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今回紹介いたしますのはこちら。

「君に愛されて痛かった」第4巻 知るかバカうどん先生 

新潮社さんのバンチコミックスより刊行です。


さて、寛への愛を高め、同時に闇を深めていくかなえ。
その想いは徐々に暴走を始めて……?



寛との関係を深めて行き、クラスでの立ち位置もある程度確保したのぞみ。
ですが彼女の心は安定とは程遠く、ますます寛への依存心を強めて行ってしまうのです。

そんなある日のこと。
肩の負傷など嘘のように好調だった投球練習を終え、越智とともに帰宅しようとしていた寛。
すると、何やら人だかりを見つけました。
その人だけ利に行ってみますと、その中央にいたのは何とかなえ。
幸い(?)取り囲んでいたのは興味本位の野球部員だったこともあり、大きなトラブルにはならずカナエは解放されました。
ですが今はもうとっぷりと日が暮れている時間。
一体なぜこんな時間まで待っていたのでしょうか。
電話すると言う話だったはずなのに、何があったの?と寛が尋ねますと……
かなえは、つぶやくように説明し始めます。
友達と、喧嘩、じゃないんだけど、雰囲気悪くなっちゃって……
その言葉を聞いた瞬間、越智は強めの口調で言いました。
それだけ?
こんなところでくっちゃべってないで、お前が今すべきことは喧嘩した奴との話し合いだろ。
うつむくかなえに、可哀想だろとフォローに回る寛。
このままじゃ状況は変わらないだろと冷静に言う越智なのですが、困ってるから相談に来たのにその言い方はないだろ、と寛はさらにフォローします。
このまま正論を並べてもおそらくどうにもならないと察したのでしょう。
越智は寛に、こう言い残して立ち去っていくのです。
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気を付けろよ、と。

越智は寛が、危うさを垣間見せるかなえに深入りしてしまうことを恐れ、注意したのでしょう。
ですがそんな親心的な気持ちを察することができない寛は、物言いきついけどあいつはいいやつなんだよ、最近いろいろあったからナーバスになってるんだ、とかなえに謝るとともに越智のフォローをしまするのです。
寛の方のことを知らないかなえは、きっと夜遅いから心配してくれたんだ、いい友達だねと笑い……
そして、寛にとっていい友達とはどんな友達なのか、と関連する質問をします。
いきなり言われて堪えられない寛ですが、かなえは例えば、とこんな例を持ち出しました。
越智君がクラスの皆に無視されるようになったらどうする?
寛は……越智なら自分でどうにかするだろうけど、と前置きをして……
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そう言うのスゲー嫌なんだよな、皆に勘違いされて無視されているなら、俺は越智の良いところを皆に言って歩くよ、つらい時に支えてくれ、見返りを求めずつけてくれる、そう言うのがいい友達かな、俺はそうしてもらったら嬉しいかな、と答えるのでした。

思いやり、損得抜き。
かなえにはあまりピンと来なかったようですが、寛と別れた帰り道でもその事を考えながら歩くかなえ。
ですが駅の改札を通ろうとした瞬間、カードをタッチしようとする手を止めるものが現れました。
それは……越智です。
越智は、かなえを人気の少ないおころに連れて行き……話を始めました。
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寛のこと好きなの?
諦めてくれない?
今がアイツにとって一番大事な時期なんだよ、次のキャリアにつながる勝負所だから、寛のこと本当に好きなら時期を考えてくれ。
かなえは……自らの手の甲をカリカリと書きながら、好きに時期ってあるんですか、と尋ねます。
越智は大きくため息を付き、寛のことを何も知らないんだな、次の大会はプロのスカウトもくるこの先の人生を左右する重要なものなんだ、わかったらこれ以上寛に付きまとうな、と強く念押し。
それでもおれないかなえに、越智はさらに続けます。
寛はあんたと会うずっと前から野球を続けてる。
アンタと寛が付き合おうとどうでもいいけど、弁えるべき点がある、あんたは理解できたのか?
かなえの頭には、越智の言葉は一向に入ってきません。
ただあるのは、寛の言っていた「いい友達」が越智で、自分がその「いい友達」の言っていることが一つもわからない、と言う事ばかり。
バリバリと手の甲を描き続けていると、越智はおそらく決め手になると思っているらしいあの事実を明かしました。
寛は肩の調子が悪いんだよ、その治療に当たるべき時間をお前に裂いている、それを自重しろと言ってるんだよ!
かなえはぽろぽろと涙をこぼし始めます。
ですが、こぼれた言葉の方は、越智にとって許容できないものだったのです。
野球なんか、やめちゃえばいいのに……
……気付けば、かなえの襟首が越智につかまれていました。
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お前、今、なんていった?
殺意すら感じさせる瞳でかなえを睨み付ける越智!!
ですが、かなえは……!!



と言うわけで、寛とかなえの関係に、越智が本格的に介入してきた今巻。
物語の始まりを知る者からすれば、越智の判断は間違いではないことがわかりますが……
かなえがすっかり「気になる存在」になってしまっている寛にとって、そしてもちろんかなえにとってそんなことがわかるはずがありません。
さらにこの後のやり取りで、かなえの心情はさらに悪い方向へと転がっていってしまい……!!
だと言うのに、寛がそうして欲しいと言う「いい友達」になろうとしているかのような、意外な行動もとるかなえ。
まさしく安定しないかなえですが、その浮き沈みの中でとうとう何かを決意したかのような表情を浮かべることに!!
寛の肩、越智の行動、寛と越智の関係、かなえの心の浮き沈み。
そんな様々な要素が絡み合い、物語はまたも濃い闇が落ちてくるのです!!
徐々にあのシーンが近づいてくる予感を感じさせる今巻……
物語のクライマックスはそう遠いことではないかもしれません。
これから先の展開、見るのが恐ろしく、でも見ずにはいられませんね……!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!