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今回紹介いたしますのはこちら。

「ポンコツちゃん検証中」第1巻 福地翼先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。



さて、精力的に作品を発表し続けている、福地先生の最新作となる本作。
福地先生と言えば能力バトルもののイメージが強いかと思われますが、本作も特殊能力を持つ人物が主人公です。
ですが、能力「バトル」ではなく……?



水戸要は、悩んでいました。
親譲りの鋭い目つきと、ぶっきらぼうな話し方。
そのせいでクラスの皆どころか、道行くおばあさんにまで恐れられ、いつも避けられてしまっているのです。
水戸くんは常々「誰かに頼られたい」と言う思いを抱いて過ごしていましたが、このたたずまいでその望みが叶うことはありません。
自分から何か手伝うことはあるかと話しかけても、幼少のころからしみついたぶっきらぼうな話し方は治らず、どうしても荒っぽい話しかけ方になり……
いつも一人、孤独に過ごしていたのです。
頼られたい。
そんな望みを、水戸くんはあきらめようかと思っていました。
ところがそんなある日、彼を頼ってくれる人物が現れたのです!
水戸くん、と呼びかけながらやって来る、一人の少女。
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なぜか彼女のベルトのあたりから、四つのプロペラが飛び出していまして、飛んだままこちらに突っ込んできます!
そんな見るからに普通ではない彼女を発見した水戸くんですが、それほど驚いてはいないようです。
今日はドローンか。
そう呟くのですが、その少女の方はそれどころではなさそうです。
水戸くん止めて!と、水戸君を頼る声をあげる少女!!
水戸くんは彼女をがっちりと受け止めるのですが……彼女は止まることなく、そのまま

大空に舞い上がってしまうのです!!
二人分の体重をドローンで?
この柔い感触は?
様々な思いが脳裏をよぎりますが……そんなことより今は、彼女に頼られていると言う事の方が重要です!!
水戸くん、これどないかして!!
その声を聞いた水戸くんは、彼女を助けるためだけに行動を起こすのです!!
パニクるのはわかるが、まずは落ち着くんだ。
そう優しく声をかけますと……じょじょに彼女も落ち着いてきたようです。
落ち着いたところであたりを見まわそうとするのですが……
そこで我に返り、自分の胸に水戸くんがうずもれていることに気が付きました!
その恥ずかしさで改めてパニクってしまう彼女!!
その動揺が伝わったのか、プロペラが止まってしまい……
二人は真っ逆さまに落下してしまうのでした!!

幸い高い木が下に生えていまして、大怪我を免れた二人。
そこで水戸くんは、「今日の能力は何なんだ?」と彼女に尋ねました。
彼女の名前は、夢咲舞落(ひらり)。
なんと、3日前に突然「能力者」になったのだと言います。
そしてその能力はよくある火を操るとか氷を生み出すとかそう言ったものではないようでです。
なんと、日替わりで内容が変わるのだとか……?
今日の能力は、「触った物をドローンにする能力」とのこと。
毎朝夢咲さんの今日の能力は、誰からかわからない、自称「神様」なる人物からスマホで知らされまして……
二人はその能力を、日々検証することになったのです。

ですが夢咲さん、何かにつけてドジをしてしまうポンコツ体質。
彼女が毎日変わる能力でドジをしないためにも、水戸くんがしっかりと検証を手伝おうとしているのです。
今回の能力でもドジをしてしまうのですが、水戸くんの指導で少しずつ使いこなすことができた様子。
素直に、いいぞ、その調子だ、と水戸くんが褒めますと、夢咲さんは「師匠に褒められた」と嬉しそうに笑います。
そんな彼女の笑顔や、ひたむきに頑張る様をすぐ横で見ている水戸くん、ふととあることに気が付きました。
もしかして、夢咲さんってめちゃくちゃ可愛くないか!!?
いやまさか、初めて頼ってくれた人が美少女なんてこと、そうそうあるわけがない。
自らの中に沸き上がった思いを否定しようとする水戸くんですが、改めて見てみても……夢咲さんは可愛かったようです!
いや、可愛いからなんだ、自分はただ全力でサポートするのみだろ、これはただの検証じゃないか。
そうとにかく自分に言い聞かせようとするものの……
これはもはやデートでは!?などとよこしまな考えがよぎってしまうのです!!

その日もたっぷり検証しまして、最終的にはドローン化させた鞄に乗って、二人で夕陽を見られるくらいに使いこなすことができるようになりました。
すると夢咲さん、私だけじゃこんな風にドローンを使おうなんて思いもしなかった、それにこんなアホなこと本気で信じてくれて、私めっちゃ嬉しかってん、と水戸くんに感謝の意を示します。
ですが水戸くんからすると、彼女がどうして自分を頼ってくれたのかがわかりません。
どうしてこんな目つきが悪くてぶっきらぼうな話し方の自分を選んでくれたんだ?
そう尋ねると……

体育の後片づけで一人まごつき、どんくさいと言われてしまっていた夢咲さん。
なんでこんなにトロいんやろか、ため息をつきながら一人片づけをしていますと、そこに居合わせた水戸くんが手伝いながらこう言ってくれたのです。
トロくてもいいだろ。
「トロい」ってのは一見短所に見えるが、ゆっくり周りを見てる証拠なんだ。
それだって立派な「長所」だろ。
お前にはお前しか見られない景色があると思うぞ。
だからそんなの気にするな。

……夢咲さんはその事を打ち明けることは出来ません。
水戸くんは何気なくかけてくれた、覚えてもいないかもしれない言葉。
ですが夢咲さんは、その一言で救われたのです。
水戸くんはどんなものでも「いいとこ探し」ができる優しい人。
せやから私は……
そんな密かな思いを胸に秘めたままにする夢咲さん。
代わりに、
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わたしが立派な能力者になれるまで、めんどうみてな!!と答えると……
水戸くんはその可愛らしさと素敵な言葉に胸を撃ち抜かれ、ドローンから落下してしまいました!!
ダメージを負う水戸くんですが、落下のそれよりも今の一言の衝撃によるものの大きい水戸くん。
夢咲さんが頼ってくれるなら、何のために検証してるかとか、神様とか、そんなのどうでもいい……
と、考えたその瞬間でした。
二人の背後に、何か凄いものが落下したのは!!
何が起きたのか分からない二人がきょとんとしていますと、そのタイミングで「神様」からのメッセージが届きました。
一年後、「コレ」の千倍の奴が落ちます。
検証頑張ってください!
「コレ」
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の千倍……?
そんなものが落ちたら、間違いなく地球がどうにかなってしまいます!!
実は夢咲さんはすでに知っていたそうなのですが、なんでも夢咲さんはこの日替わり能力のどれかで、一年後落下する千倍の隕石をどうにかする使命を与えられたのだとか。
一年後、隕石が落下し、人類が滅びてしまう……
そんな衝撃的な真実を明かされた水戸くんですが、思わずこう呟いてしまうのです。
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一年間は毎日一緒にいられるってことか。
……こうして、二人の秘密の検証生活が、幕を開けるのです!!



と言うわけで、水戸くんと夢咲さんの検証の日々が始まる本作。
隕石の落下を防げる能力を探すと言う名目のもと検証を行うことになります。
ですが超巨大隕石を防ぐと言うのは非常に難しいわけで、例えば「手で触った物をプリンにする能力」などがあたった時も、仮に触れて隕石をプリンにできたとしても、その質量が落下するだけでとんでもない被害が及んでしまう、と言う問題が想定できてしまうのです。
果たしてどんな能力なら地球を救うことができるのか?
能力でどのくらいのモノが対象に取れるのか、どのくらいその能力を作用させることができるのか、限界はあるのか……?
そんな様々な角度で検証を行い、どんな役にたたなそうな能力でも何か使い道がないかを探っていくわけです!!

それが本作のキモなわけですが、もう一つ忘れてはいけないのが二人の関係!
水戸くんが夢咲さんが気になりまくっているのはもう疑いようがありませんが、夢咲さんもどう見ても水戸くんが好きな様子。
ですが素直にその感情を吐露することもできないのです!!
実は両想いの二人が、能力検証を通してあんなことやこんなことをしてしまう……
そんな要素こそが本作の軸!!
本作は地球を救う、ラブコメなのです!!

巻末には20Pに及ぶおまけ漫画もあり、その他おまけも大充実。
本編以外もお腹いっぱい楽しめますよ!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!