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今回紹介いたしますのはこちら。

「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」第3巻 柴田ヨクサル先生 

小学館クリエイティブさんのHCヒーローズコミックスより刊行です。


さて、自らと同じ、仮面ライダーにあこがれ続けてきた男、一葉と出会った東島。
一番強いライダーは一号なのかV3なのか、と言うところでちょっとしたいざこざを起こしてしまう二人ですが、そんな中で一葉の弟、三葉の付き合っている少女がショッカーだったと言う衝撃の事実が判明!
さらにそこにショッカーの戦闘員や「怪人」までもが現れ……!!



とある場所で行われていた、極道同士の取引。
滞りなくその取引が終わろうとしていたところ、突然「喧嘩しよう」と言う話になっていきます。
と言っても構想とかそう言ったものではなく、素手での殴り合い……腕自慢同士の力比べのようなもの。
ある男に勝ったら100万円やる、と賞金まで出されたため、腕自慢の若い衆三人が手をあげました。
その若い衆三人と戦うある男、と言うのは……中尾という44歳の極道。
この中尾、詐欺やらなにやらの頭を使った行動は苦手で、結果弟分たち三人とともにショッカー強盗をしたこともある……極道としてはあまりぱっとしない男です。
ですが、倒せば100万円とまで言われるだけあり、喧嘩の腕前は相当なものでした。
3ん人組は誰かが中尾を倒せば、倒したものが100万円。
中尾は3人とも倒せば100万円。
弟分と、100万もらって焼肉だ、と約束し……中尾は戦いの場に向かうのです。

最初の相手は、スキンヘッドの男。
中学高校と柔道をやっていて、高3の時には全国大会にも言ったことがあると言う経歴の持ち主です。
いきなり100万もらっちゃいます、サーセンと自信をにおわせる声とともに立つその男、どうなったら勝ちですか、ギブアップとか、しめ落としちゃった場合とか……と、自分が買った時のことばかり聞いてきました。
が、中尾側の親分は勝ち負けなんて自分でわかるからやれ、と一喝。
早速喧嘩が始まるのです……が。
開始早々、有無を言わさぬ中尾のパンチが男の顔面にさく裂。
その一発でほとんど勝負は決まっていたものの、中尾は男の襟首をつかんでダウンを許さず、そのまま顔面に拳を叩き込み続け……あっさりKO。
次来い、と二人目の相手を誘います。
二人目の相手は元ボクサー。
こちらは先ほどの相手とは違い、相当な打撃の心得があるようで、早速すさまじい速さのジャブを中尾の顔面に叩き込んできました。
眼鏡かけたままとか危ないっスよ、と言う元ボクサー。
すると中尾は、お前にやる、とその眼鏡を元ボクサーへ放って渡し……
思わず受け取ろうとしてしまったその隙をついて顔面に頭突き一発!!
その一撃で勝負は決してしまうのです!!
最後の相手は相撲崩れ。
もう面倒になったのでしょうか、相撲か、と言う言葉とともに股間への蹴り上げ!!
よし来い、と言う受けて立つような言葉とともに、再度股間を蹴り上げると……もう相撲崩れはまともに立つこともできない状態に。
顔面にパンチを叩き込み、瞬く間に三人をKO,100万円をゲットするのでした。
……が、これでは相手側の気持ちがおさまりません。
今度はそちら側が一人の男を呼び、その男を倒せたら……500万やる、と言いだすのです!
「無敵」だと言うその男の名は雲田。
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一見すると細身の優男と言った感じですが……この男がどれだけ強いと言うのでしょうか。
ですが、中尾はその男がとんでもない人物だと言う事を察知していました。
気配を感じない、昔の剣豪かよ……
ただならぬ気配を感じてはいましたが、戦わないと言う手はないわけで。
いざ勝負……と言うその時でした!
いきなりそこに、
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拳銃を構えた数名の男たちが殴りこんできたのです!!
中尾たちがやったショーッカー強盗とは違う、本物の強盗です。
それも取引のお金と物品をそうどりしようともくろんだ、筋金入りの……!!
乱射される銃。
とっさにかわそうと動いた中尾以外の、親分二人と雲田はその弾丸を浴びてしまいます。
中尾はすぐに三人の子分とそこから逃げ出して難を逃れるのですが……中尾はこのまま腐っても極道です。
子分たち三人に、先ほどの百万を渡して、これで焼き肉食って来い、とにかくここを出ろ!と逃げるよう促し……自分は先ほどの現場へと戻りました!
が、その矢先にまた銃声が響きます。
銃が発射された相手は、雲田でした。
先ほどの最初の襲撃の時に、確かに雲田には三発の銃弾がヒットしています。
だと言うのに、雲田は立ち上がり……驚いた強盗達は、再び雲田に銃を打ち込んだのです。
しかし何と言う事で賞。
それでも雲田は、平然と立っています。
転職するか。
そう呟いて……雲田は、その身体を「破り捨て」ました。
中から出てきたのは……
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クモ男!
そしてクモ男は、情け容赦なく強盗達を殺していきました。
銃すら効かず、たった一撃で簡単に人を殺める力を持っている……本物の怪人です。
ショッカーの、怪人。
…………中尾は過去、つらい現実に直面し、つらい幼少時代を送ってきました。
その中で、仮面ライダーのようなヒーローはいない、もし自分がショッカーだったとしたら、この世界でも生きて行けるかもしれない……そんな歪んだ考えを抱き、アウトローの世界へと身を落としていったのです。
そんなショッカーが、目の前にいる。
そして、自分の体を刺し貫いて殺そうとしている……
中尾の口から出てきたのは……「イーッ!」というショッカーの戦闘員のような叫び声と、大量の血反吐。
そして……心の底から溢れてきたこんな言葉でした。
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俺を、ショッカーに、してくれないか!?
その言葉を最後に……中尾の意識は、消えて行ったのです……



と言うわけで、今度はショッカーに憧れた男、中尾が現れた今巻。
そんな事情など知らないクモ男は、あっさり中尾を殺してしまったわけですが……
それにしても本作におけるショッカーとは何者なのでしょうか。
ユカリスをはじめとした、人知を超えた戦闘員を作り、そしてその力をはるかに超える怪人まで生み出す謎の科学力。
かといって何かをしでかすわけもなく、闇に潜んで一般人に紛れて生活をしているその戦闘員や怪人。
その目的は、原作通りの世界征服で、今はその準備をしている段階だとでも言うのでしょうか?
そしてその設立者は何者なのでしょう。
本当にあの「首領」がいて、作ったものなのでしょうか。
いや、本作ならば……「ショッカーに憧れた男」が作り出した組織、だと言うのが自然なので社内でしょうか!?
ともかくその正体が明かされるのはまだ先のことになりそうです。
まずはこの中尾と言う男の物語に注目したいところ!!
ショッカーにしてくれと言う魂の叫びとともに倒れた中尾、その叫びを聞いたクモ男はどうするのか?
あまりに悲しい過去を過ごした中尾の、とんでもない未来とは!?
まさに必見の内容となっております!!

そして前半では、新キャラの登場とともにユカリスと三葉の間でかわされた約束が果たされるエピソードが収録。
後半の中尾片はもちろんですが、そちらでもヨクサル先生節の効きまくったストーリーが堪能できますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!