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今回紹介いたしますのはこちら。

「はぐれアイドル地獄変」第9巻 高遠るい先生 

日本文芸社さんのニチブン・コミックスより刊行です。


さて、ヴァルキリーオペラの後半のブロックが開幕した本作。
いずれ劣らぬ実力者たちがずらりとそろい、激しい戦いが繰り広げられる中、やはりその中でも抜けた存在も目につき始めます。
果たして大みそかに勝ちあがる後半ブロックの4名は誰なのか?
まだまだ激しすぎる戦いは続くのです!!



Hブロック1回戦。
試合場に上がるのは、あの海空と激戦を繰り広げた弩烙竜をセコンドに引き連れた、ディアナ・イオネスクです。
幼い日をストリートギャングの一員として過ごしたディアナは、攻勢プログムの中でボクシングと出会い、プロボクサーの道へ。
天性の才能を開花させ、プロデビュー以来15戦全戦KO勝利を収めてきました。
ギャングから足を洗ってはいるものの、未だ当時の凶暴性はその拳に宿したまま。
その牙をつきたてる相手は……因縁深いと言わざるを得ない国家権力、警察官の金子操!!
全国の警察官が集い実力を競い合う逮捕術大会。
警棒や警杖、ゴム短刀の使用されるなか、素手で全国優勝を果たしたのが彼女です!
元ギャングのアウトローボクサーVS法を守るポリスマン!
対称的な二者の戦いは、どんな展開となっていくのか……?
ゴングが打ち鳴らされようとする、その瞬間でした。
リング上に突如として何かが落下し、凄まじいスピードでディアナにタックル!
そしてそのままマットにたたきつけ、一撃で昏倒させてしまったのは……!!
いきなり現れた乱入者、その正体は
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ロボット……!?
一体このロボットは何者なのでしょうか。
関係者を含めたほとんどの人物はわけもわからず乱入社を見つめているのですが、このヴェルキリーオペラの仕掛け人である鳴海はその正体を知っていました。
やっと来たね、待たせるお嬢さんだ。
そんな鳴海の言葉が終わると同時に、ステージ上に映像が映し出されました。
そこに映っていたのは、パルテノン・ダイナミクスというヴァルキリーオペラの協力企業のCEO、クレアと言う女性です。
彼女が言うにはこのロボット、「ジークルーネ」は、最先端の人型ロボットのテストタイプなのだそうで。
170センチ、80キロの小型軽量化に成功しているばかりか、対人格闘に特化したAIを搭載、リアルタイムで戦術を構築・実践可能な、史上初の「単体で人間と戦えるロボット」となっている。
ボクシング・ムエタイ・レスリング・ジュードーの一流選手とスパーリングを重ね、100時間以上学習。
遂に実戦に耐えうる最終調整を完了、その成果は今見せた通り。
ROBOTと言う言葉が誕生して百年目の到達点、見たくはないか?
……何とも上手なプレゼンテーションでした。
パワーの出力は成人男性並み並みだそうですが……実際、鉄なりカーボンなりでいくらでも身体を硬くできる気がするロボット相手に、生身でダメージを与えられるとは思えません。
ですが現実として、衝撃さえ通れば機械はエラーが出やすいと言う欠点もありますし、何よりスムーズかつスピーディーに関節が稼働するのか、バランスを保持したまま攻撃動作ができるのか、と言う疑問もあるわけで。
目の前に立ちはだかる「敵」を前に、引き下がるわけにもいかず……
逮捕術の使命は最低限のダメージで犯人を捕らえること。
奇怪と言えども決して殺傷はしません。
そういって金子は、その挑戦を受けるのです!!

にわかに始まった、逮捕術VS機械、と言ういまだかつてない戦い。
ジークルーネは特に構えを取らず、両手をだらりと垂らしたノーガードの体勢です。
それはそうでしょう、機械は顔面を殴られて脳が揺れたり、腹を殴られて内臓にダメージをったり、と言うことがないのですから、ガードなど必要が無いのです。
ダウンを取るとしたら、カウンターで体重を乗せた前蹴りを当てるしかない!
そう考えた金子なのですが、
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ジークルーネの左のフリッカージャブは予想以上のスピードで襲い掛かってきました!!
ガードの上から顔面に突き刺さったそのパンチは脅威です。
が、続けてはなって来た右のパンチを金子はしっかり見切り、受け流してそのままホールドしたのです!!
小手投げのように腕を巻き込む痛め技に持ち込む金子でしたが、これは悪手。
痛みで犯人を無力化する逮捕術ですが、ロボットには痛みなどありません。
ここは一気に折る勢いで力を籠めるべきでした。
金子は気を取り直して、すかさずそのまま一本背負いに行くのですが、
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ジークルーネは取られていない方の手で地面に手を付き、両足でくるりと地面に着地。
そしてそのまま、金子の首をフロントチョークスリーパーに捕えたではありませんか!!
流れるような返し技ですが、このまま素直に落とされる金子ではありません。
双手狩りでジークルーネを刈り倒し、グラウンドに持ち込もうとするのです!!
が、ジークルーネの判断は素早いものでした。
サッと足を金子の胴に回し、体をひねって横倒しに。
とっさに左手をついて上に乗られまいと踏ん張る金子なのですが、ジークルーネはその逆の手をキムラロックに捕らえ……
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戦いは、あっさりとロボット、ジークルーネの勝利に終わってしまったのでした!!



と言うわけで、ヴァルキリーオペラが進行していく今巻。
「怪物」が乱入してくると言うのは某グラップラー漫画をはじめとした様々な格闘漫画で取り入れられている展開ですが、本作における怪物はまさかのロボット。
人間にはありえないタフネスと、人間を超える学習能力を持つロボットは、この大会の台風の目になりうる存在と言えましょう!!
ですがロボットだからこその弱点も持っているはずで……
この乱入者がこの後どんな戦いを見せるのか、注目せざるを得ません!!

勿論その他のバトルも注目の試合ぞろい。
海空とどちらが勝ってもおかしくないギリギリの戦いを繰り広げたユニの試合、前巻でいろいろと見せ場を作ってくれた渚の二回戦、野生のファイター・マオマオと最新の近代的ファイトを得意とするドロテアのバトル、そして一回戦を勝ち上がった柔道王者アレフティナVSボクシング王者ライラ……
どれをとっても見どころ満点の激戦が、ハイペースで繰り広げられるのです!!
そしてこの後半ブロックの大本命な気がしてしまう小敏の戦いも見逃せません!!
高遠先生作品中最悪のキャラと言ってもいいであろうあの人物と思しき女性を師に持つ彼女、その実力はいまだ計り知れず……!!
海空はそんな強大な敵ばかりなこの大会でどこまで行けるのか!?
誰が優勝を手にするのか……!?
興奮冷めやらぬ激闘は続きます!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!