安堵するのでした。

月呼も無事でしたし、自分も対した怪我でもないからと着替えて自宅に戻ろうとした朔馬。
ですがそんな時、起き上がってフラフラと屋上に向かう月呼の姿を発見します。
すぐで歩くなんて危ない、と慌ててそれを追いかける朔馬、屋上で月呼に追いつくことができました。
が、月呼はバランスを崩して倒れこんでしまうではありませんか。
なんとかそれを支える朔馬ですが……月呼はこんなことを言うのです。
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ここはどこの星だ?と!!
お前はこの星の原生種か、ぐろてすくな容姿をしてるな、知能も低そうだ。
そんなことを言う彼女に、朔馬は話を合わせ、そうか水望さん宇宙人だったのか、驚いた!と笑うのですが……
月呼は答えるのです。
話が早いな、お前たちの概念で言えば、宇宙から来たと言えばいいのか。
この個体は「ミナモチツキコ」というのか?
そう言うと彼女は、朔馬が見ている目の前で、髪の色をみるみると変えながら言うのです!
ミミナモチツキコの体は私が頂いた。
この星についてからクソ汚い海を漂い続けて私も危険だったが、ちょうどよく死にかけてきた子の個体を見つけた。
おかげでコイツの脳に侵入できた。

あの意識を失う直前に見た、クラゲのようなアレ。
アレが、月呼の体を乗っ取ったと言うのです!!
自分は追われてこの星に来たから、隠れるのを手伝えと言う月呼INクラゲ。
勿論すぐにその身体から出て行けと言う朔馬なのですが……
クラゲは言うのです。
コイツの脳は大分ダメージを負っていたから、私がその部分を補っている状態だ。
今ワタシがこの体から離れれば、
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ミナモチツキコは確実に死ぬぞ?

そんなことを言われては、サポートしないわけにもいきません。
クラゲは月呼の脳内の情報を読み取れるとのことで、こうして会話ができたり、人名などの基本的な情報などは知ることができるようです。
ですがそこは宇宙人、体の動かし方が今一つ上手くできなかったり、身体にまとわりつく感じが嫌だと服を脱ぎ捨てようとしたりするのです。
そんなクラゲの暴走を止めたい朔馬なのですが、その身体が月呼であるがためになかなか強く出ることができないのです。
と、そこに看護婦さんがやって来ました。
もしここで月呼のなかに宇宙人がいると知れれば、何をされるかわかりません。
だから宇宙人だと悟られないように目立つなと言うのですが……
クラゲは言うのです。
でも、そこにいるのは異星人だぞ、と!!
なんとその看護婦も宇宙人!!
しかも、とても希少だと言うクラゲを狙ってきた、クラゲを追うものの一人だったのです!
狂暴な宇宙人だと言うその看護婦を前にして、なんとクラゲは自ら前に出てあっさりつかまろうとしました。
朔馬は関係ない、二人ともやられるのは効率的ではない、と言うクラゲ。
なのですが、だからと言って彼女を活かせるわけにもいきません!!
月呼が戻ってくるからわからない、でも……
「好き」だ。
それを伝えられるまで、お前は渡さない!!
朔馬がクラゲにそう告げると……
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クラゲは真っ赤に赤面するではありませんか!!
自分に起きたその変化が何だかわからないクラゲ。
ですが……これはやはり、月呼が完全に死んではいないという証……?
となれば、ますます渡すことは出来ません!!
そんな朔馬とクラゲに……凶悪宇宙人である看護婦が襲い掛かり……!!!



と言うわけで、片思いから両想い……になるかと言うところでまさかの宇宙人登場となってしまう本作。
月呼はほわほわしていて魅力的なヒロインだったわけですが、このクラゲ……この後「ルナー」と名付けられる宇宙人もこれはこれでなかなか魅力的だったりします。
たまに見る世間ずれしたヒロインのいちタイプともいえるルナー、地球人の常識を知らないだけに見せる無防備さ、合理性を重視する性格で感情の起伏が少ないと思わせて時折見せるかわいらしさ、そして基本はルナーではあるものの月呼もしっかり生きていると言う事がわかる様々な反応と、様々な可愛らしさを見せてくれるのです!
そんな可愛らしさを目の当たりにした朔馬も、月呼を元に戻すためしかたなく、と言うだけではない感情も生まれてきて!?

そんな二人を中心に物語が進んでいくわけですが、主役以外の登場人物も要注目です!
4話から登場する朔馬の幼馴染である日南はお話を引っ掻き回すトラブルメーカーとしてだけではなく、しっかりサブヒロインとしてお話を彩ってくれそう。
逆にサブヒロインにはなりえないでしょうが、朔馬の姉もその唯我独尊的な性格で何かしでかしてくれるでしょう!
さらにもう一人、まさかともいえる存在がサブキャラとして定着していきそうで……?
様々なキャラの様々な魅力が楽しめる本作、そんな脇を固めるキャラとともに、月呼か、ルナーか?と言う選択も後々行われそうな予感もあり……今後の展開から目が離せません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!