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今回紹介いたしますのはこちら。

「U12」第9巻 闇川コウ先生 

講談社さんのアフタヌーンKCより刊行です。



さて、救いを求めて出て行った外の世界が、とんでもないことになっていた前巻。
そんな中で要はみんなから引き離され、あの施設へと閉じ込められてしまいます。
スタート地点に逆戻りとなってしまった要ですが、まだ希望は残されているようで……!!



要は施設に残されていた少女達と合流しました。
少女達は、琴美達がまだ無事であることを要から聞き、喜びます。
ですが今は、この施設内に閉じ込められている自分達の方が問題です。
いつ「お楽しみ会」が始めるかわからない状態。
今この場にはいない琴美達の心配よりも、まずは自分達の心配をする必要があるのです。
……ですが以前、この施設についての説明の際にこんなことを言われていたような気がします。
12人の指定された囚人の相手をする。
長い間の戦いを生き延びてきた少女達、お楽しみ会で相手をしてきた人数は12人を超えているような気がするのですが……
もしかすると、一緒になった9組との分も合算されているのかもしれない、いや、施設側の好きなように都合よく数字を操作されているだけかもしれない。
ぬぐいきれない不安が、一同に暗くのしかかってくるのです。

と、その時でした。
突然いつもとは違う、施設を揺るがすようなサイレンが鳴り響きました。
そしてこんなアナウンスが流れます。
書内の全囚人並びに人権剥奪者に告げます。
長い間「お楽しみ会」を開催してきましたが、前回終了時にクリア条件が達成されました。
これをもって「お楽しみ会」は終了となります。
今回はこれを祝して、
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「卒業式」を行います!
式に伴い、全ての房のロックを開錠いたします。
皆様にとっては最後のふれあいのチャンス、ふるってご参列ください。
……どうやら懸念されていた条件のクリアは達成できていたようです。
なのですが、やはりただ介抱してくれると言うわけではありませんでした。
卒業式と称した最後の戦いが、幕を開けてしまうのです!!
今までとは違い、施設じゅうの変態が襲い掛かって来る卒業式。
その場しのぎの戦法では、瞬く間にその物量に圧倒されてしまうのは間違いないでしょう。
この部屋の籠城しようと言う一同ですが、要はこんなところに籠城してもたかが知れている、逃げ場がない方が問題だと指摘。
とはいえ無策で飛び出しても同じですから……もっと籠城するに適していて、それでいて逃げ場のある場所はないのでしょうか……?
そこで口を開いたのは、いちごでした。
私が教えてあげるわ、その代わり命懸けで私を守るのよ。
にやりと笑ういちご。
彼女が連れて行ってくれた「十三号房」は、その余裕にも頷けるとんでもない部屋でした。
中には、驚くほどの量の銃火器が取り揃えられていたのです!!
一人きり残されてしまったいちごは、所長に「好きに使え」とここに連れてこられたのだと言います。
少女が一人では、お楽しみ会が盛り上がらないと考えたのでしょうか?
いや、違うようです。
要ははっきりとこう言いました。
私たちに殺し合いをさせるためよ。
あなた達も似た経験があるはずよ、教団の施設で。
……所長の目的は何なのか。
要にはそれも予想がついているようですが……
その事をゆっくり話している時間はないようです。
既に変態達はすぐそこにまでやってきていました!!
素早く打ち殺す要!!
もう一刻の猶予もないようです。
今の銃声を聞きつけた他の変態が駆けつける前に、さらに籠城しやすいような体勢を整えなければなりません!!
棚やケースを入り口に集めて、変態達が簡単には入れないようにしつつ、こちらからは銃で攻撃ができるようなバリケードを作成。
欲望に狂った変態達はそれでも押し寄せてきますので、とにかく端から撃っていきますと……
やがて、変態の来襲が止みました。
流石に慎重になったのでしょう、むやみに攻めてくることは亡くなったようです。
この間に武器などを取り換え、次の襲来に備えようとする一同。
ですが、その瞬間、十三号房の壁からすさまじい音が鳴り響いたのです!!
その音はドン、ドンと鳴り響き続け……やがて、音のしている壁に亀裂が入りました!!
まさか……このコンクリートと思われる壁が……壊されようとしている!?
その後はもう一瞬のことでした。
見る見るうちに亀裂は大きくなり、そして壁は崩壊!!
ぱっくりと開いた大穴から……
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囚人002号が姿を現したのです!!
囚人001号は、元首相・雁でした。
そしてなんと、以前要たちが倒したはずの002号は……雁の兄でした。
雁の兄、002号は、その性癖はともかくとして、雁にとっては理解あるやさしい兄だったと言います。
ですが今の002号は、まともな言葉すらしゃべらず、唸りながら一同に襲い掛かってくるだけ。
さらに、銃弾を何発撃ち込んでもまるでひるむことなく、要たちに襲い掛かり続けるのです!!
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まるでゾンビか何かのように変貌してしまった002号。
一体これはどう言う事なのでしょうか?
その様子をモニターで見ていた雁は、所長にこれはどう言う事かと問い詰めました。
囚人002号には確かに蘇生した。
ただしそれは肉体のみ、脳はあの時停止したまま。
だから少々細工し、実験に利用できる処置をした。
肉体を動かすための脳機能を代替する装置を取り付け、こちらの支持に忠実に動きある程度の自立行動もできる……いわばロボットのようにする処置を。
雁は怒りに震え、所長を怒鳴りつけます。
なんてことを、あなたはもう許しません、クビです、私の命令で監獄送りです!!
が、所長から帰ってきたのはこんな答えだったのです。
あなたは道具として非常に役立ちました。
しかしもう必要ありません。
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所長は銃を構え、雁に狙いをつけ……!!

と言うわけで、いよいよクライマックスとなる本作。
外の世界が崩壊していたことで、まだまだ続くかと思われた本作ですが、今巻で完結となりました。
だからといって投げっぱなしで完結と言うわけではなく、しっかりと様々な謎に決着をつけての完結となっているのでご安心ください!
何故外の世界はあんなに荒れ果てていたのか、どうして変態達がこれでもかと言うくらい無数に存在していたのか、民神教とはなんだったのか?
それ以外では投げっぱなしの部分もありますし、いろいろアレな部分はありますが……
とりあえずそのあたりの衝撃の真相はばっちりと明かされ、怒涛のクライマックスへなだれ込んでいくのです!!
そしてそのクライマックスも、まさかすぎる展開が連続……!!
最初からギャグとサスペンスが半々(?)な作風ではありましたが、迎えた結末はまさしく本作ならではのその作風が爆発した、脱力しながらもなんだかいい感じのような気もしてしまう物となっているのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!