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今回紹介いたしますのはこちら。

「徳川の猿(ましら)」第1巻 藤田かくじ先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


さて、「放課後少女バウト」の藤田先生の最新作となる本作。
藤田先生と言えば美少女が主役のお話ながら、容赦なくバイオレンスな要素が取り込まれていく物語を得意とされております。
本作もそんな、バイオレンスな戦う女性キャラの物語となるのですが……?



父の仇を探し、江戸へとやって来た鐘野。
父の仇のいるこの街、敵地と思って気を引き締めなければならない……と思ってはいるものの、夜になっても活気ある将軍のおひざ元のにぎやかさにはあっけにとられてしまうのです。
きょろきょろと視線を動かしていますと、そんな彼に宿の客引きの女性が声をかけてきました。
とはいってもその宿、ただ泊まるところではないようで……
うちの娘の濃厚ご奉仕なら疲れもふっとんじゃうよ、などとすり寄ってきて、ご嫡男に聞いてみよう、と股間に手をやってくるではございませんか!
慌ててそこから逃げ出す鐘野。
伯母上が言っていた通り恐ろしいところだ、と肝を冷やすのでした。
と、そこで鐘野はもめ事を発見。
どうやらチンピラ侍が、体を売ろうとしてきた二人の女性に、こんな女を抱けるかと文句をつけているようです。
鐘野はすかさずそこに割って入り、二人に謝れと杖をのど元に突きつけます。
これが腰に下げている刀だったら……!
実力の差を思い知ったのでしょう、チンピラ侍は、興が覚めたと文句を言って、足早に立ち去ってしまうのです。
鐘野は残された女性を助け起こそうとするものの、チンピラ侍に「こんな女」呼ばわりされた、全身が傷だらけの女性はその手を遮ります。
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触るな、自分で立てる、さっさとどけクソが!
鐘野の鼻をつまんで追い払おうとしたその女ですが、今度は急に鐘野の何かに気が付き……
いい匂いがするな、食わせろ!ととんでもないことを言いだし……?

体を売っていた二人の女性に、鐘野は持っていたおにぎりを食べさせてあげることになりました。
傷だらけの女性・月は、昔拷問されて目と耳と喉を薬で潰されてしまったのだとか。
今まで彼女のしていた発言は、指の合図や振動や音などを使って意思疎通の出来る彼女の妹、犬千代がしていたものだったのです。
目も耳も使えず、しゃべることもできない月の最大の楽しみは食べること。
そんな月の事情を聞き、鐘野はさらに持っていたおやきまでふるまってあげるのでした。
ですが犬千代はと言いますと、あんなチンピラ切っちゃえばよかったんだ、と文句たらたら。
鐘野は腰に刀を下げてはいますが、鐘野は自分が切るのは一人だけと決めているようなのです。
それが、父の仇。
何者かに斬殺された父の握りしめていた、ボロボロの紙片。
そこに書いてあった、「江戸 生首の男に」と言う文章、そしてその場に落ちていた天狗の面のみを頼りに、鐘野は江戸にやって来たのです。
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生首の男……
鐘野の父の仇と思われるその人物に、なんと犬千代は心当たりがあると言います。
教えてあげるから……その代わり、姉上を買わない?
家賃に困っててさ、手なら一分、口なら二分、なかなら……
そんなとんでもない条件を聞いた鐘野、慌てて手持ちの路銀をいくらか渡し、おからだくれぐれもお大事に!とまたそそくさと逃げ出してしまうのです。
そんな鐘野の背中を見送り……犬千代は、つぶやきました。
あいつは違うか、と。

とりあえず宿に泊まった鐘野。
鐘野が女性からのアプローチから逃げ回ってたのは、うぶだから……と言うだけではなく、実は鐘野が女性だからだったりします。
特別男装していたわけではありませんが、さらしで胸を抑えていたこともあって勝手に間違えられていたのです。
それならそれでいい、仇を討つまで女は捨てたんだ。
そう一人決意する鐘野なのですが……そんな時、宿に賊が入りこんだのです!!

客の一人を撃ち殺し、鐘野を含む客を拘束した賊。
その客の中には、仕事に来ていたあの月と犬千代の姉妹もいました。
何故賊は宿を襲撃し、客を拘束したのでしょうか。
銃や爆薬で武装した数名の女で構成されたその賊、「腐った徳川の転嫁をひっくり返してやろう」と考えているようで……!
抵抗したくてもこの宿に大量の爆薬を持ち込んでおり……何かあればそれを爆発させると脅してくる賊。
その爆薬が爆発すれば、宿だけではなく町は火の海。
拘束した客と、街を燃やされたくなければ、老中に切腹するよう要求しているようです。
政府の転覆が目的ならば、罪のない町人を巻き込む必要はないだろう、と声をあげるものもいたのですが……
賊からすれば町人も幕府の一部、幕府の仲間だとのことで、手心を加える気はないと言うのです!
賊は自分たちをこう呼びます。
「天狗」の眷属。
乱を呼ぶ魔物だ、と。
そして天狗の長、太郎坊はこう掲げたそうです。
我ら日本国の大魔縁となり、士をとって民とし平らかな世をもたらさん!!
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ですが老中が簡単に切腹などするはずもなく、このままでは宿の面々がいたずらに犠牲になるだけでしょう。
そこで、犬千代が天狗に話しかけました。
姉は目も耳も口もきけません、それでも姉妹二人春を売って生きてきました、何卒ご慈悲を。
ところがその要求を聞いて、天狗はこう返したのです。
ただ身を任せて生きてきたんだな、昔のあたしみてぇに。
人のお情けで生きるものなど次のよにゃいらねぇ!
そして天狗は月の口元を切り裂いて……!!
そこで今度は、鐘野が声を張り上げました!
やめろ!
どんな理由があろうが、無抵抗の弱者をいたぶるなんてかわいそうじゃないか!
……そうはいったものの、鐘野の中にも恐ろしさはあったのでしょう。
さらに、少し前からトイレを我慢していたこともあり……鐘野は漏らしてしまっていました。
天狗たちに嘲笑われ、鐘野は恥辱に震えます。
情けない、このまま殺してくれ、と考える鐘野ですが……
そこで、拘束されていたはずの月が当たり前のように立ち上がりました。
そしてその月の言葉を、犬千代が代弁します。
黙れ小便漏らし。
無抵抗の弱者?かわいそう?
誰のことだ?
お前らのことか?
立ち上がった月に驚く天狗たち。
次の瞬間、月は
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凄まじい威力の拳を、見えているモノ以上の的確さで天狗の一人の顔面にぶち込むのでした!!



というわけで、女仕事人VSテロリスト集団、とでも言うべきお話となっている本作。
月と犬千代はその幕府の仕事人的なチーム、猿(ましら)のメンバーなのです。
そしてて期待するのは幕府どころか江戸の町まで滅ぼさんとしている天狗たち。
そこに父の仇を探してやって来た鐘野鈴が加わり、物語は始まるのです。
父の仇を探す鈴ですが、当初探していた「生首の男」はすぐみつかることになります。
そしてそこから成り行きで猿の一員になることに!
猿たちと天狗の戦いがさらに激化していくのです!

藤田先生と言えば「放課後少女バウト」でも顔はぼこぼこに晴れるわ骨は折れるわと容赦ない描写をしてきたわけですが、本作はその時代背景と戦いの構図から、さらに過激なこともやって下さいます!!
掲載誌が掲載誌だけにちょっぴりエロスなサービスシーンもあり、藤田先生の持ち味が存分イン発揮されております!
さらに天狗の意外すぎる正体が明かされるなど、物語の方も読者をグイグイと引きつけてくれるのです!!
猿の面々も個性豊かで、今後行われるであろう各キャラの掘り下げも楽しみなところ!
お話もバトルもキャラの掘り下げも、期待せずにはいられません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!