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今回紹介いたしますのはこちら。

「ダンジョン飯」第8巻 九井諒子先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


さて、ファリンを救うための最深層への旅を続けているライオスたち。
ほどなく今まで冒険者たちの誰も踏み入れたことのない最奥へと足を踏み入れようと言う段階になってきたものの、ダンジョンの形が刻一刻と変わったり、今まで出会ったことのない現象に出会うなど、まだまだ道は険しく……?



思いがけないトラブルを何とか潜り抜けることができたライオスたち。
進んでいくうちに、古代ドワーフの遺物と思われる、自動トロッコを発見します。
あまりに古い遺物ですから、もう動くことないだろう、解体して売ると結構いい値がつくんだよな、などと言いながら一同が中に入ってみますと……
なんといきなり扉が閉まり、トロッコが動き出しました。
おそらく人が乗り込むと自動的に動く仕掛けなんだろう、とセンシがそこに貼られていたドワーフ語の貼り紙を読んでみるのですが……
動いているときには立って歩くなだとか、窓から体を出すなだとか、飲酒禁止だとかの、なんてことのない注意書きだったようです。
当面の危険はなさそうですし、一同は休憩がてらこのままトロッコに揺られて移動することにしました。
……暇を持て余したセンシは、お茶でも入れようと鍋を取り出します。
そこでライオスが最近習い始めた魔法がちゃんと収められているかのチェックもかねて、熱を生み出す魔法陣を描き、そこでゆっくりとお茶をに出すことにしました。
魔法陣の熱はそれほど強くなく、お茶ができるまではなかなか時間がかかりそう。
暇つぶしも兼ね、センシはライオスに対して質問を始めます。
お前たち兄妹は何故冒険者に?
一攫千金を目指す手合いには見えないが、と。

ライオスは10代のころ、故郷の村に嫌気がさして兵隊に入ったのだそうです。
ですがそこでも今一つ馴染めず、街を通りがかった商隊に拾ってもらい、雑用をやりながら転々と南下し、この島にたどり着いたのだとか。
その時たまたまファリンの通っていた魔法学校の近くを通りがかったため、顔だけ見て行こうと少し学校によって行ったのですが、いろいろアレなところのあるライオスを見てファリンも心配になったのでしょう。
どうしても行くとついてきまして……
ふたりで島の金剥ぎに向かう者の護衛の仕事を始めたのです。
そうしていくうちに自然と迷宮に入り浸るようになり、冒険者になり、メンバーが増えて行き……アレコレ会って今に至ります。
そんな身の上を聞いたセンシ、ライオスはともかくとして、魔法の才能のあるファリンは学校にいたほうがいい暮らしができたのではないか、と尋ねてきました。
聞いてみればそもそもライオスが村を出たのも、ファリンに対する村の態度が冷たすぎたから、と言うのがきっかけだったのだそうです。
魔術の才能があったばかりに疎外されてきたファリン。
そんな偏屈な村からたまらず飛び出したライオスなのですが……
ライオスがいなくなってから学校に入るまで、いや、学校に入ってマルシルに出会うまで、ファリンはひとりぼっちでご飯を食べていた、と言う事を考えると流石に胸が痛むようです。
とはいえファリンは天然といいますか、精神的に相当強い子だったようですから、案外何とも思っていなかったかもしれない、とライオス。
ですが彼女を置いて一人家を出てしまって、寂しい環境に置いてしまったのは確かです。
ライオスは、もう二度とファリンを置いていかない、せめて彼女が選んだ新しい誰かが現れるまでは、と決意しているのです。
その話を聞いて……マルシルは
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物凄い勢いで涙をこぼしておりました。
ファリンはよくわからない木の実とかよくわからない草とかよく持って来てくれた。
何でいつも私のところにって思ってたけど……
……ファリンはきっと、マルシルと一緒に食べたかったのでしょう。
ファリンのそんな気持ちを考えると、マルシルの涙はとどまることなく溢れ出るのです。
彩くまた一緒にご飯が食べたい。
そう涙をこらえようとしてこらえきれずに漏らす彼女に、ライオスはすぐ会えるよ、と励ましの言葉を漏らすのですが……
そこでセンシはこんなことを言うのです。
今のファリンはベーコンエッグだ。
卵がベーコンに乗っている、くっついているが綺麗にはがせそうな気もする。
あの時、わしは竜の肉で保存食を作ったが、それらはすべて血肉に戻りファリンと融合してしまった。
一方で、竜に戻らなかった肉もあった。
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わしらが夕食で食べた部位だ。
他の生物に消化された肉は自己を失う、それはこの生と死があいまいな迷宮の中で、唯一明確な掟なのだと思う。
それでは、
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竜の部位をすべて食べてしまえば、竜の魂のみを追い払うことができるのではないか?
ワシは今でも人の蘇生には反対だ。
しかしファリンは今生きているし、お前たちはただ彼女を命kゅうから解放してやりたいのだろう。
祖の手伝いなら喜んでやろう。
……そんなセンシの申し出に、ライオスは真剣な顔で答えました。
竜の部分を食べる。
しかしそれは……
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一体何食分なんだ?



と言うわけで、全く見えてこなかったファリン救出の糸口がつかめた、かもしれない今巻。
ファリンの体を構成する血肉の、竜の部分を食べつくす。
それが最も正しい方法かどうかはともかくとして、何とかなりそうな手段が見つかったのは光明と言えるでしょう。
まさか今まで(ライオスとセンシ以外)仕方なしにしていたモンスター食がこんなところで役立つことになるとは……
これでやることはしっかりと決まりました。
黄金の国の守護獣で、狂乱の魔術師と敵対関係にある有翼の獅子を解放する。
獅子の助けを借り、狂乱の魔術師を無力化する。
ファリンの竜部分を一緒に食べてくれる仲間(たくさんいればいるだけヨシ)を探す。
まだまだ険しい道ではありますが、それでもやることが見えてくると、俄然やる気もわいてくるというもの!!
一同の最深部の旅にも、力が入るのです!!

そして戦っているのはライオスだけではありません。
激しく変動する迷宮を見て、動き出す「種族」がいました。
その種族の手にかかれば、迷宮の制圧自体は難しくないのでしょう。
ですが迷宮が鎮圧されれば、ファリンもそのまま迷宮のモンスターとして師右松されてしまうでしょうし、関係したライオスたち一行もただでは済まないでしょう。
そんな状況を防ぐため、まさかの神仏がまさかの行動を!?
ライオスたちダンジョン最深部のみならず、そちらのダンジョン入り口付近の物語からも目が離せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!