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今回紹介いたしますのはこちら。

「魔法少女サイト」第16巻 佐藤健太郎先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、「王」との最終決戦を迎えた本作。
露乃を取り返し、王にダメージを与える手段が分かった彩たちは総力を挙げて戦いに挑むのですが……?



力を合わせた戦った末、一同はとうとう最後のサイト管理人、「壱」を倒すことに成功しました。
ですがまだ王は健在。
次々に襲い掛かってくる王の魔手の前に、次々と仲間たちは倒れて行ってしまいます。
要は倒れた仲間の胸ぐらをつかみ上げ、こんなタイミングで倒れるな、と罵倒。
さらに漆にまで何とかしろと持ち掛けるのですが……
と、そんな時、今まで空を埋め尽くさんばかりに飛んでいた、人間たちの慣れの果てが一つもなくなっていることに気が付きました。
不気味なほどしんと静まり返った世界。
ですがそれは、最悪の大異変の前触れにしか過ぎなかったのです。

やがて要たちのもとに、別行動をしていた彩が戻ってきました。
遅かったじゃねえかよ、と罵倒で迎える要ですが、彩は何も言わず、自身のステッキを、倒れていた梨ナと清春、そして要に使用します。
彩は要から奪っていた寿命を返し、さらに自分の残り少ない寿命を梨ナと清晴に分け与えたようです。
そして彩はこう言いました。
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もう時間がない、今王を止めないと、この地球は跡形もなくなってしまう、と!

彩はある人物と出会いこの事実を知りました。
王と一体化した「地球の宮」は、この星の核。
王は吸収した人類を連れて、ほかの惑星に「地球の宮」ごと移動しようとしている。
この地球を捨てて……!!
彩がそう言い終わるが早いか、王が動き始めました。
文字通り大地を揺るがす振動とともに、ゆっくりと浮かび上がり始める王。
まるで巨木の根を引き抜くかのように、地面をはがしながら、メリメリと浮かび上がっていき……!!
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誰がどう見ても、これは「地球の終わり」です。
これが、魔法少女サイトに表示されていた「テンペスト」……!
このままではおそらく、いや、間違いなく地球は崩壊してしまうでしょう。
今この場で、王を止められる可能性が存在するのは……要。
あの要に、地球の運命を託されてしまったのです!!

もうやるしかありません。
要はステッキの力で飛び上がり、王の元へと向かいました。
要の寿命ももはや限界ギリギリ。
ここで勝負を決めなければなりません。
雲の層を抜け、ほとんど宇宙空間と言える高空まで来て、ようやく王のもとにたどり着きます。
すると王は、この期に及んで私に反旗を翻そうというものがいるのか、実に愚かな、と余裕の表情。
さらに、
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「王」の呼び名も今や心地いい、この母体には世話になったが、もう終わりだ、新たなユートピアが待っている、と……まるで自分が、王本人ではないかのようなことをいいではありませんか。
とはいえ、そんなことは要には関係ありません。
いま彼にとって重要なのは、王を逃がせば地球が終わってしまう事。
そして王が、要の母を吸収して連れ去ろうとしていることなのです!!
要は有無を言わさず魔法のステッキを構え、王へと攻撃を仕掛けました!!
凄まじいエネルギーが王に照射され……さすがにこれだけのエネルギーが直撃すれば王と言えどただで済むはずがありません。
ただで済むはずがなかったのですが……
王はまるで動じた様子はなく、こう返すのです。
男なら私にダメージを負わせられると考えた所まではよかったが……
どうやらキミはそうじゃないみたいだ。
ひょっとしてキミ、
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女にでもされたか?
……脳裏によぎる、美炭との「関係」。
そんな記憶とともに、要の意識はブラックアウトしていき……



と言うわけで、とうとう完結となる本作。
次なる星を求めて飛び立たんとしている王、それを止めることができなければ全ては終わってしまいます。
ですがその頼みの綱である「男」はほぼみな倒れてしまっていて……
果たしてこの戦いはどうなってしまうのでしょうか。
そしてここまで崩壊が進んだ地球が、再生することはあるのでしょうか?
泣いても笑っても最後の戦い、勝者は誰になるのでしょうか、そもそも勝者になるものは存在するのでしょうか……!?

クライマックスを迎える本作ですが、「魔法少女オブ・ジ・エンド」との関連性も明らかになっていきます。
本作と「オブ・ジ・エンド」には密接な関係がありまして、2作品で「魔法少女サーガ」の完結となるのです。
とはいっても、「オブ・ジ・エンド」との関連性だけが本作の売りではございません!
テンペストによる大崩壊を迎えてしまった地球を、どう救うのか。
その想いもよらない怒涛の展開は、どう考えてもあり得ないと思われていた「不幸」ではない結末を導き出す、驚きに溢れる内容になっているのです!!
思いがけないこの展開……必見です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!