今回紹介いたしますのはこちら。
「バキ道」第4巻 板垣恵介先生
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。
さて、二代目野見宿禰を中心にした新たな戦いが幕を開けた本作。
オリバを、現役の大関を相手に力を見せつけてきた宿禰ですが、早くもバキとの「ぶつかり稽古」をすることとなり……?
宿禰の凄まじい威力のぶちかまし。
そのぶちかましがさく裂する直前に、バキの凄まじいスピードのハイキックがさく裂しました。
想像を超えたそのキックを浴びた宿禰は、たまらず気絶してしまいました。
まさに「蹴速」とでも言うバキその蹴りのスピードと鋭さに感服した宿禰、今まで舐め切っていたバキに対しての認識を改め……頭を深々と下げ、改めて仕切り直しての稽古をお願いするのです。
が、そこは「胸を貸している」立場のバキ。
稽古をやめるのか続けるのか、それを決めるのは胸を出している俺だ。
余計な心配はせんでいい、かかってこい。
まさしく胸を出す兄弟子かのような、堂々著した言葉を投げかけるバキ。
宿禰はにやりと笑い……バキの蹴りを改めて称賛します。
本当に意識が飛ぶ、すごい打撃だ。
ただ……憶えた。
「憶えた」。
その言葉はつまり、来ると言うことがわかった、撃たれる覚悟ができている、と言う事。
撃たれる覚悟をしての打撃ならば、そうでない打撃と比べるまでもなく、耐えやすくなるでしょう。
かつてバキが、猪狩と戦った時もそうでした。
今度の宿禰は、先ほどまでとは話が違う……!
それはバキも十分わかっているはず。
ですがバキは、力士がするように腹をぱちんと平手でたたき、そりゃ結構、もう一丁来い、と両手をひろげて腰を落としたのです。
遠慮なく、と構える宿禰。
ですが心の中ではこんなことを考えています。
嘘だ、君は胸を貸さない。
バキ関。
体重三分の一、軽い、小さい。
君は決して受けない、細工を弄するしかない!
そう考えながら、ぶちかましに行く宿禰!!
すると予想通り、先ほどとは逆の足でのハイキックが飛んできました!!
その蹴りは宿禰の顔面に直撃するものの、今度はそれで意識を飛ばすことはありません!!
がっしりと左下手を取り、右手は肩ごしの上手を取る、宿禰十分の形に!!
そして勢いのまま宿禰は一気に寄っていき、バキを闘技場の壁まで一気に連れて行くのです!!
……が、意識こそ失ってはいないものの、ハイキックが効いていないわけではありません、
撃たれることを前提にして行ったにもかかわらず……目に見える風景はどろどろに歪んでいます。
そんな宿禰に、バキは囁きました。
効いちまってるね。
切り上げようか?
瞬間、宿禰の頭に血が登りました!!
ほざけ小僧!
力士を憐れむと言う大罪、闇で償え!!
あのオリバを、あの大関を、いともたやすく地面にたたきつけたあの投げが、バキに襲い掛かったのです!!
いままでのバキシリーズの中でも屈指の威力を持つ「投げ」を打つ宿禰ですが……
バキもそれを大人しく喰らってくれるタマではないのです!!
宿禰の腕にしっかりとかかっていた、手ごたえ。
それが突如として消え、気が付けば
バキはふわりと両足で地面に立っていたのです!!宿禰が今まで戦ってきた、投げてきた相手は皆、投げられまいと抵抗してきました。
ですが……バキはその逆、投げに自らの力を加え、むしろ協力して見せたのです!!
見事と言うしかないバキの身のこなし。
しかしその技は、宿禰にとってまったく面白くないものでした。
相手に対抗する、戦うからこその力士。
無抵抗なもの、ましてや自分に協力するものと立ち会うことなどできない。
宿禰はそう言うのです。
力いっぱいぶつかりたい、と言うのが宿禰の希望。
宿禰は言いました。
君では無理な話だ。
あまりにも小さい。
身体も、精神も。
……体はともかく、心まで小さいと言われるのはバキもちょっぴり侵害だったようです。
カラダはともかく、ココロまでっていうのはどうよ、と突っ込みますと、宿禰は再び腰を落としてこう注文をつけてきました。
ならば次こそ、「胸を貸す」にふさわしい心根と身体を見せてください。
……バキは……ようやくやる気になったのでしょうか。
しばらく天を仰ぐと……構えたのです。
バキが持つ、最大の「パワー」を生み出す構え。
トリケラトプス拳の構えで!!と言うわけで、バキと宿禰のぶつかり稽古がクライマックスを迎える今巻。
やはり体格のハンデがあるバキだけに、普通のぶつかり稽古のように宿禰を組み止める、と言うことはできるはずもないわけで。
バキは大相撲の力士ではありませんから、こうして蹴りで迎え撃つのも十分に彼なりの真っ向勝負なわけです。
が、やはり宿禰からすれば満足できるはずもなく。
ここで満を持して見せたトリケラトプス拳が、宿禰を満たすものとなるのでしょうか!?
ぶつかり稽古、最大のクライマックスがやってくるのです!!
そしてこの後、物語は思わぬ方向へ。
あの男が動き出し、まさかの大相撲との真っ向勝負に!?
前巻でなすすべなく宿禰にやられた大関でしたが、あれはあくまでアクシデントのようなものだったのでしょう。
怪物のひしめき合う大相撲の関取衆の力はあんなものではありません!!
まさかのVS大相撲……どう展開していくのか、相撲ファンならずとも期待せざるを得ませんね!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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