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今回紹介いたしますのはこちら。

「天国大魔境」第3巻 石黒正数先生 

講談社さんのアフタヌーンKCより刊行です。


さて、トキオたちとマルたちの二つの物語が交錯しながら展開していく本作。
謎が渦巻く本作、いったいこれからどうなっていくのでしょうか……?



マルとキルコは、「100%安全な水」を手に入れようと手に入れた地図に記された場所に向かっていました。
しるしの場所に近くに差し掛かると、そこで一人の女性と出会います。
このしるしの場所を知らないかと尋ねてみますと、そこの高架の下をもう少しあっちに行くと地価への入り口がある、そこに水が溜まっている、と教えてくれました。
ちなみに彼女はこのあたりでホテルを経営しているようで、きれいな部屋とほした布団がありますよと二人を誘うのですが……
ここには水を取りに来ただけ、長く滞在する予定はありません。
ちょっと寄っただけだから、とマルは適当にあしらって水場へ向かおうとするのです。
が、そこでキルコがこんなことを言い出しました。
水を汲んでくる間に荷物を預けられたらいいかもなぁ、水は重いからなぁ。

……ちょっと白々しかったでしょうか。
マルはキルコが、彼女に恵むつもりで部屋を取ったことに気が付いています。
もしかしたら盗人か何かで、荷物を盗まれることだってあるかもしれません。
とはいえホテルの女性はお金や貴重品は身に着けて置いてください、と意外にしっかりとした対応をしてくれましたし、おいてきた荷物にもとられて困るような大したものはありません。
ここは信用しようということになったのでした。
そんなことを話しながら歩いていますと、ほどなくその地下への入り口が見つかりました。
地下道へ続く階段を下りていくと……昔地下駐輪場だった場所に水がたまっただけの場所であることがわかります。
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確かに水はありますが、それほどきれいな水とは思えないような……
そこで急にキルコが何かに気づいたようにハッとして、慌てて外に飛び出しました!
すぐマルも後を追いかけるのですが……キルコはあたりをきょろきょろと見まわし、考え過ぎかと一息つくのです。
が、そこで想定していたものとは違うものを発見したのです。
背中に大きな傷を負って倒れている男です。
よくよく見るとその男、少し前にもめた自警団の一人でした。
ですが今はそんなことを言っている場合ではなさそう。
男は息も絶え絶えになりながら、仲間を頼む、怪物が出た、告げてきます。
男が力を振り絞って指さした方向を見てみますと……もう一人、男が倒れていました。
駆け寄ってみますが、こちらは先ほどの男よりもひどい傷を負っていまして……もう息はないようです。
そこであることに気が付きました。
何者かの、息遣いが聞こえてくる……!
二人は慌てて逃げだすようなことはせず、冷静に勤めながら、あたりの様子を探ります。
気配は一匹。
先ほどの男たちが皆一様に背中にけがを負っていることを考えると、逃げ出した所を追ってくるような存在であると思われます。
直後、そいつは姿を現しました!!
黒っぽい獣が、まっすぐ二人のほうへ駆け出してきます!!
すぐさま二人は逃げ出し、その逃げ際にキルコは近くの柱をキル光線で打ち抜きます。
するとバランスを崩した柱は大きな音を立てて倒れ……
先ほどの獣に大きな衝撃を与えることに成功したのです!!
意識を失ったらしい獣。
こうなればこっちのものです。
本当は柱の下敷きにできれば一番良かったのですが、さすがにそれは望み過ぎというものでしょう。
キルコのとっさの判断力に感嘆するマルですが、ここから先はマルの仕事。
「人食い」を殺せるのは、その中にダイブして「致命的な何か」を破壊することのできるマルだけなのですから!
すかさずマルは獣の上に立ち、右手を獣の体に当てると、こう叫びました。
「フェイタル・ダイブ!」。
……何か技名をつけてます。
思わずその中二感の強い行動にいかんともしがたい表情を浮かべるキルコですが……
いくら待っても、マルは獣の中にダイブできないのです。
マルがダイブできるのは、人食い相手だけ。
つまりこの獣は人食いの一種ではなく……野生の獣、熊だったのです!!
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ぱっちりと目を開け、起き上がる熊!!
二人は慌てて逃げ出し、ものすごい勢いで高台へと昇りました!!
いかに熊であろうとも登れないであろう高台から、キル光線で狙撃して退治する……以外の戦法はないでしょう。
キル光線はおそらく撃ててあと1発。
その一発が確実に打てるように、電池を温めてみようと息を吐きかけ、手でごしごしとやるキルコなのですが……
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キルコ、その際に電池を落としてしまいました。
……熊はおそらく身を隠し、二人が下りてくるのを待っています。
何とかして電池を拾わなけれないけませんが……それすら命がけ!!
マルに電池を取ってきてほしい所ですが、当然マルは嫌がるのです。
そこでキルコはマルに喜んで電池を取りに行ってもらえる、魔法の言葉をささやきました。
取ってきたらおっぱい触らせてやる。
次の瞬間、
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マルは熊が待ち構える地上へと飛び降りていたのです!!



と言うわけで、思いがけないピンチが訪れる今巻。
人食いでない相手にはマルのフェイタル・ダイブ(仮)は通用しないわけで、ひょっとすると野生の熊と言うのはある意味で人食いよりも厄介な相手なのかもしれません。
スケベ心で突貫したマルは、野生の隈を相手に逃げ切り、電池を回収して戻ってくることができるのでしょうか?
全てはマルのスケベ心の本気度合いにかかって来る……のかもしれません!!

そんな今までとはちょっぴり違う危機が巻き起こる今巻ですが、この事件は今巻で起こるあれこれの中ではほんの序の口の出来事にすぎません。
トキオパートでは、前巻のあの出来事をきっかけにどんどんときな臭さを増していき、驚くばかりの展開が連続!!
意外すぎる真実や、おぼろげながら見えてくる思いがけない真実、何かを暗示するかのような奇妙な出来事などの衝撃が次々にやってくるのです!
さらにマルとキルコパートではこの後新たな出会いなどもあり、新展開へなだれ込んでいきます。
そこでもまた驚くべき展開が待っていまして……
まさに急転直下の本作、ますます目が離せなくなってまいりました!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!