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今回紹介いたしますのはこちら。

「巨竜戦記」第1巻 本田真吾先生 

講談社さんのマガジンKCより刊行です。


さて、「ハカイジュウ」でスマッシュヒットを飛ばした本田先生の最新作となる本作。
本田先生と言えば最近では「切子」などをはじめとしたホラー漫画のイメージが強いですが、本作はそんなホラー路線とは違うようで……?


葦原鋼は燃えていました。
今日こそ、ずっと好きだった幼馴染、水無瀬栞に告白する、と!
そんな硬い決意とともに学校にやって来た鋼だったものの、いざ学校にやって来てみると、小さく縮まってしまいました。
念のため調べたネットの情報によると、花火大会に当日誘うのはNG、と書いてありまして。
告白の場に選んだのは花火大会で、その誘いを今日かけようと思っていた鋼は大ショックをうけ、頭を抱えてしまったのでした。
とはいえ、まだ鋼には縋るものがありました。
学年一の秀才にして親友、夏目優の存在です。
彼に知恵を借りようとした鋼、優には忙しいと断られてしまうのですが……
そう言っておきながら、優は何やら怪しい新興宗教団体の「人類は滅亡する!」的なサイトを見るほど暇だったりしまして。
結局悠は相談に乗ってくれることになったのでした。

水無瀬栞は、大変な美少女で、いわば学園のアイドルと言った存在。
今まで彼女に告白し、振られた男の数は14人を数えると言います。
残念ながら明日、彼女は引っ越して遠くに行ってしまうのですが……
最後のチャンスとばかりに告白をするのはおそらく鋼だけではないでしょう。
引く手あまたで、それも明日この街からいなくなってしまう彼女に、鋼のような運動も勉強もスポーツもてんでダメな鋼が挑むのは無謀としか言えない……
と言い切るのは少々早いようです。
今まで14人すべてを断っていたのは、ガキの頃からの幼馴染のためかもしれない。
その優の言葉を聞くと、鋼に勇気が戻ってまいりました。
早速詩織のもとに向かおうとする……のですが、そこに先客が現れてしまうのです。
3年の先輩、槙野です。
槙野は栞が学校のアイドルなら、彼は学校のヒーロー、と言っていいほどのモテモテマン。
彼が声をかけると、詩織もついて行ってしまい……
学校一のモテ男にかなうわけがない。
鋼の復活した勇気は一発でへし折られ、川原でたそがれることになってしまうのでした……

ところが、です。
そのたそがれ鋼のもとに、栞がお待たせとやって来たではありませんか!!
出来る男・優によって、鋼がここで待っている、と栞に伝えられていたのです!
優に心から感謝し……いよいよ本番、最後のチャンスです。
意外にも話しかけてくるのは栞の方で、昔はよく一緒に遊んだのに最近は話もしなかったね、私避けられてるのかなって思った、とちょっと驚きの言葉を放つ栞。
その件に関しては、鋼が勝手に詩織に引け目を感じて距離を取っていたと言うのが真相なのですが……
流石にそれを正直に言うわけにもいきません。
そこで鋼はさっき先輩に呼び出されてたけどこんなところに来ていていいのか、と先ほどの件に対しての質問をすることに。
栞は、告白されたけど断った、といいました。
槙野先輩はサッカー部のエースで生徒会長と言う凄い人物。
ですが、栞はこう考えてしまったのだと言います。
この人はワタシがピンチの時に助けに来てくれるのかなーって。
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私にはずっと心のヒーローがいるから。
ここぞと言うときに救ってくれる、本物のヒーロー。

その言葉に今一つピンと来ていない様子の鋼。
栞は何でもない、と言葉を打ち消し、鋼と一緒にこの街の想いでのスポットを巡りました。
その中で神社の記憶だけ、鋼にはなぜかおぼろげで、スゴくないた記憶がある、としか覚えていませんでした。
栞はどうやらここにこそ、大切な思い出があるようなのですが…・…

そのまま栞をアパートまで送り、お別れの挨拶をする二人。
ですが流石にここで引き下がっては、自分の背中を押してくれた優にだって顔向けができません!
栞を呼び止め、鋼は言うのです。
今夜の花火大会、一緒に見ないか、と!!

意外にと言いますか、やはりといいますか……栞は花火大会に来てくれました。
アパートの屋上で花火を見る二人。
そこで詩織は、神社での出来事を話してくれました。
かくれんぼして怒られて泣いた、と言うのが鋼の記憶。
ですが実際に怒られたのは、御社の中に入って、その中に収められていた奇妙お泣き箱を触ろうとしてしまった栞の方だったのです。
神主さんにものすごい剣幕で起こられてしまった栞は、怖くなって泣きじゃくりました。
するとそこに、ヒーローが来てくれたのです。
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栞ちゃんを泣かせる奴は許さない!栞ちゃんは僕が守るんだ!!
栞よりもぐちゃぐちゃな酷い泣き顔で、それでも栞を助けようとしてくれた鋼。
それ以来、鋼は栞にとってずっとヒーローだったと言うのです。
……なんだかいいムードになってきた二人。
するとそんな二人を祝福するかのように、空を覆い尽くさんばかりの流星群が流れてきたのです!
さらにロマンティックなムードに包まれた、今を逃す手はない!!
鋼は決心し、とうとう思いのたけを告白したのです!!
俺ずっと、お前のことが……

ですが、その先の声は栞には届きませんでした。
流星群や花火がちゃちなものに思えるような、巨大な何かが轟音を立てて空を通過したのです!!
そしてその何かは、花火大会ので沸き立つ東京の街に落下し……!!
物凄い被害が出る。
そう思わずにはいられない二人ですが、そこにそんな不安がかすんでしまうほどの大事件が起こるのです。
濛々と立ち込める煙の中から、姿を現す
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巨大な……竜!?
その竜は、まっすぐに花火大会の会場方へと向かっていくのです!!

家族が花火大会を見に行っている、放ってはおけない。
そんな栞の言葉を受け、二人は危険を承知で花火大会の会場へ向かったものの……待っていたのは、燃え盛る地獄とかした会場でした。
お父さんもお母さんもきっともうダメだ。
私が見に行きたいなんて言ったから私たちももう助からない……
そう言ってへたり込む栞を背に……鋼は叫びました!!
栞がずっと幸せでありますように!
栞がずっと幸せでありますように!
栞がずっと幸せでありますように!
流れ星に向かって、三回叫ぶ鋼!!
そして、鋼はまたも泣きながら、栞にこう告げました。
栞のことは、命に代えても俺が守るから!!
だからまだあきらめるな!!
鋼は変わらず、栞のヒーローのまま。
にこりと笑顔を浮かべた栞は……やっぱりあなたは私のヒーローだよ、と告げ……鋼を、突き飛ばしました。
大好きだよ、鋼。
そう言い終わった直後、
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襲来した巨大な竜に……栞は、呑み込まれたのです……


と言うわけで、「ハカイジュウ」よろしくモンスターパニックものの様相で幕を開けた本作。
その「ハカイジュウ」は、物語が進むにつれてバトルものの要素が強まっていったわけですが……本作はそのタイトルからもうかがえるように、この後すぐにバトルものとして物語の舵が切られるのです!
この後、数々の登場人物が鋼の前に現れ、様々な謎と真実が鋼に突きつけられます。
鋼にとって、あの竜は愛する栞を奪った憎い憎い存在。
ですが普通ならば、あまりにもサイズが違いすぎるためにあきらめざるを得ない所でしょう。
それでも、鋼の中の怒りが静まることはありません。
さらに、鋼にとって思いもよらない希望も見えることになり……!?

この第1巻は、これから始まるであろう長い戦いのプロローグとでも言うべき内容になっています。
竜を巡る組織や、鋼にある契約を持ち掛けてくる存在、そして鋼の体に起きる異変。
だんだんとそれらが見えてくる中の今巻のラストで、一気に物語が動く展開が待っています!
明かされていくであろう謎、微かな希望、鋼の運命。
古事記をモチーフにしていると言う本作、あの竜が古事記の「オロチ」に関係していると言うことも間違いなさそう。
導入部こそ「ハカイジュウ」を連想させる要素がつまっておりますが、これから先では古事記にまつわるその他の様々な出来事をなぞるような展開も予想されますし……
今後に期待せざるを得ませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!