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今回紹介いたしますのはこちら。

「可愛そうにね、元気くん」第2巻 古宮海先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。



さて、クラスメイトの女子、八千緑さんをモデルに、主人公が暴力を振るわれる漫画、所謂リョナ漫画を描いていた元気。
ですがそんな秘密をクラスの人気者の美少女・守に知られてしまいまいた。
ところが守はその行為を糾弾すると言うよりも、何やら面白がって、その事実を人質に元気を翻弄するような行動をとって……?



何をしでかすかわからない守。
ですがとりあえず、今すぐに八千緑さんにすべてをばらされるようなことはありませんでした。
しかし、守によって元気のリョナ漫画を勝手に入稿されてしまい、その同人作品を次の同人イベントで得ることを強制させられてしまい……
しかも守はそのイベントに、八千緑さんを誘って一緒に行こうと持ち掛けてしまったのです!
全てがばれてしまうのも時間の問題。
焦りを隠し切れない元気ですが、今何ができるかと言えば何もできることはなく。
元気はただただどうすればいいか頭を悩ませながら、日々を過ごすしかないのでした。

そんなある日のことでした。
自分の趣味を理解してくれている先生と、その性癖こそ知らないものの、趣味で絵を描いていることは知っている中学校からの友人、勝丸とともに落書きをしていた元気のもとに、意外すぎる人物が訪ねてきたのは。
見目麗しい美少年。
元気に会いに来たと言うその少年は、八千緑励一と名乗りました。
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なんと彼、八千緑さんの弟だと言います。
姉が久しぶりに登校したから気になってやって来たと言う彼、何故元気のことを知っていたのでしょうか。
なんでも八千緑さんの家の家政婦さんに、元気が少し前に家にやって来ていたのを教えてもらった、と言うのです。
確かに以前、元気は体調を崩したと言う八千緑さんを心配して、家を訪ねました。
ですがそれは、いろいろ悩んだあげく、こっそり忍び込んで……と言う状況だったのです。
ばれていた……
少なからずショックを受ける元気ですが、励一は忍び込んだことを怒るどころか、わざわざお見舞いに来てくれてありがとう、今日はそのお礼と言うか、その人がどんな人か気になってやってきたんだ、とにこやかに言うのです。
そんな励一がまず食いついたのは、先ほどまで描いていた落書きでした。
元気は昔から趣味がああでしたので、見せるのにも問題がないような絵でも隠すのが癖になっています。
ですから初対面の彼に見せるのも当然抵抗があるのですが、そこで勝丸が勝手にスケッチブックを渡してしまったのです。
勝丸からすれば、せっかくうまいんだから隠すことはないと言うわけなのですが……
女児向けアニメのキャラクターを描いたイラストなんかもあり、趣味云々を置いておいてもあまり見せたくありません。
そう言ったものに理解のない人が見れば、ドン引きされてしまってもおかしくないそのスケッチブックですが……励一は、
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元気くん凄いな、超いろんなもの描けんだね?と目を輝かせて笑ってくれたのです!

そんなところで、励一は本来の目的に向かおうと席を立ちました。
七ちゃんはどこか知ってる?と姉の居場所を尋ね、元気からそれを聞くと……
励一は元気にこうささやきました。
知っての通りどんくさいけど、大事な姉なんだ。
これからも七ちゃんをよろしくね。
七ちゃんの友達は俺の友達みたいなものだし、俺ともよろしくね、元気くん。
そう言い残して去っていった励一。
彼を見送った後、元気、勝丸、そして先生まで声をそろえて彼のことをこう評したのです。
すごいキラキラしてたな、と……

ですがその後、励一は八千緑さんに会うことなく自宅に戻っていました。
自宅には一足早く八千緑さんが帰りついていたのです。
励一は八千緑さんの部屋の前に立ち、ふすま越しに問いかけました。
どうして帰っちゃうかな、俺が来てた事きづいてたんでしょ?
……八千緑さんは、何キャラ気分の悪そうな表情で、ただの入れ違いだよ、と答えました。
励一は、それならいいや、と軽く流し……たかと思うと、こう続けるのです。
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元気くんって友達、絵うまいんだねー。
……八千緑さんは、廣田君は別に友達じゃないよ、と……何やら一層、セリすらも感じさせる表情でそう返すのですが……
照れなくていいのに、おやすみ、とまたあっさり流して、励一はその場を離れるのです。

そして励一は、自室に戻り……そして、天井裏にある隠し部屋へと向かいました。
その部屋には、一面八千緑さんの写真などが貼られているのです!
励一はつぶやきます。
七ちゃんの学校にいる誰かだとは思ってたけど。
見つけちゃった。
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暴懲愛之助先生。
……ぼこりあいのすけ。
それは……同人活動をする際の、元気のペンネームで……!!



と言うわけで、八千緑さんの弟、励一が登場する第2巻。
姉である八千緑さんへ、まるでストーカーのような執着を見せている励一。
既に姉をモデルにしているリョナ漫画の存在を知っていた彼が、その作者である元気の存在を知って……どう動くのでしょうか!?
キラキラした王子然とした外面とは別の、何かどす黒い情念が渦巻いている様子の励一が、これからの物語の鍵の一つを握っていることは確実でしょう!

さらにこの後、問題の同人イベントが行われ、元気はますます追い詰められることに!
様々な出来事が起きるイベントですが、これはピンチでありながらチャンスでもあります。
全てがばれてしまうかもしれないというひやひやだけではなく、八千緑さんとお近づきになれる機会でもあるのは間違いないわけで。
上手く隠し通すことができれば……と、淡い期待を抱くのですが、当然そううまくコトは進まないのです!!
様々な出来事が巻き起こり、各キャラの関係も変わっていく今巻。
目まぐるしく変わっていく様相から、目が離せませんよ!!

個人的には勝丸が好きなので、もっと活躍させてあげてほしいところですが……どうでしょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!