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今回紹介いたしますのはこちら。

「ダークギャザリング」第2巻 近藤憲一先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、自らの体と友人である詠子の体に降りかかった呪いを祓うため、霊の見える少女・夜宵と協力し、霊を集めることになった螢多朗。
霊障によって引きこもり生活を送っていた螢多朗は、霊探索とともに、大学入学を機に社会復帰もしようとしていたのですが、二つ同時にこなすのはやり大変なようで……?



いよいよ本格的に大学生活が始まった螢多朗と詠子。
首席で入学した螢多朗ですが、ついてくるとごねた夜宵を連れていることもあり、周囲からちやほやされるようなことはありません。
一方の詠子はその美しい風貌に加え、実はプログラミング能力を競う国際大会で日本代表に選ばれたと言う経歴がありまして……大学生活初日から大人気。
そんな、世間から見た「格」がまるで違う詠子が、あろうことか呪いに巻き込んだ自分を煙たがるどころか寄り添ってくれている……
螢多朗は申し訳なさやありがたさとともに、本当に彼女の心の中にわだかまりがないのか?と言う疑問に包まれてしまうのです。
ですが螢多朗がそんな不安を抱えていることなど、詠子にはお構いなしなのでしょうか。
自分を取り囲む人の輪を潜り抜け、詠子は楽ちんな授業が紹介されてるパンフもらったから、一緒に履修登録を決めよう、最優先は螢くんと一緒に授業を受けることだから、とにこやかに笑いかけるのです。

もらったパンフレットを見ていた二人ですが、詠子はこんな授業が気になっているようです。
「都市伝説」。
内容は怖い話を聞くだけ、単位取得何度はものすごく簡単、出席確認すらない、落とした人の話を聞いたことすらない、とのこと。
そっち系が大好きな詠子が気を惹かれるのはもちろんでしょうし、逆に大の苦手である螢多朗が嫌がるのも勿論なのですが……
やはり詠子がどうしても行きたそうにしていれば、無碍にするわけにもいきません。
見学だけなら、と螢多朗がちょっと譲歩いたしますと、詠子は嬉しそうにうなずくのでした。

いざ行ってみた都市伝説の講義は、思ったよりもなんといいますか、学術的と言うよりも、本気で怖がらせるタイプのモノでした。
初回の授業で行ったのは、ある美大生が卒業制作で作った焼身自殺の動画でした。
それだけでも大変ショッキングなのですが、なんと「このビデオを見たら登場人物が自分に替わり、現実で焼死する」という呪いのビデオさながらの一文まで添えられていたと言うのです。
恐怖に震えながら、ビデオを鑑賞する螢多朗と、しっかりと画面を見つめる詠子と夜宵。
ほどなく映像が映し出されるのですが、再生してすぐ、映っていた男性がにやりと笑い、そしてその姿を
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螢多朗のモノに変えたではありませんか!!
あまりにいきなりの出来事に驚くばかりの一同。
そうこうしている間にビデオの中の螢多朗は燃え始め、黒焦げになると……ビデオを見ている相手を指さし、にやりと笑うのです。

呪いのメッセージのついたビデオではありましたが、実際にこのような変化をするのは初めてだったようです。
教授も慌てふためいて知り合いの住職を読んでくるから待ってろ、と教室を飛び出し、教授が不在になったことと、動画の衝撃に驚いた生徒たちはぞろぞろと教室を出て行ってしまいました。
取り残された形になる三人ですが……
そこで夜宵の抱えていたぬいぐるみが、ぶすぶすと黒い煙を上げて焦げ始めるのです!
そのぬいぐるみの中には、螢多朗達三人の爪が入っています。
そのため悪霊からの霊障の身代わりになってくれるのですが……おそらくこの霊障は、悪霊を祓うか、螢多朗が焼き尽くされるかしない限り止まることはないでしょう。
ですが夜宵は早くもその退治方法を思いついたようです。
ビデオテープの中に潜んでいた悪霊を、盛り塩で追いだして藁人形に封印。
そして小さな箱の中にモニターとともに入れました。
こうしてビデオを再生すれば、映し出される対象は呪いをもたらす悪霊だけになる、そうなれば自らを焼かないために呪いを解除するほかなくなる……と言うわけです。
あっさり解決しそうだと胸をなでおろす螢多朗ですが、なんとその瞬間、
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螢多朗の服の袖が燃え盛り始めたではありませんか!!
ぬいぐるみがあるため、螢多朗自身は呪いで燃やすことができない。
そこで悪霊は螢多朗の周りのものを燃やすことで間接的に螢多朗を焼き殺そうとしたようです!
このまま呪いの解除を待っていては、螢多朗が先に焼き殺されてしまうかもしれません。
そこで夜宵は、自分の部屋に奥の手があるから、詠子の車で送ってくれないか、と持ち掛けます。
当然それを受け入れようとする詠子なのですが、なんと螢多朗はそれを拒絶!
もうだれも大切な人を巻き込みたくないから、自分一人でどうにかする、と言うのです!!
螢多朗が詠子を巻き込んでしまったと言う後悔は、それほど大きいのでしょう。
ですが、詠子はそんな螢多朗の横に腰かけてこう言うのです。
昔から螢多朗は、霊媒体質を利用して自分を何の見返りも求めず助けてくれた。
この呪いもそう、「僕が巻き込んだ」って自分を責めているけど本当は違う。
あの時も私の肝試しに付き合って、危ないものからかばってくれてそうなった。
結果的に呪いは自分にも来てしまったけど、守ってもらわなければ今こうして無事ではいられなかったかもしれない。
だから、守られるばかりじゃなくて支えたいんだ。
ずっとそばにいた大切な人だから……
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……そんな詠子の言葉に胸を撃たれた螢多朗。
わだかまりがあるかもしれないなんて考えていた自分の愚かしさ、そして詠子の想いを知り……
螢多朗は、詠子と夜宵に改めてお願いするのです。
助けてくれないかな、と。

夜宵の家までのドライブは、燃えないように素っ裸の状態に、車内のモノが燃えないように右手に布を一枚くるむと言うなんだかすごい恰好にされるという、今までの良い話感が薄れるものではありましたが……
その奇策と詠子や夜宵の助けがあり、なんと車内で悪霊の制圧に成功。
スムーズに夜宵のお部屋の「仲間入り」となりました。
螢多朗と詠子は無事を祝いあい、これからの大学生活を楽しもう、と別れるのです。
そして、自宅に帰りつく詠子。
彼女の部屋はこぎれいに片付いて普通の部屋……に見えたのですが、その一角に何やら……小部屋の様なものが置いてあるのです。
その扉を開けると、その小さな部屋の中には一台のパソコンと……夥しい数の螢多朗の写真がびっしりと壁一面に貼ってあるではありませんか!!
その螢多朗の画像に寄り添い、胸をときめかせながら……詠子は一人呟くのです。
闇に近づくほどにあなたは身を挺してでも私を守ろうとする。
その旅に趣味と愛情の両方が満たされて、病みつきになっていく。
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螢くん、私はあなたの中毒者。
今日を無事に終えて、明日も明後日もまたずーっと一緒にいられるよ。


と言うわけで、大学生活とともに霊探索も本格始動する今巻。
それぞれの目的を果たすために霊の懐に飛び込んでいくことになる一同ですが、その目的は様々なようです。
普通の作品ならば三人の中で癒し要素となるポジションにいるであろう詠子ですがその実三人の中で最も深い闇を抱えているようで。
二人の前で曝け出すことはまだないようですが、最も力強く一同を闇の中へと引きずり込むのはおそらく彼女なのでしょう。
彼女の深すぎる愛と闇が、本作の今後を大きく左右することは間違いなさそうです!!

ともかくそんなそれぞれの思惑の中で、今巻も様々な霊現象に挑んでいきます。
集団首つり、橋からの身投げと今回は自殺がらみの悪霊が牙をむくのですが……悪霊も夜宵にただ集められるだけではなく、様々な手で三人の命を奪おうと狙ってくるのです!
そんな油断ならない戦いが続き、そして夜宵が探し求めている怨敵の名前なども判明していくのですが……さらにそこでも気になる謎や伏線めいたものが描かれていき……?
様々な要素が交じりあって進んでいく本作、今後の展開からも目が離せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!