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今回紹介いたしますのはこちら。

「マイホームヒーロー」第9巻 原作・山川直樹先生 漫画・朝基まさし先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。


さて、零花の決死の戦いが決着した前巻。
ですがその戦いには思いがけない存在が介入してきてしまいます。
歌仙の親族である洋二、そして哲雄と旧知の中である刑事の安元……
果たしてこの事件はどんな方向へ動くのでしょうか……?



あの事件を乗り切った後、手に残った信の携帯。
これをどうするかによって、哲雄たちの運命は変わって来るでしょう。
このまま廃棄すれば、現状のまま哲雄たちと半グレの密かな戦いが続いていきそうです。
携帯を警察に提出すれば、おそらく半グレの組織の摘発が近づくでしょう……が、同時に哲雄の犯行が全て明るみに出てしまうかもしれません。
悩みはしましたが……半グレの組織がなくなれば、問題のほとんどは解決する、そう考えますと……
哲雄はその後自分が捕まっても構わない、と覚悟を決めるのでした。

そうしてやって来た警察。
零花は哲雄との打ち合わせ通り、指名手配犯が落とした形態を拾って届けた、と言う設定で携帯を提出します。
一通り事情を説明したものの、警察は解放してはくれず……
なんと安元がやって来てしまいました。
そして安元は、自分と哲雄は知り合いなんだ、とフランクに話しかけてきました。
お父さんだったら駐車場にいますけど、と返す零花なのですが、安元の当面の目的は零花。
彼女に世間話をしようと持ち掛けたのです。
携帯の持ち主と殺された金井君は知り合いだったんだって?
金井君が殺された後二人で出かけたの?いつ怪しいと思った?
その質問に、零花は答えて行きます。
金井のお通夜に行こうと嘘をつかれたときにもう怪しいとわかった、でも騙されたふりをして一緒に行動した、と。
そして安元は攻撃を仕掛け始めます。
提供してくれた携帯なんだけど、もう一度どうやって手に入れたのか説明してくれないかな?
持ち主が顔見知りなのに本院に届けなかったのはどうして?
殺人事件を解決してほしいから、携帯が欲しかったんだろ?
欲しいものをたまたま落とした、そんな都合のいいことがあるか?
怒らないから言っちゃっていいぞ、盗んだんだろ?
……「盗んだ」と言わせようとしている。
それは零花にもよくわかります。
そんな彼女の警戒心を解こうと、安元は続けるのです。
ただの落とし物なら遺失物、俺たちが勝手に中を見ることはできない。
捜査に協力する気があるなら、真実を言ってほしい。
……つまり、事件を解決するため、子の携帯が遺失物ではない、と言う証明をしてくれ、と言いたい……零花はそう理解し……
せっかく手に入れた携帯、無駄にはできない!
そんな決意とともに、安元にはっきりとこう答えたのです。
はい、盗りました、と。
直後、安元の口から出てきたのは
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鳥栖零花、窃盗の容疑で事情を聞く。
全て終わるまで帰れると思うなよ?
携帯だせ、お前の親に任意同行をかける。
……まぁいいか、駐車場にいるんだよな?
そう言って、立ち去っていってしまう安元……
……豹変した安元に驚きを隠せない零花。
ですがすぐ、安元が普通ではない事にも気が付きました。
この人、なんかおかしい。

安元は駐車場で娘の帰りを待っていた哲雄に声をかけます。
哲雄君、ちょっと署で話したいんだけどいいかな?
ただの任意同行だ、拒否しないよな?
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なんとも否定しがたい迫力とともにそう命じてくる安元。
事件解決のために任意同行を求めただけだ、と穏やかな言葉をかけるのですが……
すぐ、零花は正義感の強い良い子だ、でもあの携帯を盗んだものだと自白した、窃盗は犯罪、場合によっては逮捕しなきゃいけない、と不穏な言葉を並べ始めます。
言うなって言ったのにどうして、と心の中でつぶやく哲雄に、安元は「取引」を持ち掛けます。
俺はある組織を追っている、今回の件で知っていることを話して捜査に協力してほしい。
その場合、娘さんの罪は一切問わない。
……そう言われては拒否もできません。
さらに言えば、その組織、おそらくあの半グレの連中を潰すのならば願ったりかなったりです。
が、安元はどう考えても哲雄を疑っているかのような質問をしてきました。
まず見せたのは、あの洋二の写真。
鳥栖洋二は、歌仙の従兄弟で……所謂極道です。
そんな反社会組織とつながりのある歌仙と結婚し、何故そちら側の姓にしたのか?
安元が世話になったらしい哲雄の親、苗場。
安元はその苗場の息子が、姓を変えてまで極道の親戚になってしまったことが我慢ならないようなのです。
哲雄君はお父さんにどう顔向けするつもりなんだ?
そう迫って来る安元に、哲雄はこう返すのです!
安元さんにとってボクは葬儀以来急に現れたように見えるんでしょうけど、僕にも僕の生活が31年間あったんです。
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顔向けも何も、そう言うのは全部20年前の結婚の時に覚悟を済ませてますよ。
あの当時の妻には僕が必要でした。
そんな妻を「あんな家」から守るために僕は結婚しました。
父にやましい思いはないですし、安元さんにとやかく言われる筋合いはないです!!
……そんな哲雄の発言を、大人になったな、と素直に感嘆の表情で見つめる安元。
ですが追及の手は休まりません。
今度安元が打ってきた手は、
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恭一です。
取調室の恭一の画像を見せ、この男を知っているかと聞いてきて……!!



と言うわけで、安元の猛烈な追及が始まった今巻。
安元が本気で動くと言うことは、半グレの組織を潰すのも近づくと言っていいわけで。
確実に哲雄逮捕は近づいてしまうのですが……それでも、完全に望まない展開とは言えないのかもしれません。
ですが零花が絡むとなれば話は変わってくるわけで……
哲雄はどう動くのでしょうか?
安元の本当の狙いは?
恭一や、零花の動向は……?

そして怪しい動きをしているのは安元だけではありません。
真感からその動きを活発化させてきた鳥栖家が、さらなる動きを見せてくるのです!
今までは半グレをどうにかする、と言うお話であった本作に、新たな災厄の火種が降りかかり続けています。
哲雄たちに訪れる未来は明るいものなのか、暗い絶望なのか?
今巻で大きく話が動きましたが、次巻でもまた大きな動きが準備されているようで……
ますます本作のこれからが気になるところです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!